飛行機を利用する際に、スーツケースなどを預けた経験はあるだろうか? この預けた荷物は、一体どのように飛行機の中に運ばれていくのか? 実は、この作業にも「はたらくクルマ」が大活躍! 大きな機体に荷物がどんどんと飲み込まれていく様は圧巻だ。その詳細をお見せしよう。
●写真/文:月刊自家用車編集部
預けた荷物はまず、コンテナに収納される
旅行をする機会が多いこのシーズン、飛行機を利用するという人も多いだろう。荷物が少ない場合はともかく、大きなスーツケースなど、機内に持ち込めないサイズのものは、航空会社の窓口などで預け入れする必要がある。
では、この預けたスーツケースなどの荷物は、一体どのように機体へと運ばれていくのか? 普段はあまり目にする機会がないが、我々が預けた荷物はコンテナと呼ばれる箱に収納されていく。このコンテナは、通常のものとは形状が異なる。船や列車で運ぶコンテナは長方形の四角い形状で、一般的にはコンテナと言うとこの形を思い浮かべるはず。(※使用する機材や状況によってコンテナを使用せずバラ積みする場合もあります。ここでは、コンテナを使用する例を紹介しています)
しかし、飛行機用のコンテナは、機体の形状に合わせて効率よく積載できるように、少しいびつな形状をしているのが特徴。具体的には、下部の角が削り取られたような形で、これにより、丸い機体にフィットするようになっている。
飛行機用のコンテナを運ぶクルマ「トーイングトラクター」
我々旅行者の荷物が詰め込まれたコンテナは、1つずつ運ぶのではなく、複数を一気に、飛行機の近くへと運ぶ。こうすることで、効率よく、短時間で積み込み作業を進められる。また、コンテナを運ぶクルマは、トーイングトラクターと呼ばれ、トヨタL&Fなどが製造している。このトーイングトラクターが、コンテナを積んだ台車を複数台連結し、所定の位置まで運ぶのである。
所定の位置まで運ばれたコンテナは、台座ごとクルッと90°回転。荷物は、次のはたらくクルマとなるハイリフトローダーにバトンタッチされる。このハイリフトローダーはコンテナを持ち上げて、高い位置にある機体の荷物積み込み口から、どんどんと機内へと運び込んでいく。
ハイリフトローダーで持ち上げられたコンテナがどんどんと機内へと吸い込まれていく様は、ボーッと眺めているだけでも気持ちいい。効率良く2つずつ積み込むことで、短時間で積み込み作業を終わらせ、スケジュール通りの定時運行を実現していると考えられる。
コンテナがどんどん機体に吸い込まれている様は見ているだけでも楽しい!
ちなみに、今回紹介している機体は、後部からも同様にコンテナを積み込んでいたので、さらに作業効率は高く、あっと言うまに、大量のコンテナが機内へと飲み込まれていった。その状況をタイムラプス映像で収録したので、興味のある方は見てみてほしい。