
スバルは、2024年12月5日に、新型「クロストレック」e-BOXER(ストロングハイブリッド)を発表した。価格は、「Premium S:HEV」が383万3500円、「Premium S:HEV EX」が405万3500円。
●まとめ:月刊自家用車編集部
最上級グレードらしく、装備機能の充実ぶりも魅力
今回発表された、クロストレック・e-BOXER(ストロングハイブリッド)は、モデルシリーズの最上級に位置するグレード。初のストロングハイブリッドを搭載することで、走行性能と環境性能を高い次元で両立するほか、高度運転支援システム「アイサイトX(エックス)」も搭載。最上級グレードにふさわしい装備機能も備えている。スバルには、ひとつ上のSUVとしてフォレスターが設定されているが、このクロストレックe-BOXER(ストロングハイブリッド)モデルは、このあたりの車格差を感じさせないプレミアムグレードの役割も与えられている。
e-BOXER(ストロングハイブリッド)搭載モデル
最大の目玉となるe-BOXER(ストロングハイブリッド)は、状況に応じて動力源であるエンジンとモーターを効率よく使い分けるシリーズ・パラレル方式を採用。新開発の2.5L水平対向エンジンにトランスアクスルを搭載することで、ゆとりある動力性能と加速性能を実現。走りの面でも明らかに上級設定となる。
さらに駆動方式はスバル独自のシンメトリカルAWD。リヤ側にモーターを備えるタイプではなく、パワーユニットからの駆動力をプロペラシャフトでつなげる機械式AWDを踏襲していることも特徴のひとつになる。
ボディまわりは、衝突時のリヤフレームの潰れ方をコントロールすることで、ストロングハイブリッド搭載により大型化されたバッテリーパックに対する衝突安全性を確保。さらに高度運転支援システム「アイサイトX(エックス)」を採用。渋滞時ハンズオフアシストやアクティブレーンチェンジアシストといった先進機能にも対応する。アイサイトXなどが標準となる「Premium S:HEV EX」は、スバルの上級モデルに採用されている、機能装備の大半が網羅されている贅沢なグレードとなる。
e-BOXER(ストロングハイブリッド)搭載モデル
本格ハイブリッドらしく、燃費性能も向上
・2.5L水平対向エンジン
ストロングハイブリッド専用の2.5L水平対向エンジンを新開発。ゆとりのある動力性能と高い熱効率による燃費性能を実現。また、高電圧バッテリーから供給される電力のコントロールをパワーコントロールユニットへ統合。高い電力変換効率で、車両の電費性能の向上にも寄与している。
・トランスアクスル
駆動用と発電用の2つの高出力モーター、フロントデファレンシャルギア、電子制御カップリングをワンパッケージにした、ストロングハイブリッド専用のトランスアクスルを新開発。最高出力88kWを発生する駆動用モーターにより、幅広い走行シーンではモーター駆動がメインで用いられ、モーターが苦手とする領域はエンジン駆動がカバーする仕組みになる。また、発電用モーターから高電圧バッテリーへの電力供給を緻密に制御することで駆動用モーターの電力量を安定に保つ働きも与えられている。
プロペラシャフトで前後を繋ぐ、機械式AWDを採用
・機械式AWD
プロペラシャフトで前後輪をつなぐ機械式AWDを採用。路面状況に合わせて、後輪へ駆動力を瞬時に伝え、前後輪のトルクを適切にコントロールすることで、様々な路面で優れた走行安定性を発揮する。
プロペラシャフトで前後輪をつなぐ機械式AWDを採用。ハイブリッド車においても、駆動伝達にこだわっていることも特徴のひとつ。
・駆動用バッテリー
駆動用として、高密度、軽量、長寿命なリチウムイオン高電圧バッテリーを新開発。マイルドハイブリッド搭載モデルと同様に荷室フロア下に格納している。
・大容量燃料タンク
ストロングハイブリッドでは、パワーコントロールユニットを荷室フロア下からエンジン上部に配置変更。燃料タンク周辺を省スペース化することで、燃料タンク容量を63Lに拡大。大容量燃料タンクとストロングハイブリッドの高い燃費性能の恩恵により、マイルドハイブリッド比べてワンタンクでの航続距離を大幅に延ばしている。
・サスペンション
ストロングハイブリッド化による重量の増加に合わせた専用セッティングを実施。マイルドハイブリッドモデルに対し、リヤダンパーロッドを延長することで、入力を受けた際のフリクション荷重を減少し、よりしなやかダンパーストロークを実現している。また、ボトム側にチェックバルブスプリングを追加することで、スムーズな減衰の立ち上がりに加えて、車両の揺れ低減の工夫も盛り込まれている。
重量の増加に合わせた専用セッティングも見どころのひとつ。スムーズな減衰の立ち上がりや車両の揺れ低減の工夫が盛りこまれている。
・ブレーキ
回生ブレーキとメカニカルブレーキの協調制御により、ガソリン車と変わらない自然なブレーキフィールと高い制動力を実現。さらに効率的に減速エネルギーを回収することで、燃費性能向上を実現している。
上級モデル譲りのアイサイトXを、クロストレックとして初採用
・アイサイトX(エックス)[Premium S:HEV EXに採用]
渋滞時ハンズオフアシストやアクティブレーンチェンジアシストといった、ドライバーの運転負荷を軽減する機能に加え、ドライバー異常時対応システムを装備。
アイサイトX搭載車は、高速道路上で重宝されるハンズオフアシスト走行にも対応。
・衝突安全
形状に強度差を設けたガセットにより、衝突時のリヤフレームの潰れ方をコントロールすることで、大型化されたバッテリーパックに対する衝突安全性を確保。
・つながる安全
コネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」に、リモートエアコンやマイカー検索機能を追加し、利便性を高めている。
・12.3インチフル液晶メーター[Premium S:HEV EXに採用]
アイサイトX搭載車には、12.3インチフル液晶メーターを採用。高度運転支援システムなどの情報をわかりやすくドライバーに伝えることが可能になっている。
中央部に11.6インチの縦型タッチディスプレイを配置。最新世代の車載ITの導入も積極的。
・パワーメーター
システムの出力やエネルギーの回収状況をリアルタイムに表示するパワーメーターを採用。システムの作動状況がひと目で確認できるとともに、ECOエリアに保って運転することで、低燃費で環境に配慮した走行が可能。
レジャー時&緊急時に嬉しい、AC100Vのアクセサリーコンセント出力にも対応
・カーゴルーム
ストロングハイブリッドシステムにより大型化したバッテリーパックを搭載しながらも、280L(床上:279L、床下サブトランク:1L)の荷室容量で、十分な積載性を確保。
・アクセサリーコンセント[メーカー装着オプションとして設定]
カーゴルームにAC100Vのアクセサリーコンセントを装備。最大1500Wまで使用でき、高電圧バッテリーの充電が少なくなるとエンジンで発電に移行する。電源環境のないキャンプやアウトドアシーンなどで活用するほか、インフラによる電力供給が難しいような災害時においても、電気を供給することが可能。
カーゴルームにAC100Vのアクセサリーコンセントを装備。
・18インチアルミホイール(ダークメタリック塗装+切削光輝)
動きを感じさせる造形により、ストロングハイブリッドのモーター駆動のトルク感と先進性を表現した専用デザインのアルミホイールを採用。
ストロングハイブリッド車専用となる18インチアルミホイールを標準装着。
・インテリア
ブラックと明るいグレーのコントラストが際立つ内装に、ブレイズガンメタリックのアクセントを加え、洗練したスポーティさを表現。
・本革シート[Premium S:HEV EXにメーカー装着オプションとして設定]
ファブリックシート同様の明るいグレー基調とすることで、洗練したスポーティさを表現、本革素材で上質感を高めている。
最上級のPremium S:HEV EXには、本革シートのOP設定。上級志向を求めるユーザーニーズにも応えている。
【新型クロストレック Premium S:HEV EXの主な諸元】
駆動方式 | AWD | |
全長×全幅×全高(mm) | 4480×1800×1575*3 | |
乗車定員(名) | 5 | |
ホイールベース(mm) | 2670 | |
最低地上高(mm) | 200 | |
車両重量(kg) | 1660*4 | |
燃料消費率(WLTCモード)(km/L) | 18.9 | |
燃料タンク容量(L) | 63 | |
燃料種類 | 無鉛レギュラーガソリン | |
エンジン | 種類 | 水平対向4気筒 2.5L DOHC 16バルブ AVCS直噴 |
最高出力〈ネット〉[kW(PS)/rpm] | 118(160)/5600 | |
最大トルク〈ネット〉[N・m(kgf・m)/rpm] | 209(21.3)/4000-4400 | |
駆動用モ―ター | 型式・種類 | MC2・交流同期電動機 |
最大出力[kW(PS)] | 88(119.6) | |
最大トルク[N・m(kgf・m)] | 270(27.5) | |
駆動用バッテリー | 種類 | リチウムイオン電池 |
容量(Ah) | 4.3 | |
変速機 | リニアトロニック | |
ステアリング | ラック&ピニオン式 | |
サスペンション形式[前/後] | ストラット式独立懸架/ダブルウィッシュボーン式独立懸架 | |
ブレーキ形式[前/後] | 油圧・回生ブレーキ協調式 ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク | |
タイヤ・サイズ | オールシーズンタイヤ 225/55R18 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(スバル)
P-1(すばる1500) 現在の社名の原点ともなった幻の名車 P-1の制作は1951年頃、中島飛行機を母体とする富士精密工業の直4エンジンを搭載した乗用車を、富士自動車工業をはじめとする複数の会社の合[…]
燃費と加速、2つの魅力がさらに高まった最新ターボを搭載 まず「スバルのターボ」と言えば、多くのユーザーが燃費を気にすると思うが、今回の約200kmのドライブで計測したところ、車載計の数値はWLTCモー[…]
走行性能の強化に加え、インフォテインメントシステムまわりも大幅な進化 スバル・アウトバックは、乗用車の快適性とSUVの機能性を融合させたクロスオーバーSUV。歴代モデルはその強みを磨き上げ続けたことで[…]
バッテリーEVにも、スバルらしいアクティブイメージをプラス 発表された新型「トレイルシーカー」は、スバルのグローバルバッテリーEVとしては2番目に登場するe-SUVモデル。スバルとトヨタが、互いに強み[…]
最新技術の積極投入で、最先端のミドルSUVに進化 6代目となる新型フォレスターは、スバルの現行モデルが採用している最新技術と装備、デザインエッセンスを取り入れることでさらなる進化を実現。フルインナーフ[…]
最新の関連記事(SUV)
408&308で好評のボディカラー「オブセッションブルー」を採用 今回導入される「GT Obsession Blue」は、GTグレードに、2008初採用のボディカラー「オブセッションブルー」をまとった[…]
6月24日の正式発表に向けて、ティザーサイトを先行公開 アルファロメオ ジュニアは、イタリアならではの美意識と情熱的なスピリットを注ぎ込み、アスリートの研ぎ澄まされた筋肉美を彷彿とさせる躍動感あふれる[…]
過酷な道路環境を模したテストコースで得た、走りの質を高める改良を実施 レクサスLBXは、2023年12月の導入以降、60以上の国と地域で、約6.5万台(2025年3月末時点)の販売実績をもつクロスオー[…]
燃費と加速、2つの魅力がさらに高まった最新ターボを搭載 まず「スバルのターボ」と言えば、多くのユーザーが燃費を気にすると思うが、今回の約200kmのドライブで計測したところ、車載計の数値はWLTCモー[…]
正統派スタイリングでプレミアムキャラをアピールする稀有なモデル スズキ・フロンクスは、近年ニーズの高まる「実用性」と「プレミアム感」を上手に融合させたコンパクトSUV。これまで日産ジュークやトヨタC-[…]
人気記事ランキング(全体)
ナットの取り外しの基本を無視すると、トラブルの原因に… 整備作業においてボルトやナットの脱着は避けて通れない基本中の基本の作業。それだけに、ソケットレンチやメガネレンチの使用頻度は必然的に高まる。が、[…]
社内のエンスー達による趣味的な活動から始まったロードスターの開発 工業製品の商品企画は、マーケットイン型とプロダクトアウト型に大別できる。市場のニーズを調べつくして、「これこそがあなたの必要としている[…]
どんな車にも絶対ついているのがサンバイザー 車種を問わず、あらゆるタイプの車に装備されているサンバイザー。軽自動車でも高級車でも、オープンカーでも装着されていることが多い。サンバイザーは、その名の通り[…]
新型プリウスオーナーに朗報! 最新のフロントガラス周り事情に対応した内窓専用ワイパー 今回紹介するのは、内窓専用ワイパーの『エクスクリア360ワイパーフラット』。幅広いカー用品を展開するカーメイトから[…]
ネジはナメやすい! だからこそ、ちゃんとした外し方をマスター まず断っておきたいのが、本記事で紹介するテクニックは、自動車整備を前提にしている。それ以外のシチュエーションは想定していないのでご注意頂き[…]
最新の投稿記事(全体)
コーティング剤が人気だが、ワックス派も確実に存在 簡単系コーティング剤は、カー用品店でも独立したコーナーが設けられるほど人気のジャンルだ。その立役者の1つが、シュアラスターのゼロウォーターだ。とは言う[…]
アウトランダーPHEVのコア技術を、専門の技術説明員が解説 三菱自動車ブースの主役は、2024年10月に大幅な改良を施し、市場に投入されたフラッグシップモデルのアウトランダーPHEV。リアル展示会のブ[…]
408&308で好評のボディカラー「オブセッションブルー」を採用 今回導入される「GT Obsession Blue」は、GTグレードに、2008初採用のボディカラー「オブセッションブルー」をまとった[…]
「カーボンニュートラル達成」「交通事故死者ゼロ」に対する具体的なアプローチ例を公開 今年の「人とくるまのテクノロジー展 2025」のホンダブースでは、究極の安全を目指すモビリティの未来像が具体的に提示[…]
不可能と思われたハイブリッド量産に挑んだG21プロジェクト 1997年暮れに世界初の量産ハイブリッド車として初代プリウスが発売されてから、すでに27年が歳月が過ぎた。しかもその間に、ハイブリッド車は世[…]
- 1
- 2