「ドアの破損、浸水被害…」とんでもないリスク、危険エリアには絶対に駐車しない判断も必要。電装系トラブルは復旧が難しい場合も…│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「ドアの破損、浸水被害…」とんでもないリスク、危険エリアには絶対に駐車しない判断も必要。電装系トラブルは復旧が難しい場合も…

「ドアの破損、浸水被害…」とんでもないリスク、危険エリアには絶対に駐車しない判断も必要。電装系トラブルは復旧が難しい場合も…

強風でドアが壊れたり、豪雨で浸水したり――台風やゲリラ豪雨の被害は、クルマにも容赦なく襲いかかる。ドアの破損、電装系の故障、塗装の劣化など、ほんの一瞬の油断が大きな損失につながることもある。だが、正しい知識と少しの準備があれば、愛車を守ることは十分に可能だ。この記事では、悪天候によるクルマ被害の実態と、今すぐ実践できる対策を徹底解説する。

●文:月刊自家用車編集部

台風やゲリラ豪雨がクルマに及ぼす影響は想像以上に深刻

台風やゲリラ豪雨が接近すると、住宅やインフラだけでなく、駐車中のクルマにも大きなリスクが生じる。強風や豪雨によって、ドアが勢いよく開き破損したり、飛来物が当たってボディに傷がついたりといった被害は毎年のように報告されている。

冠水した道路を走行すると、クルマのエンジン・モーター等に大きなダメージを及ぼす可能性もある。

都市部では狭い駐車スペースや路上駐車が多いため、隣の車両や壁との距離が近く、ドアの開閉時に被害が起きやすい。また、駐車場が低地や川沿いにある場合は、浸水による故障リスクも無視できない。特に近年の台風は勢力が強く、短時間で冠水するケースも増えている。

強風による“ドア破損”は最も起きやすい被害

台風やゲリラ豪雨時の風は想像以上に強烈で、ドアを開けた瞬間に風にあおられて全開になり、ヒンジやドアパネルが破損するケースが多い。勢いで隣の車や壁にぶつけてしまえば、修理費用も高額になる。

台風時の強風はすさまじく、電柱が折られたり物が飛来したりと多くの被害が出やすい。

特にSUVやミニバンのようなドアが大きい車種は、風の影響を受けやすい傾向にある。強風時に車外へ出る際は、片手でしっかりドアを支えながら開け、風に持っていかれないように注意することが重要だ。閉めるときも油断は禁物で、いつも通りの力で閉めると勢いがつきすぎて思わぬ破損につながることがある。

浸水による“電装系トラブル”は修理不能になることも

次に深刻なのが、豪雨による浸水被害だ。低地やアンダーパスに駐車していると、短時間の大雨でも水が一気に溜まり、車内に水が流れ込む危険がある。エンジンや電装系に水が入ると、一気にショートして走行不能になるケースも少なくない。

浸水被害は深刻だ。

さらに、浸水車は修理しても完全な復旧が難しい。シート下の配線やセンサー類が腐食すれば、長期的な不具合を引き起こすリスクもある。被害を防ぐには、天気予報をこまめにチェックし、危険エリアには絶対に駐車しない判断が求められる。

飛来物による“ボディ損傷”は避けづらい被害

強風は木の枝や看板、屋根瓦などあらゆるものを吹き飛ばす。瞬間的には時速150kmを超える風速になることもあり、飛来物がボディやガラスに衝突すれば、一発でへこみや割れが発生する。

クルマをカバーで覆えば、飛来物などからクルマを保護することができる。

特に屋外駐車ではこのリスクが高い。近隣に古い建物や看板がある場所では、落下物が直撃する可能性もあるため、できる限り屋根付きの駐車場を選びたい。どうしても屋外に置くしかない場合は、厚手のボディカバーをかけておくとダメージを軽減できる。

見落とされがちな“塩害”も台風被害のひとつ

海沿いの地域では、台風時に海水が風で巻き上げられ、塩分を含んだ水滴がクルマに付着する。これが乾燥すると塩の結晶が残り、ボディや下回りの金属部分を腐食させてしまう。

塩害は見た目では分かりにくく、時間が経ってから錆として現れる厄介な被害だ。特に台風通過後に雨が降らなかった場合は、付着した塩分を早めに洗い流すことが重要。洗車の際は下回りまでしっかり水を当て、鉄粉除去剤などで汚れを落としておくと効果的だ。

台風やゲリラ豪雨が近づいたら“情報の確認”が最優先

愛車を守るうえで最も重要なのは、台風やゲリラ豪雨の接近をいち早く察知することだ。気象庁の発表やハザードマップ、自治体の防災情報などをこまめに確認し、自宅周辺のリスクを把握しておく。

定期的に周辺の天気を確認し、台風やゲリラ豪雨の恐れがないか知っておくことも大切だ。

テレビやスマートフォンの電波が途絶える場合もあるため、ラジオを用意しておくのも有効だ。情報を得ることで「どこにクルマを避難させるか」「いつ移動すべきか」といった判断が早くできるようになる。

駐車場所の選び方が被害を左右する

被害を最小限に抑えるには、駐車場所の選択がカギとなる。アンダーパスや川沿い、海沿いなどは水位が上がりやすく、短時間で冠水する恐れがあるため避けたい。可能であれば、高台や立体駐車場など、安全な場所へ一時的に移動させておくのが理想だ。

また、風が強い地域では建物の陰や風向きを考慮し、飛来物の直撃を避けられる位置を選ぶのもポイント。単に“屋根があるかどうか”だけでなく、風や水の流れを意識して配置することが被害を減らすコツとなる。

ボディカバーと車内整理で“二次被害”を防ぐ

ボディカバーは、飛来物や塩害から愛車を守る心強い防御手段だ。強風時に飛ばされないよう、防風ロープ付きのカバーを選ぶと安心感が高い。

また、車内の整理も忘れてはならない。万が一ガラスが割れた場合、車内の荷物が飛散して怪我を招くことがある。特に重い工具や荷物を積んでいる人は、一時的に車外へ移しておくのが望ましい。日常の延長でできる小さな工夫が、大きな被害を防ぐことにつながる。

正しい知識と準備で“守れる災害対策”を

台風やゲリラ豪雨による被害は避けられないものと思われがちだが、実際には多くのケースで事前の準備が有効だ。風の強さを想定し、駐車場所や荷物の整理を徹底することで、被害を最小限に抑えることができる。

クルマは生活を支える大切な存在だ。自然の猛威の前では無力に感じることもあるが、知識と備え次第で結果は変わる。次に台風やゲリラ豪雨のニュースを耳にしたときには、ほんの少し早めの行動を心がけたい。

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