“中古車”ということは、最低でも1人(または1社)所有者がいたことになる。試乗車上がりからディーラー認定中古車、20万キロ走行車、車両本体価格1万円のクルマまで…。年式やグレード、価格、そしてコンディションはまさに「ピンからキリ」まで。新車以上のコンディションということはほぼあり得ないが、思わぬ掘り出しモノに出会えることも。今回は「迷ったら中古車を選ぶべき人」に対して、その背中を押す理由を5つにまとめてみた。中古車は目利きの世界。奥が深い”沼”ですぞ…。
●文:松村 透/月刊自家用車編集部
1:予算を抑えつつ、コンディションの良いクルマに乗りたい
現行アルファードやランドクルーザーなどのプレミア価格が付いた一部の例外を除き、ほとんどのクルマは新車より安価で手に入る。「なるべく安く購入したい。ただクルマやメカのことはよく分からないので、中古は少し不安」というのであれば、ディーラー認定中古車を選ぶといい。
メーカーの保証が付帯しているケースがほとんどであり、もともと素性がいい(整備履歴がしっかりしている)個体をベースに、不具合があっても部品を交換して店頭に並べる。安心感も重要だというユーザーにはおすすめの選択肢だ。
また”網を張って”いれば、ディーラーの試乗車の役目を終えたクルマを「中古で販売する」という情報が入ることも。人気モデル&オプション装備が充実していることも多く、その面では掘り出しモノだ。基本的に早い者勝ちだが、これも狙い目のひとつだろう。
2:どうしても欲しいクルマが絶版モデル
「本当は新車がいいけれど、本命のクルマはすでに絶版。手に入れるとしたら中古車しかない。それなら思い切って、別の現行モデルを買ってしまうか…」というジレンマを経験した人も、いるかもしれない。
もし、現在進行形でこの状況になっている人がいたら。ぜひ一度、心を落ち着かせて自分の胸に手を当てつつ「本音の本音はどうなのか?」と、自分自身に問いかけてみてほしい。
現行モデルの方が性能は向上していることは間違いないし、故障するリスクが低いだけでなく、いざというときにはメーカーの保証が受けられる。純正部品が欠品で困る確率も当面は低い。
それでもやっぱり「本命のクルマがどうしても気になる! 」というのであれば、思い切って「清水の舞台から飛び降りる」ことを強くおすすめしたい。
(高い授業料になるかもしれないが)本命のクルマを手に入れたという達成感、満足感は何ものにも代えがたい。モヤモヤしているうちに「買い時を逃す」と、コンディションのよい個体を見つけること自体が、困難になりかねない。
3:”中古車”という、ある種のギャンブル的要素を楽しめる
「極上車」「コンディション抜群」「新車並みのコンディション」といった魅惑の表現(?)が並ぶ中古車の世界。メーカー認定、中古車検索サイト認定など、一定の基準はあるものの、そこはやはり中古車だ。過度な期待はしない方が得策だろう。
裏を返せば、はじめから「中古車なんだから多少の傷ぐらいは仕方ない」といった割り切りができる人であれば、”中古車”という、ある種のギャンブル的要素を楽しめるはず。
ある程度は数をこなさないと”目利き力”は鍛えられないし、所詮は機械。百戦錬磨であるはずの中古車業界のプロフェッショナルでも「ありゃりゃ…」となる可能性が、ゼロではない世界なのだ。
4:一般的な使い方よりも年間走行距離が多め
“過走行”といわれる基準の目安は10年・10万キロ〜(年間1万キロ〜)といわれる。やはり、傾向としては走行距離が少ないほど査定額も上がる。たとえば年間8千キロ以内で収めると、手放すときにディーラーや買取り業者の”反応”がよくなるかも。
その一方、新車で購入しても3年・5万キロ走破すれば距離は多い方になる。下取りや買取りの際には、基準値より減額されてしまう可能性が出てくる(もちろん実際のコンディションは、メンテナンス頻度など車両によるのだが)。「かなり距離が増えていますね」と、セールスから早めに代替を勧められるかも?!
クルマ購入時の選択肢として、ひとつには「新車を買って最後まで乗り潰す」という手がある。年間走行距離が多めの人には、ここでさらにもうひとつ「中古車を買ってガンガン乗り倒す」という手も提案したい。
ヘビーユーズの場合はより割り切れるし、「いろいろな車種に乗ってみたい」人にもおすすめだ。車種によっては海外の需要も見込まれ、減価償却していくと新車より「元を取れる」可能性があるかもしれない。
5:早くクルマイジりを楽しみたい!
少量生産の特殊なメーカーを除き、基本的には新車で購入したクルマには「新車保証」が付帯される。ただし、部品によっては社外品に交換しただけで、期間中でも保証適用外になってしまう可能性があるので注意が必要だ。
これが一定の期間をすぎたクルマ(たとえば新車から5年以降など)であれば、新車保証の呪縛(?!)から開放されているので、予算と法定点検をクリアできさえすれば社外品のパーツに取り替え放題だ。
むしろ新車保証が足かせとなってしまい、思うようにチューニングやカスタムがしにくいのであれば、あえて期間満了を迎えた中古車を選ぶという手もありそうだ。
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