
TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、特別仕様車 スープラ“A90 Final Edition”(世界限定300台)を発表した。
●まとめ:月刊自家用車編集部
パワースペックは435PS、究極・最高の性能・仕様を備えたスープラ
今回発表された特別仕様車 スープラ“A90 Final Edition”は、一部改良が発表された現行スープラの集大成として開発された、台数限定(世界限定300台)の特別仕様車。2025年春以降に日本国内と欧州でのデリバリーが予定されている。
特別仕様車 スープラ “A90 Final Edition”(日本仕様、プロトタイプ)
スープラ“A90 Final Edition”は、現行スープラが世界中のスープラファンから愛されていること、世界各国のGTカーレース、ドリフト競技、NASCARなど様々なモータースポーツの現場で多くのチームに愛用されていることに対して感謝を込めた一台で、エンジン出力・トルクを向上させ、ブレーキやボディ剛性を強化し、レーシングカーに多く採用されるKW社のサスペンションシステムやハイグリップタイヤを採用するなど、走りに関する様々な要素をアップグレード。さらに進化に合わせた最適なチューニングを行うことで、究極・最高の性能・仕様を備えた特別なモデルとなる。
■特別仕様車 スープラ “A90 Final Edition”の車両概要
■パワートレーン
・吸気経路を見直し、低背圧触媒を採用することで圧力損失を低減。それに合わせてエンジン制御を最適化することで、出力を285kW(387PS)から320kW(435PS)へ、トルクを500Nm(51.0kgf/m)から570Nm(58.1kgf/m)へ向上。加速性能とレスポンス性を高めている。
・エンジンオイルパンにバッフルプレートを追加。コーナリング性能向上に伴う高G域でのオイルの偏りを防止。
・エンジン性能向上に伴い、冷却性能も強化。ラジエーター冷却ファンを強化するとともにサブラジエーターを追加し、さらに、ディファレンシャルギアカバーの冷却フィンを大型化。
・新しいシャシーセッティングに伴い、アクティブディファレンシャルの制御を最適化。旋回中のアンダーステアを抑制することで、ハンドリングを改善している。
・アクラポヴィッチ製チタンマフラーを採用し、迫力のあるエンジンサウンドを実現。
■ブレーキ
・フロントにbrembo製19インチブレーキと高 μブレーキパッドを採用することで制動性能を強化。さらに前後にフローティング構造のドリルドディスクを採用し、スポーツ走行時においても優れた制動力を確保。
・ステンレスメッシュのブレーキホースを採用することで制動時のホース膨張による圧力伝達損失を押さえて、強化したブレーキシステムの性能を最大限引き出している。
フロントにbrembo製19インチブレーキと高 μブレーキパッドを採用することで制動性能を強化。サスペンションはKW製を採用。
■ボディ・サスペンション
・GR Supra GT4 が採用しているKW製サスペンションを採用。伸び側16段、縮み側12段の減衰力調整を備えることで様々な使用状況に対応したほか、前後スタビライザーを強化することで、限界性能を向上させている。
・フロントロアアームに強化ゴムブッシュ、フロントコントロールアームにピロボールジョイントを採用・リヤサブフレームをGR Supra GT4 と同じアルミリジッドマウントとすることで、サスペンションとボディの一体感を向上。ロードインフォメーションがより伝わりやすくなり、正確なハンドリングに貢献する。
・フロントカウルブレースを強化した上で、フロント床下ブレースを追加。リヤ床下ブレースの構造を強化し、室内には強化ラゲージクロスバーを採用することでボディ剛性を高めている。これによりダイレクト感やグリップ感、コントロール性が向上している。
・今回の進化点にあわせ、EPS制御を最適化し、ダイレクト感のあるステアリングフィールを実現し、コントロール性能を向上。
・前後のキャンバー角を見直し、グリップを高めてコーナリング時の安定性能を向上。
■タイヤ・ホイール
・10mm拡幅したハイグリップタイヤ「MICHELIN PILOT SPORT CUP2」を採用。コーナリング時の安定性および限界性能をさらに向上。
・フロント19インチ、リヤ20インチの軽量ホイールには、TGRのロゴを刻印。
■外装
・GR Supra GT4 の開発を担当する TOYOTA GAZOO Racing Europe(以下、TGR-E)が空力性能開発を担当。TGR-E の持つモータースポーツ参戦を通じて得た知見と、風洞実験施設を用いてテストを重ね、開発されている。
・カーボンフロントスポイラー、カーボンフロントカナード、フロントセンターフラップを採用。さらに、GR Supra GT4 を彷彿させるスワンネック構造のカーボンリヤウイングを装備することで前後の空力バランス、ダウンフォース、ドラッグを最適化。接地性とハンドリング性能を高めている。
・カーボンボンネットダクトを追加。脱着式のインナーダクトを採用することで、取り外し時には冷却性能向上に寄与。
TGR-Eの持つモータースポーツ参戦を通じて得た知見と、風洞実験施設を用いてテストを重ねて開発されている。
カーボンフロントスポイラー、カーボンフロントカナード、フロントセンターフラップを採用。
GR Supra GT4 を彷彿させるスワンネック構造のカーボンリヤウイングを装備。
■内装
・シートパッドにアルカンターラ®素材を使用したレカロ製カーボンフルバケットシート「RECARO Podium CF」を採用。走行性能向上によりドライバーにかかるGが増加する状況においても、しっかりと体をホールドし正確なドライビングをサポート。また運転席シートを赤色とすることで、ドライバーオリエンテッドコクピットを強調。
・ステアリングホイール、ドアトリム、 センターコンソールニーパッド 、センターアームレスト、シフトノブ・ブーツ、インストルメントパネル中央部の表皮にアルカンターラ®素材を使用。また、赤色シートベルト、専用カーボンスカッフプレートを採用することで、台数限定モデルの特別感を高めている。
運転席シートを赤色とすることで、ドライバーオリエンテッドコクピットを強調。
レカロ製カーボンフルバケットシート「RECARO Podium CF」を採用。
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