メルセデスAMGブランドのトップパフォーマー「GT クーペ」に、新型モデル「メルセデス AMG GT 43クーペ」が追加ラインナップした。完全オリジナルのスポーツモデルであるメルセデスAMG GT 43クーペは、AMG GTシリーズでは初採用の2リッター直列4気筒ターボエンジンを、取り回しに優れるナローボディに搭載。お値段1650万円の中身や如何に？
●文:月刊自家用車編集部 ●写真:メルセデス・ベンツ日本 （※画像は欧州仕様車です）
シリーズ屈指のスタイリッシュなボディ
メルセデス・ベンツと言えば、セダンやSUV、クロスオーバー、ミニバンなどあらゆるクラスを網羅しているが、もちろんスポーツカーも例外ではない。
高性能なスポーツモデルは「メルセデス・ベンツ」ブランドではなく、「メルセデス AMG」ブランドから供給しており、名だたるスポーツカー専業メーカーに引けを取らないハイパフォーマンスカーをリリースしている。
今回、日本上陸を果たした「メルセデス AMG GT 43クーペ（以下、GT 43）」はメルセデス AMG GTシリーズに追加された最新モデルで、前後フェンダー幅を抑えてナローでスリムなスタイリングを採用したことと、AMG GTシリーズでは初採用となる2リッター直列4気筒ターボエンジン（M139型）が特徴だ。
車幅全体に広がるフロントグリルのエアインレット内には電子制御式エアルーバーを内蔵し、リヤには車速や重力加速度などに応じて展開するリトラクタブルスポイラーを装備。
これら、他のAMG GTシリーズとは一線を画すデザインエッセンスを身にまとい、その結果エレガントな佇まいがGT 43の魅力をさらに引き立てている。
フロントのエアインテーク内に2ピースのエアパネルを採用。空力性能と冷却性能を両立し、走行状況に応じて電子制御式ルーバーが瞬時に開閉する。標準装備のリトラクタブルリアスポイラーは、車速や重力加速度など様々なパラメーターを考慮して5段階で角度を調節する。
ホイールは20インチAMGアルミホイールが標準装備で、オプションとして21インチ鍛造アルミホイールも選択できる。リヤエンドでは3つの立体的なグラフィックが目を惹くLEDコンビネーションランプを採用した。
AMG GTシリーズ初搭載の2リッター直4ターボは、最高出力421PS！
F1由来のテクノロジーである「エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャー」を持ちいたM139型2リッター直列4気筒ターボエンジンは、排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間に電気モーターを仕込み、排気によってコンプレッサーホイールが加速するまでを補完。
ターボラグを無くしアイドリングスピードから全回転域にわたってスムーズかつパワフルなレスポンスを実現する。
今やスポーツカーの常套手段であるダウンサイジングターボエンジンは車重と部品点数の軽減化を果たし、時代が求める省燃費性能とサステナブルを同時に達成。2リッター直4ターボといえど、大排気量スーパースポーツモデルと競えるパフォーマンスを発揮する。
最高出力421PS、最大トルク500Nmを誇る2リッター直列4気筒ターボ（M139型）を搭載。トランスミッションにはAMGスピードシフトMCT 9速トランスミッションを組み合わせ、0-100km/h加速は4.6秒を計上する。
ハイレベルなスポーツ性能に、日常性もプラス
本格的なスポーツカーでありながら日常性を併せ持つこともメルセデス AMGの伝統であり、GT 43では使い勝手に優れた2＋2のシートレイアウトも採用される。
日本仕様では標準装備となる可倒式2＋2シートは4名乗車を可能とし（ただしリアシートに着座できるのは身長150cm以下に限定。また、チャイルドシート使用時は135cmまで）、小さな子どものいるスポーツカー好きのお父さんでも罪悪感なく選べることだろう。
もちろん、ドライバーシートとナビシートにはスポーツカーに相応しいナッパレザーのAMG専用スポーツシートが装備され、ロングツーリングも快適にこなす。
さらにリアシートを倒せば最大675リットルのラゲッジスペースが出現するから、2名での旅行程度なら充分すぎる荷物を積載することが可能だ。
ひときわ目を惹く11.9インチの縦型メディアディスプレイ。航空機のコクピットをイメージした左右対称のダッシュボードは力強いウイング形状にデザインされ、タービンノズル型のエアアウトレットがスポーティなインテリアを演出する。ナッパレザーのAMGスポーツシートを標準装備。
国内仕様では標準装備になる2＋2リアシートを装備。リアシートの乗員は身長150cm以下の子どもたちに限定されるので、荷物置き場と割り切った方が懸命か。リアシートを倒せば最大675リットルのラゲッジスペースが得られる。
枚挙に暇がないハイテクづくめの最新スポーツカー
メルセデス AMGと言えば、時代の最先端をゆくハイテク装備の数々も無視できない。
対話型インフォテインメントシステム「MBUX（メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス）」は第2世代を採用して高度なユーザービリティを確保。
さらにヒーターやアルミニウム製パドルシフトを備えたフラットボトム形状の「AMG パフォーマンスステアリング」や、合計出力600Wの「BOSEサラウンドサウンドシステム」などがドライブの愉しさをバックアップし、バネ下重量軽減のため鍛造アルミニウムを多用した5リンク式サスペンションが快適かつスポーティな走行をアシスト。
片側100万画素以上の高解像度をもつデジタルライトは標準装備され、対向車や標識への遮光を高精度に行い、さらに照射距離を大幅に拡大するウルトラハイビームや対向車や前走車などを検知してハイビームが当たらないよう照射範囲を調節するアダプティブハイビームアシスト・プラスも備える。
吊るしでも過剰なまでに多彩な装備を誇るが、オプションのAMG ドライビングパッケージを選択すれば、「AMG RIDE CONTROLサスペンション」「AMG ダイナミックエンジンマウント」「AMGダイナミックプラスパッケージ」「AMGイエローブレーキ・キャリパー」「電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ」「リア・アクスルステアリング」「リアウイングスポイラー」といった、さらなる高性能化エクイップメントが手に入る。
| モデル | 価格 |
| メルセデス AMG GT 43 クーペ | 1650万円 |
メルセデス AMG GT 43 クーペ
主な車両諸元
■ メルセデス AMG GT 43 クーペ
全長4,730mm、全幅1,930mm、全高1,365mm、ホイールベース2,700mm、車両重量1,790kg、排気量1,991cc、直列4気筒ガソリンターボ・エンジン、エンジン最高出力310kW（421PS）/6,750 rpm、エンジン最大トルク500Nm/5,000rpm、ハイブリッドモジュール最高出力10kW/2,500-5,100rpm、ハイブリッドモジュール最大トルク58Nm/50-1,300rpm、WLTCモード燃料消費率10.6km/L。
メルセデス AMG GT 43 クーペ
