クルマに日常的に乗る人なら、多くの人が行うであろう作業が、ガソリンスタンドでの給油。エンジンの種類によって必要な油種も異なるのだが、では、ガソリンや軽油に色が付いているという事実は、ご存知だろうか? 油種の違いで異なる色の意味について解説していこう。
●写真/文:オートメカニック編集部
ガソリンスタンドで入手できる主な油種
普段、マイカーなどに給油する際に立ち寄るガソリンスタンド、ここで車両に給油できる油種は、皆さんご存知のとおり、ガソリン(ハイオク/レギュラー)、軽油の3タイプ。まずは、それぞれの特徴を知っておこう
ハイオク(無鉛プレミアム)ガソリン
ハイオク、あるいは無鉛プレミアムと呼ばれるものは、ガソリンの一種で、レギュラーガソリンと比べてオクタン価が高いのが特徴。オクタン価が高いと、異常燃焼によるノッキングが発生しにくく、スポーツカーやターボ車など、高性能な車両で指定される油種となる。また、欧州車などの輸入車にも、ハイオク指定の車種が多い。
ガソリンスタンドでは、黄色いノズルがハイオクとなっているので、判別がしやすいだろう。ただ、ハイオクガソリンは、レギュラーガソリンよりも性能がいい分、高価な設定となっている。だいたいレギュラーガソリンよりも10〜15円ほど割高の場合が多い。
レギュラーガソリン
日本では、多くのガソリン車が利用する、レギュラーガソリン。ハイオクに比べて割安な価格となっており、普通、ガソリンと言えば、このレギュラーガソリンを指すことが多い。ハイオクに比べるとオクタン価は低いが、レギュラー指定のクルマに給油し、通常利用する上で何か不満や不足を感じることはまずないだろう。
広い意味では、レギュラーもハイオクも、同じガソリン内での区分となり、両者を入れ間違っても、深刻な事態に発展する可能性は低いと考えられる。
ディーゼル(軽油)
その名の通り、主にディーゼルエンジン用として利用される油種が、ディーゼル(軽油)となる。発生しやすい間違いとして、軽油という名前から、軽自動車(ガソリン車)に給油してまうという誤解だ。
セルフのガソリンスタンドで発生しがちな事態だが、当然ながら、軽自動車(ガソリン車)は、名前に軽がついていてもガソリン指定となるので、軽油を入れるのは間違い。誤って給油した場合、エンジン停止となる可能性が高い。
灯油
灯油は、原油から生成される石油製品であるという点では、ガソリンやディーゼル(軽油)と出自は共通している。家庭用のストーブなどでに使用されるのが一般的で、ガソリンスタンドでも、ポリンタンクに入れて購入が可能だ。
ガソリン・軽油・灯油、間違いやトラブルを防ぐためあえて着色
ガソリンスタンドで頻繁にガソリンや軽油を給油することはあっても、実際の液体を見る機会はそう多くないだろう。なんとなく、ガソリンも軽油も、無色透明というイメージを持っているのではないだろうか? 実はこれ、半分正解で、半分誤りでもある。
というのも、ガソリンは精製された状態では無色透明、軽油は無色透明から淡い黄色なのだが、間違って取り扱わないないよう、それぞれ着色されている。下の写真を見てもらえれば分かる通り、ガソリンはオレンジっぽいピンク、軽油はグリーン、そして灯油は無色透明となっている。
【ガソリン・軽油・灯油の色を比較】
こうやって並べて見ると、油種によって色が全く異なっているのがわかる。ただし、照明や光の加減で見え方が多少ことなる場合があるので、ご留意いただきたい。
使用する車両のタイプなどに応じて、適切な油種を選ぶことは、愛車を末永く大切に乗る上でも重要なポイント。燃料を直接見る機会は少ないかもしれないが、万が一の状況でも判断がつくよう、覚えておいて損はないだろう。
また、複数の人が乗るようなクルマの場合、給油口などにステッカーで、油種を張っておくと、トラブル回避に役立つはず。利用してみてはいかがだろうか?
※当記事で紹介している油種の色は、現在の一般的なものを対象とした目安です。100%の判断を保証するものではありません。また、ガソリンや軽油、灯油は、消防法の規定にもどづいて取り扱って下さい。