
2024年にフルモデルチェンジを果たし、5代目となった新型「レクサス RX」。プレミアムSUVとしての存在感を一層高めた本モデルは、次世代レクサスが掲げる「人間中心のクルマづくり」を具現化した意欲作である。今回はその魅力を、デザイン・走行性能・装備面に分けて紹介していく。
●文:月刊自家用車編集部
スピンドルグリルから「スピンドルボディ」へ。次世代デザインの到達点
ボディサイズは全長4,890mm、全幅1,920mm、ホイールベースは2,850mm。最低地上高は190~195mmに設定されており、街乗りからオフロードまで幅広く対応するプロポーションとなっている。
エクステリアは、従来の象徴であった「スピンドルグリル」から脱却し、新たに「スピンドルボディ」コンセプトを採用。塊感のある造形と、ボディとグリルを一体化させたシームレスなデザインにより、より力強く、モダンな印象を与えている。LED3眼ヘッドランプに組み込まれたL字型デイタイムランニングライトや、一文字に光るリアランプも、レクサスならではのブランドアイコンをしっかりと継承している。
コックピットは「Tazuna Concept」へ刷新。視線移動を最小限に抑えた設計
インテリアは、新たな「Tazuna Concept」によって再設計。ドライバーの視線移動を最小限に抑え、ヘッドアップディスプレイからメーター、そして14インチのタッチディスプレイへと自然に目を移せるよう配慮されている。座席はTNGA構造をベースとした高剛性フレームにより、長時間でも疲れにくく、さらに助手席側にも操作スイッチを設けるなど、細部まで利便性を追求している。
室内空間は、肩口を大胆に削ぎ落としたドアトリムと、水平基調のインパネデザインにより、開放感と包まれ感を両立。視界確保にも配慮されており、Aピラーの位置を後退させることで左右・上方の視野が2度ずつ拡大している。
パワートレーンはHVとPHEV、そしてDIRECT4で新次元へ
パワートレーンには、2.5L直列4気筒エンジンを核としたハイブリッド(RX350h)や、プラグインハイブリッド(RX450h+)に加え、2.4L直4ターボと高出力モーターを組み合わせた新開発の「RX500h」もラインアップ。これに新AWD技術「DIRECT4」が組み合わさることで、アクセル操作に対するレスポンスやコーナリング時の安定感は飛躍的に向上している。
RX500hでは前後の駆動力配分を瞬時に最適化することで、滑らかな減速、安心感ある旋回性、力強い加速といった走りの三要素を高次元でバランスさせている。
高効率・高剛性ボディと先進シャシーが支える走りの質
GA-Kプラットフォームをベースに、リアサスペンションのマルチリンク化、ホットスタンプ材による軽量化、ツインフードロック構造などにより、ねじり剛性と前後重量配分を最適化。これにより、直進安定性や操舵応答性、さらにはコーナリング時のロール制御性能までも大幅に向上している。
快適性とユーティリティも抜かりなし
後席シートは4:2:4の分割可倒式。ラゲッジ容量は612Lを確保し、9.5インチゴルフバッグ4個や大型スーツケースを余裕で収納可能。さらに、リアバンパー下に足をかざすだけで自動開閉するハンズフリーパワーバックドアをはじめ、夜間に便利な3か所のLEDランプなど、日常使いへの配慮も行き届いている。
充実の先進安全技術とコネクティッド機能
予防安全では、「プリクラッシュセーフティ」や「レーントレーシングアシスト」、「レーンチェンジアシスト」などを標準装備。さらに、交通標識を検知してドライバーに通知する「ロードサインアシスト」や、操作ガイドを表示するタッチトレーサーオペレーション付きヘッドアップディスプレイなども搭載されており、安全かつ直感的なドライビングが可能だ。
また、リモート機能付きの「アドバンストパーク」や進化したワイヤレス充電機能など、コネクテッド装備も充実しており、プレミアムSUVとしての快適な移動体験を提供する。
価格帯は666万円から901万円まで。PHEV、HV、ターボ+ハイブリッドの各種パワートレーンを揃え、あらゆるニーズに対応する新型RXは、まさに次世代レクサスの象徴といえる存在である。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(大人気商品)
侮るなかれ、さまざまな効果が得られる空力パーツ 先日、知り合いからユニークなカーグッズを紹介された。細長いプラスチックパーツが12個並べられているパッケージ。一見すると、どんな用途でどのように使用する[…]
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
座るだけでクールダウン 夏のドライブが快適になる最新カーシート 夏の車内は、ただでさえ暑い。長時間の運転や渋滞に巻き込まれたとき、背中やお尻の蒸れが不快感を倍増させる。そんな夏の悩みを一気に解消するの[…]
引っ張るだけでOK、瞬時にセット完了 ロール式サンシェードの最大の魅力は、その操作の簡単さにある。取り付けは非常にシンプルで、工具も必要なくサンバイザーに専用パーツを固定するだけ。その状態でロール部分[…]
奥まで届く薄型設計で内窓掃除が快適に 近年の車はフロントガラスの傾斜が鋭角になり、従来の内窓ワイパーでは掃除しづらいケースが増えている。特にプリウスなど一部車種ではダッシュボード付近に大きなモニターや[…]
人気記事ランキング(全体)
車内を快適に! カーエアコンの正しい使い方とは? 車内を快適な温度に保つために必要な、カーエアコンの正しい使い方を4つのポイントから見ていこう。 まずひとつ目のポイントは、カーエアコンの起動タイミング[…]
見た目では用途がわかりにくい、意外性のあるカー用品 世の中には多種多様のカー用品があり、奇抜なものから思わずおっと唸ってしまうようなアイテムがたくさんある。カー用品のお店やECサイトでカーグッズを探っ[…]
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
大人が手にする秘密基地 N-VAN コンポの最大の魅力は、まるで子供の頃に夢見た秘密基地を現実にしたような空間にある。助手席側の大開口部とフラットな床が生み出す自由度は抜群で、サイドオーニングを展開す[…]
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
最新の投稿記事(全体)
仕向け地に合わせて作り分けられた”双生児”の個性 最近では少なくなってきましたが、かつてはいわゆる兄弟車がたくさんありました。トヨタならカローラとスプリンター、日産ならサニーとパルサーとラングレーにロ[…]
とても機能的!フォグライトの色が切り替えられる! ホンダアクセスは、これまでホンダ車専用の純正アクセサリーとして「LEDフォグライト クリア」と「LEDフォグライト イエロー」の2タイプを設定してきた[…]
憧れの旧車に乗れるだけでも非日常的な体験と言えるが、旧車コミュニティ「Vintage Club by KINTO」がこのほど開催する「博物館キャラバン」はさらに特別な思い出を作ってくれるはず。旧車を「[…]
アルミホイールもキズがつけば腐食する! 早めの対処が必要だ アルミは腐食しないと思ってる方、結構いるんじゃないですか? 実は、アルミも鉄などと同様にキズついたまま放っておけば腐食するのです。単にアルミ[…]
洗練されたデザインと先進機能が融合 新型eKスペースは、親しみやすさとモダンで高品質なエクステリアデザインや使いやすさと先進性を高めたインテリアデザイン、街中での取り回しの良さ、ゆとりのある室内空間を[…]
- 1
- 2