トヨタが誇る最上級ミニバン、アルファードの姉妹モデルがヴェルファイア。みんな大好き「アルヴェル」の一翼だ。どちらも国産ミニバンカテゴリーで1、2を争う人気者だが、商売上手なトヨタがリリースするだけにその性格付け、棲み分けはキッチリしている。ひと言で表すなら「柔のアルファード、剛のヴェルファイア」といったところか。ヴェルファイアを積極的に選ぶべき理由と、オススメのグレード、そして最新購入情報をお伝えしよう!
●文:月刊自家用車編集部
「アルヴェル」と一括りしては……。走り重視の選択ならヴェルファイアが明らかに格上
自動車雑誌やクルマ屋なんかからは「アルヴェル」なんて一緒くたに呼ばれることもあるように、アルファードとヴェルファイアは元々販売チャンネルで分けられた姉妹モデルとしてスタートした。
それが時を経て、系列にかかわらずすべてのトヨタ販売店で扱われるようになるが、アルファードとヴェルファイア共にモデルライフが継続したのは、それぞれに特有のキャラクターをもたせて棲み分けしたからだ。
アルファードが豪華かつ移動オフィスにも重宝されるショーファー(運転手付き)ドリブンに特化したのに対し、ヴェルファイアは運転しても楽しさを得られるスポーツネスを個性として獲得した。
●ヴェルファイア グレードバリエーション&価格 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
2393cc直4DOHCターボ 279ps/43.8kg-m | Z Premier【8速AT】 | 655万円/674万8000円 |
2487cc直4DOHC 190ps/24.1kg-m + モーター 134kW/270Nm | Z Premier【電気式CVT】 | 690万円/− |
Executive Lounge【電気式CVT】 | 870万円/− | |
2487cc直4DOHC 190ps/24.1kg-m + ツインモーター 134kW/270Nm(フロント) 40kW/121Nm(リヤ) | Z Premier【電気式CVT】 | −/712万円 |
Executive Lounge【電気式CVT】 | −/892万円 |
19インチホイールを標準装備して見た目も走りもアグレッシブ
ボディサイズは全長4955×全幅1850×全高1945mmと、アルファードよりも10mm背が高い。迫力の19インチホイールを標準装備してエレガントさとスポーティさを両立したスタイルは、ブラックやガンメタで彩られたフロントマスクも相まって一層精悍な印象を際立たせており、アルファードにはない凄みを見せている。
ビジネスライクでありながらファミリーユースにも対応するアルファードとの違いは、クルマにあまり興味のない層にとってはピンとこないかもしれないが、そこが却って「通」好みのコダワリやセンスを感じさせてくれる。
ヴェルファイアの真骨頂はパワートレーンと足まわりにアリ
選べるパワートレーンは、2.4リッター直4ターボ/2.5リッター直4+モーター/2.5リッター直4+ツインモーターの3種類。
2.4リッター直4ターボはトランスミッションに8速ATを組み合わせ、2種類の2.5リッター直4ハイブリッドはいずれも電気式CVTを採用する。2.4リッター直4ターボは2WDと4WDが選べ、2.5リッター直4ハイブリッドは2WDのみ、2.5リッター直4ツインモーターは4WDのみとなる。
注目すべきはやはり最高出力279PSを発生する2.4リッター直4ターボだ。ヴェルファイアはフロントパフォーマンスブレースを装備したうえで走行性能に振ったサスペンションチューニングを施しており、その恩恵はアルファードにも設定のない高出力ターボエンジンでこそ享受できるだろう。
全モデルに本革を装備するのもヴェルファイアのアピールポイント
姉妹車のアルファードと基本的には共通の装備をもつインテリア。ただし合成皮革シート仕様も設定するアルファードとは異なり、ヴェルファイアはすべてのモデルにプレミアムナッパの本革を贅沢に採用している。
合成皮革はファミリーユースで喜ばれるものであり、ヴェルファイアはそうした用途とは一線を画している格好。分かりやすくいってしまうと、伝統的なスポーツカーのように内装を本革で覆った。この贅を凝らした設定にこそ、ヴェルファイアが根底に持つ「ドライバーズカー」の思想が強く現れているのだ。
「環境性能(燃費)に日和るなかれ」 漢(おとこ)ならハイパワーなターボ一択!
お気づきだろうか? 実はこの記事、写真はすべて2.4リッター直4ターボのZプレミアしか使っていない。そう、オススメのグレードはヴェルファイアの本懐である走りの楽しさを存分に味わえる2.4リッター直4ターボ搭載のZプレミアだ。
ヴェルファイアのZプレミアは、エグゼクティブパワーシートや左右独立ムーンルーフなども標準装備する豪華仕様であり、ハイブリッド仕様に設定されるエグゼクティブラウンジを選べなくても充分満足度は高い。むしろ2.4リッター直4ターボ仕様のZプレミアこそ、コスパ最高な選択といえる。
ちなみにヴェルファイアは、アルファードと同様に長らくオーダーストップが続いているが、どうやら年明けあたりと噂されている一部改良モデルの発表とともに、販売注文が再開されそうだ。
もちろん販売再開の暁には相当な台数が用意されるのは間違いないが、現行アルヴェルを待ち望んでいるユーザー、特に先代アルヴェルオーナーの大半が代替えできていないだけに、再び争奪戦になるのは間違いなさそう。
編集部としては、正式発表前でも問題ないので、ディーラーに一声かけて購入の意思を伝えておくことをオススメしたい。
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