「非常に美しい…」70年代が生んだ不朽の名作。アクセルを踏み込めば、最高速度は180キロ、ゼロヨン加速は15.9秒をマークする。│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「非常に美しい…」70年代が生んだ不朽の名作。アクセルを踏み込めば、最高速度は180キロ、ゼロヨン加速は15.9秒をマークする。

「非常に美しい…」70年代が生んだ不朽の名作。アクセルを踏み込めば、最高速度は180キロ、ゼロヨン加速は15.9秒をマークする。

1971年9月、ボトムを担うプレスト・ロータリーとミドルクラスを担当するカペラの間に、マツダはロータリーエンジン専用モデルを投入した。それがサバンナだ。4ドアセダンも用意されているが、主役は躍動感あふれる2ドアクーペである。

●文:月刊自家用車編集部

規制の逆風の中、速さを誇ったREスポーツ

マツダ サバンナ(1971年発売)クーペ「GS2」

2ローターのロータリーエンジン(RE)を積んだコスモスポーツを世に送り出して以降、マツダはロータリー車のバリエーションを増やし、1970年代を「ロータリゼーション」の時代と位置づけた。

サバンナ(1971年発売)クーペ「GT」

1975年当時のカタログ(カラー全14ページ)。

ステアリング中央にロータリーエンジンをモチーフにしたエンブレム。

フロント、リヤシートともに表皮に紐をあしらったデザインで、スポーティな中に上質感も演出。

1971年9月、ボトムを担うプレスト・ロータリーとミドルクラスを担当するカペラの間に、マツダはロータリーエンジン専用モデルを投入した。それがサバンナだ。4ドアセダンも用意されているが、主役は躍動感あふれる2ドアクーペである。ファストバックに、力強いアーチェリーカーブの組み合わせが逞しく見えた。

ワゴンのホイールベースはセダンやクーペと同じだが、全長は20mm長く、全高は55mm高い。

ロータリーを積むスポーツワゴンだが実用性にも目を向けられていた。

樹脂製のノーズピースをはめ込んだ立体造形のフロントマスクは精悍なデザイン。ロータリーエンジンをイメージした丸型デザインのリヤコンビネーションランプも印象的だった。とくに初期モデルは真っ赤なガーニッシュで丸型3連ランプを際立たせていた。

GTに搭載される12Aロータリーは125馬力を発生し、最高速度は190km/hと当時の2.0Lクラスに匹敵。

ブラック基調のインテリアもスポーツ心を誘う。T型ダッシュボードを採用し、ドライバーの前には大径の丸型メーターを2つ、センターには3つの角型補助メーターを組み込んだ。

デビュー時のエンジンは、コスモスポーツとファミリア(プレスト)・ロータリーで実績を積んだ10A型REである。単室容積491ccの2ローターロータリーエンジンで、これに2ステージ4バレルキャブを組み合わせた。排ガスと騒音の対策を施したが、プレスト・ロータリーよりスペックは高性能だった。

トランスミッションは4速MTだけの設定。が、アクセルを踏み込めば、ゼロヨン加速は15.9秒、最高速度は180km/hをマークする。海外向けのマツダRX-3を国内向けにアレンジしたサバンナGTが登場するのは’72年9月。12A型ロータリーエンジンを積み、さらに刺激的な走りを見せつけた。’70年代が生んだ不朽の名作と言えるだろう。

■主要諸元(クーペGS・1972年式) 
●全長×全幅×全高:4065mm×1595mm×1350mm ●ホイールベース:2310mm ●車両重量:860㎏ ●エンジン(10A型):水冷2ローター491cc ×2 ●最高出力:105PS/7000rpm ●最大トルク:13.7kg・m/3500rpm ●最高速度:180km/h ●0-400m加速:15.9秒(2名乗車時) ●燃料タンク容量:65L ●トランスミッション:4速MT ●最小回転半径:4.3m ●タイヤサイズ:6.15-13-4PR ●乗車定員:5名 ●価格:70万円(東京地区・1972年当時)

■サバンナの歴史
1971年(昭和46年)
●発売
1972年(昭和47年)
●12A搭載車、3AT車追加
1973年(昭和48年)
●APシリーズ追加
1974年(昭和49年)
●全車12A搭載
1975年(昭和50年)
●マイナーチェンジ
1978年(昭和53年)
●生産終了

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