
新型フォレスターを選ぶ際には、どうしても新しいストロングハイブリッドのS:HEVに目が行きがちだ。しかし、バランスの良さで定評のある1.8Lターボエンジン仕様の「スポーツ」シリーズにもぜひ注目していただきたい。むしろ、スバル車ならではの個性を楽しみたいというのであれば、こちらの方にひかれる部分も多いはず。早速その魅力を再確認するべく、五月晴れの南房総をドライブしてみた。
●文:川島茂夫 ●写真:編集部
燃費と加速、2つの魅力がさらに高まった最新ターボを搭載
まず「スバルのターボ」と言えば、多くのユーザーが燃費を気にすると思うが、今回の約200kmのドライブで計測したところ、車載計の数値はWLTCモード燃費(13.5km/L※大型サンルーフ装着車のため)を大きく超える16.2km/Lをキープ。信号に邪魔されない高速道路が主体だったこともあったが、新型のターボ車はアクセルペダルの踏み込み速度に応じて変速などが最適に制御される傾向が強まっており、ゆったりドライブでは燃費を稼ぎやすくなっている。もちろん、道中では穏やかなペダル操作が必要となるが、うまくコントロールすれば太いトルクの力感を楽しみながらクルーズドライブを満喫できてしまう。
試乗モデルは1.8Lターボを搭載する「スポーツ EX」。価格は419万1000円〜。
それでいて加速フィールを楽しみたいというならば、そんな願いにもしっかりと応えてくれて、アクセルを素早く踏み込めば、低いギヤでキレの良い加速感が味わえる。もちろん、ダッシュを利かせるとその分燃費も落ちてしまうが、ドライバーの意図に応えてくれる正直さもこのターボエンジンの美点のひとつだ。
CB18型ターボは、ゆったり流す分には燃費も伸びてくる、最新ダウンサイジングターボらしい特性を持つ。街乗りから高速ツーリングまで幅広い状況で優れた資質を示してくれる。
絶妙な硬さが際立つサスチューンで、スバルの良さを再確認
フットワーク面では、新型はフロントサスまわりの剛性感が大きく向上している。先代同様にオールシーズンタイヤ(M+S)を履くが、横Gが立ち上がってからの切り増しに対する操舵追従性がとても良好で、抜群の回頭性と素直なラインコントロール性を示す。起伏が大きめのワインディング路でも扱いやすく、神経質な運転操作を必要としない。全長4655mm×全幅1830mmの大柄なボディではあるが、軽快かつ収まりのいいハンドリングを楽しめてしまう。
硬めのサスセッティングということもあって、路面のひび割れや段差の通過では多少車軸周りの揺動感が残るが、全体としては角が取れた引き締まった味わい。ファミリー&レジャーのクルマとしては、もう少しソフト目でもいいかなとも思うが、「スポーツ」というグレード名を考えると、これぐらいがちょうど良さそうだ。スバル好きには好みのセッテイングと思う。
ターボ車とS:HEV車では、動力性能や燃費だけではなく、フットワーク面でも違いがある。素直な操安性の高さは共通する美点だが、細かな操縦感覚や乗り心地は明らかに異なる。スポーティな走りを好む向きにはターボ搭載のスポーツの方をオススメしたい。
アルミホイールはブロンズ塗装された18インチを装着。タイヤサイズは225/55R18で、撮影車はファルケンのオールシーズンタイヤ「ZIEX ZE001 A/S」を装着。スノーフレークマークはつかないが、M+S規格に対応しているオールシーズンタイヤになる。
ナビが見やすくなったなど、キャビン機能の進化ぶりも見どころ
ナビを含めたディスプレイオーディオの操作性は、マニュアルを読まなくても大体の見当が付くオーソドックスなタイプ。レヴォーグやクロストレックなどと同様の11.6インチ縦型ディスプレイは、ナビ地図の表示が見やすいのがいいところ。新型で追加されたアイサイトXの操作や機能もすぐに馴染めてしまう。
キャビンスペースはミドルSUVとしては標準的なサイズだが、後席まわりのゆとりや、シート格納時にフラットになる荷室床面、広めの開口部設計など、レジャー志向のSUVとして、しっかりと要点が押さられている。
今回、新型を試乗して感じたのは、新型フォレスターはミドルSUVとしてとてもバランスが良いこと。これは先代でも確立されていた美点だったが、新型はさらにそれらに磨きがかけられている。
燃費を含めた経済性に焦点を合わせると「S:HEVのほうが…」となるのだが、スバルらしい走りの味や内燃機車の爽快なドライブフィールを好むならば、1.8Lターボ車は有力な選択肢になるのは間違いないだろう。価格の面でもベーシックグレードの「スポーツ」が404万8000円からと、S:HEVモデルの同等グレード「Xブレイク」に比べて15万円以上安く設定されている点も魅力的だ。
「スポーツ EX」は、スポーティな走行性能とスタイリングを求めるユーザーにオススメできるグレード。内装色はブラック基調で、スポーツ EXでは、スピードメーターが12.3インチカラー液晶にアップデートされている。
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