
暑い季節、カーエアコンから発せられる不快な臭いに悩まされたことはありませんか。快適なドライブを楽しもうと思った矢先、車内に広がる異臭に気分を害されてしまうこともあるでしょう。この問題は単なる不快感にとどまらず、健康や安全面でも看過できない影響を及ぼす可能性があります。では、カーエアコンの臭いを改善し、爽やかな車内環境を取り戻すためにどのような対策をすればいいのでしょうか。
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
カーエアコンが臭くなる原因って?
カーエアコンが臭くなる一般的な原因として考えられるのが、エアコン内部に繁殖するカビと雑菌。エアコンの仕組み上、空気中の水分が凝縮して水滴となり、エバポレーターやドレンパイプに溜まります。
この水分が完全に排出されずに残ってしまうと、カビと雑菌にとって絶好の繁殖地になってしまいます。さらに、エアコンフィルターに付着した花粉やホコリなどの汚れが栄養源となることも問題を悪化させる要因です。
カビと雑菌がエアコン内部で増殖すると、送風口から不快な臭いが放出されるようになります。この臭いは、カビ特有のムッとしたニオイや、腐敗臭に似た異臭として感じられることが多いです。
カビの繁殖やホコリといった汚れの蓄積が異臭の原因であることが多い。
長期間放置すると臭いがより強烈になり、車内の空気を著しく悪化させてしまう恐れがあるため、早めの対処が望ましいといえるでしょう。
また、カビや雑菌の繁殖は単に不快な臭いを発生させるだけでなく、アレルギー反応などを引き起こしたり、呼吸器系の問題を引き起こすなど、健康面での懸念も考えられるので、子供や高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭では注意が必要です。
エアコンのにおいは使用頻度で変わる?
エアコンの使用頻度や環境によっても、カビと雑菌の繁殖しやすさは変わってきます。
たとえば短距離の運転が多く、エアコンの使用時間が短いクルマは内部の水分が十分に乾燥しきらないため、微生物が増殖しやすい環境になりがちです。
一方で、長距離ドライブが多いクルマはエアコンが長時間作動し続けるため、比較的乾燥した状態を保ちやすく、カビや雑菌の繁殖を抑制できると言われています。
また、エアコンの使用頻度が落ちる春と秋は、内部の空気循環がおこなわれず、エアコン内部に結露が残ってしまい、カビや雑菌の繁殖スピードが早くなってしまいます。予防のためにも定期的に使用しましょう。
この臭いを抑えるにはどうしたらいいの?
カーエアコンの不快な臭いを抑えるためには、いくつかの効果的な方法があります。
まず、最も手軽におこなえる対策として、エアコンフィルターの交換が挙げられます。フィルターに溜まった埃やゴミが臭いの原因となっている可能性が高いため、定期的なメンテナンスが効果的です。
また、エアコン内部の洗浄も有効な対策のひとつ。専用のクリーナーを使用することで、エバポレーターやダクト内に繁殖したカビと雑菌を除去することが可能です。ただし、この作業は専門知識が必要なため、自信がない場合は整備工場やカー用品店に依頼することをおすすめします。
簡単におこなえる対策としては、エアコンを使用する前に外気導入モードで数分間運転することも効果的です。
外気導入をうまく活用すれば、不快なニオイの要因を取り除ける場合も。
これにより、エアコン内部に溜まった湿気を排出し、カビの繁殖を抑制することができます。
さらに、クルマを駐車する際はエアコンを止める前に送風のみの状態で数分間運転することで、内部の乾燥を促進できます。また、クルマ用の消臭剤や抗菌スプレーも臭いの軽減に役立ちます。
臭いは単なる不快感だけでなく、放置すれば健康にも影響を与える可能性がある重要な問題。この臭いを抑えるためには、エアコンフィルターの交換や内部の清掃などが効果的です。
ただし、自分だけでの対処には限界があるため、専門家による点検や整備を受けることも検討しましょう。
編集長が実際に使ってよかったおすすめカーエアコン用品
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カー用品)
気づくとキズだらけ…。「えっ…どうして!?」 車内を見渡すと、カーナビやシフトパネル、インパネなどに光沢のある樹脂素材が多数使用されているのに気づく。買ったばかりのときはきれいな光沢があったのだが、気[…]
車内には、活用できる部分が意外と多い カーグッズに対して、特に意識を払うことがない人でも、車内を見渡せば、何かしらのグッズが1つ2つは設置されているのではないだろうか。特に、現代では欠かすことができな[…]
走行中の制限を解除することでいつでもTV画面を表示可能に 最新の純正AVシステムやディスプレイオーディオは高機能だが、安全上の理由から走行中はテレビ表示やナビ操作が制限されてしまう。せっかくの高機能モ[…]
洗ってもツヤが戻らない理由は「見えない鉄粉」にあった どんなに高性能なカーシャンプーやコーティング剤を使っても、ボディ表面のザラつきが消えないときは鉄粉汚れが原因の可能性が高い。走行中のブレーキングで[…]
航続距離問題解決の切り札は「太陽光」 「Ao-Solar Extender」は、日産が開発した電動スライド式のソーラーシステム。この装備を装着することで、太陽光発電によりEVのバッテリーへの充電が可能[…]
人気記事ランキング(全体)
車内には、活用できる部分が意外と多い カーグッズに対して、特に意識を払うことがない人でも、車内を見渡せば、何かしらのグッズが1つ2つは設置されているのではないだろうか。特に、現代では欠かすことができな[…]
日常擁護型の本格キャンパー 街乗りの実用性とキャンピングカーの快適性。その両立は多くのモデルが言葉として掲げるが、実際に成し遂げるのは容易ではない。その点、日産のディーラー直営ショップが手掛ける「スペ[…]
ブラック加飾でスポーティ感を演出した、日本専用の上級グレードを投入 2022年より海外で展開している6代目CR-Vは、国内向けモデルとしてFCEV(燃料電池車)が投入されているが、今回、e:HEVを搭[…]
ホイールベース拡大を感じさせない、巧みなパッケージ設計が光る 2012年に登場した初代CX-5は、魂動デザインとSKYACTIV技術を全面採用した、マツダ社内では6世代商品と呼ばれているシリーズの第一[…]
オフローダーとしてのDNAをプラスすることで、アクティブビークルとしての資質をよりアピール 「デリカ」シリーズは、どんな天候や路面でも安全かつ快適に運転できる走行性能と、広々とした使い勝手のよい室内空[…]
最新の投稿記事(全体)
2026年度内の量産化を公言 スズキブースの目玉は「Vision e-Sky」と名付けられた、軽EVのコンセプトモデル。 スズキは「日々の通勤や買い物、休日のちょっとした遠出など、軽自動車を生活の足と[…]
BEVとしての基本性能を大きく底上げ 2021年にスバル初のグローバルバッテリーEV(BEV)として登場したソルテラは、電動駆動の利点を追求しつつ、余裕あるSUVボディや先進の安全装備機能が充実するな[…]
クルマ好きに贈るとっておきの一冊 自動車がとても珍しかった戦前から、販売台数過去最高を記録した1990年代までのクルマ業界の成長を振り返ることで、ニッポンの物づくりの力強さと開発者たちの熱い想いを肌で[…]
ホイールベース拡大を感じさせない、巧みなパッケージ設計が光る 2012年に登場した初代CX-5は、魂動デザインとSKYACTIV技術を全面採用した、マツダ社内では6世代商品と呼ばれているシリーズの第一[…]
STIと並ぶもう一つの柱として、大きな期待を持ってデビュー ベースとなるプラットフォームは生産もトヨタに委託しているソルテラと共通だが、スバルのBEVとしては初めて自社の矢島工場での生産となるトレイル[…]
- 1
- 2
















