
●文:月刊自家用車編集部
シエンタ:モデル概要
トヨタ・シエンタは、全長4.3m弱のコンパクトな車体に3列シートを効率的に配置し、多人数乗車を可能にしたモデル。2022年にデビューした現行型は、初代モデルで高く評価されていた“使い勝手の良い室内空間”を強く意識しながらも、最新のメカニズムと装備を搭載することで従来のモデルが抱えていた不満点を解消。先代と比べるとあらゆる面で大きな進化を遂げている。
パワートレーンは、ガソリン車とハイブリッド車の2タイプを設定。ともにエンジンが1.5Lの3気筒のダイナミックフォースエンジンに変更されることで、動力性能と燃費性能が向上。プラットフォームもヤリス/アクアから採用が始まったTNGA由来のGA-Bプラットフォームを採用したことで、動的質感が向上していることも大きな強みとしている。
ライバル勢に対して見劣りしていた安全運転支援機能も、最新のトヨタセーフティセンス(全車速ACC/走行ライン制御型LKA/死角の接近車を検知するBSMなど)を採用。大幅なアップデートも実施されている。
シエンタ:スタイリング&パッケージ
現行シエンタは、シャープな面影を強めた個性的なフロントマスクを採用していた先代に対して、再び親しみやすいデザインへと回帰。丸みを帯びたスクエアボディにより優しげな雰囲気が強まることで、主力ターゲットとなるファミリー層にアピール。
ステーションワゴンと1BOX型ミニバンの中間的なパッケージングながら、全長4260mm、全幅1695mm、全高1695mmというコンパクトなサイズも維持。最小回転半径も5.0mと小回りの良さも健在と、狭い路地での扱いやすさは歴代モデルから受け継がれた美点になっている。乗用車型の地上高の低いフロア形状を採用するほか、リヤドアにはワゴン型ながらスライドドアを採用している。
【トヨタ シエンタ ハイブリッド Z 2WD(2022年8月モデル)】
●全長×全幅×全高:4260×1695×1695mm ●ホイールベース:2750mm ●車両重量:1370kg ●乗車定員:7名 ●パワーユニット:1490cc直3DOHC(91ps/12.2kg-m)+モーター(59kW/141Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:28.2km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)/トーションビーム式(R) ●タイヤ:185/65R15
シエンタ:キャビン&装備
キャビンには、ファミリーユースを強く意識した設計が随所に注入。ダッシュボード中央にはディスプレイオーディオが配置されるオーソドックスなレイアウトを採用しつつ、インパネ周りにはボックスティッシュや紙パック飲料、スマートフォンなどを収納できる小物スペースが豊富に設けられている。
シートは3列シート(7人乗り)と2列シート(5人乗り)の2タイプを用意。コンパクトなボディながら室内長2545mmが確保されているほか、サードシートはやや手狭なものの、セカンドシート下に足先を入れられる構造を採用したことで、窮屈さを和らげる工夫が盛り込まれる。シート地はファブリックを基本とするが、最上級のZ系グレードには消臭撥水機能付きの上級ファブリックにアップデートされる。
キャビンユーティリティは、前席とセカンドシート間のウォークスルーが可能。低床構造を採用したことで、乗降性の良さも武器としている。
装備面では、車載ITはディスプレイオーディオを設定。ハイブリッド車の最上級グレード(Z)では、電動制御のシフトレバー「エレクトロシフトマチック」も採用。さらに、メーカーオプションとして、後席への送風に役立つ天井サーキュレーターも選択することが可能だ。
荷室は、サードシートを床下に格納するダイブイン機構により、スマートに広いスペースを確保することが可能。5人乗り2列シート仕様では、前席以降がフラットフロアとなり、奥行き1.9m近い広大なスペースが確保されるなど、荷物を多く積みたい需要にも対応している。
シエンタ ハイブリッドZ(7名乗り仕様)(2022年8月モデル)
コンパクトモデルのウェルキャブ化は、トヨタがこだわっているポイントのひとつ。シエンタにも、最新の“人に優しい”設計が注がれたモデルが用意されている。この仕様は、1.5列目まで車いすを乗入れることができるタイプ。運転席から直接介助できることを狙いに設計されている点がポイント。
シエンタ:パワートレーン&メカニズム
プラットフォームにはTNGA(Toyota New Global Architecture)に基づくGA-Bプラットフォームを採用し、これにより走行の質が大幅に向上。
パワートレーンは、ガソリン車とハイブリッド車の両方に新世代の1.5Lの3気筒エンジンを搭載。ガソリン車は、ギア機構付きのダイレクトシフトCVTとの組み合わせにより、高い熱効率を実現。街中では十分な力強さを発揮するが、高速走行などの高負荷時にはやや物足りなさを感じる場合も。
一方、ハイブリッド車は、エンジンに加えて電動アシストが加わることで、加速や高速巡航時の余力が向上。ガソリン車の弱点を巧みにカバーしている。さらにハイブリッド車は、ミニバンとして群を抜く低燃費性能も武器としている。
両タイプとも運転感覚は穏やかでストレスフリーを追求しており、サスは柔らかめのセッテイング。ファミリーカーに最適な乗り味を実現している。
シエンタ:モデル変遷
【2022年8月:初期型】3代目となるシエンタが発売
パワートレーンは1.5Lガソリン車と1.5Lハイブリッド車を選択可能。駆動方式はFFと4WDが用意されるが、ガソリン車はFFのみの設定になる。
グレードはガソリン車もハイブリッド車も3タイプ、2列乗5人乗り車と3列7人乗り車を選ぶことができる。発売当時の月販目標台数は8300台とされていた。
| ●シエンタ グレードバリエーション&価格 【2022年8月モデル】 | ||
| パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
| 1490cc直3DOHC 120ps/14.8kg-m | X(5人乗り)【CVT】 | 195万円/− |
| X(7人乗り)【CVT】 | 199万円/− | |
| G(5人乗り)【CVT】 | 230万円/− | |
| G(7人乗り)【CVT】 | 234万円/− | |
| Z(5人乗り)【CVT】 | 252万円/− | |
| Z(7人乗り)【CVT】 | 256万円/− | |
| 1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + モーター 59kW/141Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | 238万円/− |
| X(7人乗り)【電気式CVT】 | 242万円/− | |
| G(5人乗り)【電気式CVT】 | 265万円/− | |
| G(7人乗り)【電気式CVT】 | 269万円/− | |
| Z(5人乗り)【電気式CVT】 | 287万円/− | |
| Z(7人乗り)【電気式CVT】 | 291万円/− | |
| 1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + フロントモーター 59kW/141Nm リヤモーター 2.2kW/44Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | −/257万8000円 |
| X(7人乗り)【電気式CVT】 | −/261万8000円 | |
| G(5人乗り)【電気式CVT】 | −/284万8000円 | |
| G(7人乗り)【電気式CVT】 | −/288万8000円 | |
| Z(5人乗り)【電気式CVT】 | −/306万8000円 | |
| Z(7人乗り)【電気式CVT】 | −/310万8000円 | |
2-3の5人乗り仕様と2-3-2の7人乗り仕様を設定。ハイブリッド車には4WDも設定されているが、ガソリン車はFFの2WDのみとなる。
【2024年4月:一部改良】一部改良を実施。デジタルキーなどをOPとして設定
新たにデジタルキーと外部給電アタッチメントをメーカーOPとして追加したほか、Zのディスプレイオーディオのモニターを8インチから10.5インチタイプに変更。さらにZとGにパノラミックビューモニターを標準装備した。
ボディカラーにプラチナホワイトパールマイカ(Z/G/Xグレード)/ダークグレー×アーバンカーキ(Z/Gグレード)を追加。
新たに追加されたボディカラー「ダークグレー×アーバンカーキ」。参考記事はこちら→https://jikayosha.jp/2024/05/20/178980/
| ●シエンタ グレードバリエーション&価格【2024年4月モデル】 | ||
| パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【FF/4WD】 |
| 1490cc直3DOHC 120ps/14.8kg-m | X(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 199万5200円/− |
| X(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 203万5200円/− | |
| G(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 233万7500円/− | |
| G(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 237万7500円/− | |
| Z(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 264万6600円/− | |
| Z(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 268万6600円/− | |
| 1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + モーター 59kW/141Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | 239万円/− |
| X(7人乗り)【電気式CVT】 | 243万円/− | |
| G(5人乗り)【電気式CVT】 | 268万7500円/− | |
| G(7人乗り)【電気式CVT】 | 272万7500円/− | |
| Z(5人乗り)【電気式CVT】 | 299万6600円/− | |
| Z(7人乗り)【電気式CVT】 | 303万6600円/− | |
| 1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + フロントモーター 59kW/141Nm リヤモーター 2.2kW/44Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | −/258万8000円 |
| X(7人乗り)【電気式CVT】 | −/262万8000円 | |
| G(5人乗り)【電気式CVT】 | −/288万5500円 | |
| G(7人乗り)【電気式CVT】 | −/292万5500円 | |
| Z(5人乗り)【電気式CVT】 | −/319万4600円 | |
| Z(7人乗り)【電気式CVT】 | −/323万4600円 | |
【2025年8月:最新型】一部改良で安全系装備を大幅に強化。モデリスタと共同開発したコンプリートカーを設定
一部改良では、人気のメーカーオプションが標準装備化されたほか、新しい装備の追加や安全装備の拡充を実施。さらにモデリスタと共同開発したコンプリートカー“JUNO”が追加設定されている。
具体的には、全グレードで電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能が標準装備されたほか、ブレーキホールド機能が一度オンにすればエンジンを切っても設定が維持されるように機能変更を実施。
安全装備は、全グレードにレーダークルーズコントロールの停止保持機能、ドライバー異常時対応システム、車線内での常時操舵支援を行うプロアクティブドライビングアシスト(PDA)を標準装備としている。
また従来はメーカーOPだった、ETC2.0+前後方ドライブレコーダー(Xを除く全グレード)とオートエアコン(全グレード)が標準装備に変更されている。
2025年8月に一部改良を実施。
電動パーキングブレーキを標準装備化。
| ●シエンタ グレードバリエーション&価格【2025年8月モデル】 | ||
| パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【FF/4WD】 |
| 1490cc直3DOHC 120ps/14.8kg-m | X(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 207万7900円/− |
| X(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 211万7500円/− | |
| G(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 242万4400円/− | |
| G(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 246万4000円/− | |
| Z(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 273万3500円/− | |
| Z(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 277万3100円/− | |
| 1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + モーター 59kW/141Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | 243万9800円/− |
| X(7人乗り)【電気式CVT】 | 247万9400円/− | |
| G(5人乗り)【電気式CVT】 | 277万4200円/− | |
| G(7人乗り)【電気式CVT】 | 281万4900円/− | |
| Z(5人乗り)【電気式CVT】 | 308万3300円/− | |
| Z(7人乗り)【電気式CVT】 | 312万4000円/− | |
| 1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + フロントモーター 59kW/141Nm リヤモーター 2.2kW/44Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | −/263万7800円 |
| X(7人乗り)【電気式CVT】 | −/267万7400円 | |
| G(5人乗り)【電気式CVT】 | −/297万2200円 | |
| G(7人乗り)【電気式CVT】 | −/301万2900円 | |
| Z(5人乗り)【電気式CVT】 | −/328万1300円 | |
| Z(7人乗り)【電気式CVT】 | −/332万2000円 | |
モデリスタと共同開発したコンプリートカー「JUNO」は、持ち運べる部屋」という新しい価値観を追求し開発されたコンプリートカー。後席&荷室に着脱可能な「家具モジュール」を組み合わせることで、ユーザーが自分だけの空間を創り出すことを可能としている。
JUNOコンプリートカーは、ハイブリッドのZを2人乗り・4ナンバーのバン仕様に変更。家具モジュールは、「チル」「リフレッシュ」「フォーカス」「コンフォート」という4つのテーマセットが用意されており、ユーザーのライフスタイルや用途に応じて選択し、オリジナルの空間を楽しむことができる。また、家具モジュールは、必要なものだけを自由に組み合わせて購入することも可能という。
JUNOコンプリートカーの価格は、ハイブリッド車(2WD)が365万4200円〜、ハイブリッド車(E-Four)が385万2200円〜。なお、荷室の利用は駐車時のみを想定しており、走行中の乗車は法令で禁止されているとのこと。
モデリスタと共同開発で生まれたコンプリートカー“JUNO”を追加。
コンプリートカー“JUNO”
コンプリートカー“JUNO”
シエンタ:最新値引き&納期情報(2025年8月現在)
- 車両本体目標値引き額:17万円
- 納期の目安:2〜4か月
- リセール予想:C+
一部改良をきっかけに値引きの引き締め傾向が強まっており、車両本体価格で7~8万円を基本に設定している販売店が目立つ。ただ丁寧に商談を進めていけば、値引きが拡大するのは従来と同じ。ライバルはホンダ・フリードが鉄板の相手だが、最も効果的なのは経営資本が異なるトヨタ販売店同士を競わせる同士競合だ。少々手間と感じても、それに見合う条件が引き出せる。車両と付属品の合計値引きが20万円前後になったら合格点だ。納期はハイブリッドが3~4か月、ガソリン車は2~3か月が目安になっている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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