どうなる次世代カローラ? 現時点で判明している「情報」と「予想」のまとめ│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

どうなる次世代カローラ? 現時点で判明している「情報」と「予想」のまとめ

どうなる次世代カローラ? 現時点で判明している「情報」と「予想」のまとめ

TMS2025トヨタブースで大きな話題を集めた「カローラコンセプト」は、次世代カローラの姿を予想するには最適のサンプル。現時点では「ノーコメント」も多かったが、4種のパワートレーン計画や、伝統の実用性の進化ぶりなど、次のカローラを考えているユーザーにとっては、興味深い情報を得ることができたのだ。

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久

カッコよくなっても、実用面の堅実さはしっかりと継承

低く伸びやかなボンネットから続くボディラインは、フロントウインドウからルーフ、リヤエンドまで優雅な曲線を描く。これは、生活に溶け込んだクルマという従来のカローラの強いイメージを大きく変える外観に思える。

低く伸びやかなファストバックシルエットや、流麗なボディラインで従来のカローラのイメージを一新。リヤには水平に光る一文字のテールランプが与えられるなど、未来的な加飾の進化も見どころ。

ただ、それでいてキャビンスペースの余裕、特に後席空間をしっかり確保しているなど、実用上の重要点はしっかり押さえている。

当然、スタイリングの細部意匠などは、コンセプトモデル特有の仕立てであり、いずれ発表される市販モデルは、もう少し異なるテイストになるそうだが、ただ、市販モデルの車体全幅は、現行プリウスと同程度(プリウスの全幅は1780mm)を想定しているとのこと。

低いダッシュボードと集中配置された操作系が特徴の「デジタルコックピット」は、運転感覚と幅広い層への視認性・操作性を両立。

デジタルデバイスも積極導入される可能性大

前席まわりは、まさにデジタルコックピットと呼ぶにふさわしいもので、操作系のインターフェイスは集中配置され、ダッシュ上面を巧みに抑え込むことで視覚的な圧迫感は最小限に抑えている。

操作動線も含めて、運転感覚を強く意識したレイアウトといえ、SF的な見た目だけではなく、視認性や操作性においても、幅広い顧客層に馴染みやすそうな設計だ。

トヨタ現行モデルにも通じる、運転のしやすさを重視した操作導線も意識したレイアウト。

また、ショルダー部の張り出しを抑えたフロントシートは、スタイリッシュであると同時に、後席乗員の視覚的な圧迫感を減らすことも意識した選択とのこと。

座面は濃いグレー、背面は白系の布地で構成され、未来的なインテリアと調和するフロントシート。

コンセプトモデルゆえに、内外装の斬新なデザインに目を奪われるが、それでいて実用面での堅実さもしっかりと継承されているところに、カローラらしさを感じることができる。このバランス感があるからこそ、「カローラ」と名乗ることが許されているのだろう。

低く流麗な外観にもかかわらず、後席空間はしっかり確保。前席のショルダー部を抑えたシートが、後席乗員の視覚的圧迫感を減らしてくれるなど、実用性と居住性の良さも継承されている。

コンセプトモデルらしく、各所に近未来のインターフェイスが散りばめられている。市販モデルに、どのくらい反映されるのかもポイントになる。

ガラスルーフを含め、ウインドウエリアは広め。次世代カローラでは視覚的な快適性も追求されることになる。

パワートレーンは電動化を見据えた選択だが、エンジン車も用意される

プラットフォームとメカニズムの選択も大きなポイントだ。

JMSに展示されたカローラコンセプトは、BEVモデルになるそうだが、近い将来、世に送り出される次世代カローラには、ICEV(内燃機関)、HEV(ハイブリッド)、PHEV(プラグインハイブリッド)、BEV(バッテリーEV)の4種類のパワートレーンが用意されるという。

コンセプトモデルのボンネットやカウルトップはかなり低いため、コンパクトなe-アクスルや、PCUなどの分散配置が可能なBEVだろうと予想していたのだが、はたしてエンジン搭載車でこのバランスを維持することができるのだろうか? エンジン搭載車だとしたら、どうしても窮屈すぎるように感じてしまう。

そのあたりについて尋ねてみると、どうやらパワートレーンも新規開発されるというのだ。当然、詳細については「ノーコメント」だが、エンジンとの関係、特にハイブリッドシステムがどうなるのか?は気になるポイント。

トヨタのハイブリッドといえば、シリーズ/パラレル融合のスプリット式が主力を担っているが、コンセプトモデルのような低ボンネットを目指すなら、より設計の自由度が高まる他の方式の選択もあるかもしれない。

未来に続く「カローラネス」は不変

シリーズモデルについては、現行カローラと同様のセダン、ワゴン(ツーリング)、5ドアHB(スポーツ)、SUV(クロス)という4車型の展開は、次世代カローラでも変わらないことが予想できる。

当然、ボディパッケージングはそれぞれの用途に応じたものになるだろうが、どのシリーズあっても、十分なキャビンの広さが確保され、使いやすい機能は継承されるのは確実。ここはカローラとして大切にしている「らしさ」、カローラネスの根幹部分であるだけに、譲れないし、変われないのは間違いない。

展示されていたコンセプトモデルは、低いボンネット、ファストバックのシルエット、大径低扁平タイヤなど特徴からして、車型的には現行のカローラスポーツ(5ドアHB)の後継と予想できる。また、現行クラウンシリーズのように、パワートレーンはそれぞれの車型に応じて使い分ける可能性も高そうだ。

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