
1989年の北米デビューから数えて今年で36年、世界屈指のプレミアムブランドに成長を遂げた「レクサス」。ここでは、その人気が確立された黎明期のモデル、レクサスを語る際に外せないモデルたちに注目してみよう。
●文:月刊自家用車編集部
- 1 1989年「レクサス」誕生。最初は「LS」と「ES」の2本立て
- 2 1991年 スポーツクーペ「SC」がデビュー
- 3 1993 アッパミドルセダン「GS」がデビュー。ラインナップ拡大が本格化
- 4 1996年 レクサス初のSUV「LX」がデビュー
- 5 1998年 「RX」が空前の大ヒットを記録
- 6 1999年 日本のアルテッツアが「IS」として北米市場でデビュー
- 7 2002 LXの弟分としてGXを投入
- 8 2005 日本にレクサスブランドを本格導入。スタート時は「IS」「GS」「SC」の3モデルをラインナップ
- 9 2009 スーパースポーツ「LFA」を発表
- 10 2014年 新世代レクサス「RC」と「NX」を相次いで投入
- 11 2017 ラグジュアリークーペ「LC」がデビュー
- 12 2022 最新電動技術が注がれたバッテリーEV「RZ」が登場
1989年「レクサス」誕生。最初は「LS」と「ES」の2本立て
レクサスの最初の商品は、日本では初代セルシオとして販売されたLSと、カムリのV6エンジン車、プロミネントがベースのES。LSの完成度と比べるとESは見劣りしたが、日本ではウィンダムとして販売された1991年登場の2代目ESからは人気も実力も急上昇。ESは5代目以降は日本未導入だったが、2018年に7代目(現行ES)で復活することになった。
LS400(1990)
レクサス LS400(1990)
ES250(1990)
レクサス ES250(1990)
1991年 スポーツクーペ「SC」がデビュー
1991年に初代が登場したレクサス初のパーソナルクーペのSCは、日本では3代目ソアラとして販売されたモデル。北米ではソアラにはないV8の4Lエンジン搭載車も設定されていた。
SC400(1992)
レクサス SC400(1992)
1993 アッパミドルセダン「GS」がデビュー。ラインナップ拡大が本格化
LSに次ぐクラスとして1993年に投入。ラグジュアリーを意識したESに対して、走りを意識したキャラが特徴。日本ではアリストとして販売されたモデルだが、ターボも搭載された日本仕様に対して、レクサスはNAのみの設定だった。
GS300(1993)
レクサス GS300(1993)
1996年 レクサス初のSUV「LX」がデビュー
ランドクルーザー80をベースに、本革シートや本木目パネルなどを装備してアップグレードしたレクサスモデルがLX。2代目からは100系ベースとなった。
LX450(1998)
レクサス LX450(1998)
1998年 「RX」が空前の大ヒットを記録
今日では各社が競ってラインアップする高級オンロードSUVの先駆けとなったのがRX。日本ではハリアーとして人気を呼んだモデルだ。オンロードを快適に走れ、オフロードも走れる高級SUVというコロンブスの卵的な商品企画は、「SUVとはオフロードがメインのクルマ」という固定観念から逃れらない海外メーカーに衝撃を与えたことでも有名だ。
RX300(2000)
レクサス RX300(2000)
1999年 日本のアルテッツアが「IS」として北米市場でデビュー
後輪駆動のスポーツセダン「IS」の初代は、日本ではアルテッツアとして販売されたモデル。ただし、北米仕様のISのエンジンは全車6気筒の2L&3Lで、内装も高級ブランドらしい仕立てと、まるで別物に仕上げられていた。
IS300(2005)
レクサス IS300(2005)
2002 LXの弟分としてGXを投入
ランドクルーザープラドをベースに開発されたGX。本格オフロードの流れを汲んだこのモデルは、レクサスブランドとしては唯一、頑丈なフレームとリジッドのリヤサスペンションを持つ、タフな高級車として世に送り出された。これまで、国内未導入のモデルであったが、先日ワールドプレミアされた3代目は国内導入も噂されている。
GX470(2003)
レクサス GX470(2003)
2005 日本にレクサスブランドを本格導入。スタート時は「IS」「GS」「SC」の3モデルをラインナップ
北米での大成功を引っ提げて、レクサスブランドが生まれ故郷の日本で立ち上げられたのは、2代目のISとGSがデビューした2005年。国内では、バブル景気崩壊後も高級輸入車の販売台数が伸び続けた一方、クラウンなどの従来の高級車の顧客が流出していた。その流れを食い止めるのもレクサスの使命だった。ちなみに4代目となるLSは、翌2006年に上陸を果たしている。
IS350(2006)
レクサス IS350(2006)
GS430(2007)
レクサス GS430(2007)
2009 スーパースポーツ「LFA」を発表
ブランド再構築の一環として、スポーティで個性的なブランドをめざすレクサスの象徴として誕生したスーパースポーツカー「LFA」。かのトヨタ2000GTと同様に、ヤマハとの共同開発がなされ、ハンドメイドのカーボンボディにV10エンジンを搭載。世界500台の限定生産で、2010年から2012年末まで、約2年をかけて生産された。
LFA(2011)
レクサス LFA(2011)
2014年 新世代レクサス「RC」と「NX」を相次いで投入
保守的な高級車イメージを払拭する、先鋭的なモデルとして登場したのが、ラディカル(急進的な)クーペに語源を持つRCと、個性派SUVのNX。いずれもエモーショナルなデザインを最大の特徴とし、RCにはV8の5Lを搭載する「RC F」も設定。NXにはレクサスブランド初のダウンサイジングターボエンジン車も設定された。
RC F(2015)
レクサス RC F(2015)
NX200(2015)
レクサス NX200(2015)
2017 ラグジュアリークーペ「LC」がデビュー
LCはドリフトも可能なハイブリッドを謳う大型スポーツクーペ。3.5LのV6を積むハイブリッドモデルでも、システム出力359PS。V8・5Lのガソリン車は477PSを誇る。世界で戦える実力と品格を併せ持つ、レクサスのもう一つのフラッグシップだ。
LC500(2018)
レクサス LC500(2018)
2022 最新電動技術が注がれたバッテリーEV「RZ」が登場
レクサスは、2030年までにすべてのラインナップをバッテリーEVに切り替えることを公言しているが、2022年にその先駆けとして発売されたのがRZ。EV専用プラットフォーム「e-TNGA」にフロント/リヤに強力な駆動モーターを配置した「DIRECT4」AWDシステムを採用。ミドル級SUVながら、0-100km/h加速は5.3秒を記録するなど、レクサスらしい走りの魅力を追求したモデルに仕立てられている。
RZ450e(2023)
レクサス RZ450e(2023)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(レクサス)
熟成が進んだ走行メカニズムにより、上質な走りを実現 レクサスISは、1999年の初代モデルから「クルマを操る楽しさ」を追求するコンパクトFRセダン。これまで四半世紀以上のあいだ、グローバル40か国と地[…]
レクサスが次世代スポーツカーの未来像を提示 トヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスは8月15日にカリフォルニア州で開催された「ザ・クエイル、モータースポーツギャザリング」にて、次世代のデザイン哲学を体[…]
クルマ好きの遊び心をくすぐるイエロー 特別仕様車「“Original Edition”」は、「Morizo Garage」をテーマに、東京オートサロン2024で展示されたコンセプトモデルを再現したモデ[…]
1900年初頭、石油ランプからアセチレンランプへ進化 ガソリンエンジンを搭載した自動車が実用化された初期の時代は石油ランプが用いられていた。1900年代に入ると炭化カルシウムと水を反応させて、発生する[…]
ブラックを基調としたカラーコーディネートが実施 今回設定される“F SPORT Mode Black Ⅳ”は、スポーティなデザインにさらに磨きをかけた特別仕様車。アルミホイールやステアリングなどにブラ[…]
人気記事ランキング(全体)
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
前席は快適でも、後席は意外と暑くて不快な場合も… まだまだ強い日差しが照りつけるこの季節、車内の冷房の稼働は必須と言える。クルマに乗り込んで、涼しい風に当たって「はぁ〜涼しい…」と、ひと息ついていると[…]
標準ボディで実現する扱いやすさと快適性 レグラス プロの大きな特徴は、ハイエースの標準ボディ・標準ルーフを採用している点にある。全高が抑えられているため立体駐車場や一般的な駐車場にも収まり、街乗りや買[…]
2人旅に特化したゆとりある空間 TR540S Joinの魅力は、まず「2人旅に特化」と割り切った設計にある。就寝人数を2名(乗車人数は5名)に絞ったことで、車内レイアウトに余裕を生み出し、広々としたダ[…]
自動車用の初期ブレーキは、駆動軸にドラムを固定し、足踏み式のバンドによる締め付けで制動力を得ていた。 馬車の時代からブレーキというものは存在していた。大きな車輪に靴のような“シュー”を押しつけるもので[…]
最新の投稿記事(全体)
初期モデル 高嶺の花だったマイカーという夢を、現実のものにした立役者 今では日本人にとって欠かせない足となっている軽自動車の規格は、1955(昭和30)年に全長3m、全幅1.3m、排気量0.36L以内[…]
オートサロン2025で披露された注目バージョンが市販化 2020年に発売が始まったGRヤリスは、走りに直結するさまざまな改良を頻繁に行うことでも有名なモデル。それだけメーカーのこだわりが強いことをユー[…]
BYD初のステーションワゴン 世界初公開された、新型ハイブリッド車「BYD SEAL 6 DM-i TOURING」は、BYD初のステーションワゴンであり、同社が独自に開発したプラグインハイブリッド車[…]
乗用ミニバンの優れた居住性と走行性に車中泊のための快適機能をプラス メティオのラクネルシリーズはバンコンから軽キャンパーまで様々なタイプの人気モデルがそろうが、今回紹介するラクネル ステイ•スイートは[…]
東洋工業(マツダ)は、戦後復興に貢献した3輪トラックのトップメーカーだった プロ野球チーム広島東洋カープは、かつて野武士集団とも形容された個性的な市民球団だ。その歩みは長く、球団オーナーを務める松田家[…]
- 1
- 2