世界を席巻したS30から、洗練のS130へ。2代目フェアレディZが示したスポーツカーの新たな定義│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

世界を席巻したS30から、洗練のS130へ。2代目フェアレディZが示したスポーツカーの新たな定義

世界を席巻したS30から、洗練のS130へ。2代目フェアレディZが示したスポーツカーの新たな定義

「フェアレディZ」といえば日産を代表するスポーツ系車種ですが、2代目(S130型)の姿をすぐ思い浮かべられる人はかなりのマニアと言っていいでしょう。もしかしたら街で見掛けても、初代の「S30型」と混同してしまうかもしれません。実際は、スポーツカーとして最も売れたと言われる初代に迫るくらいの販売台数を誇るモデルなのですが、認知度で言うと今ひとつなのがこの「S130型・フェアレディZ」です。ここではその「S130型・フェアレディZ」に注目して、すこし掘り下げていきたいと思います。

●文:往機人(月刊自家用車編集部)

フェアレディZの人気モデルとなったTバールーフ(分割着脱式のハードトップ)は2代目S130型から登場。3代目、4代目に引き継がれたが、5代目以降は設定がなくなった。

一見先代からのキープコンセプトに感じるが、変更点は多岐にわたる

2代目の「S130型・フェアレディZ」が発売されたのは1978年です。初代の「S30型」はメイン市場の北米を筆頭に、全世界の合計で55万台というスポーツカーとしては歴史的にも稀にみる販売台数を達成しました。その勢いに乗り、さらなるセールスの向上を目論んで開発された2代目ですが、この時代、アメリカ、日本ともにワイルドさより洗練味がカッコイイとされる風潮に変わりつつあり、その一方で排ガスなどによる公害が問題になっていて、社会の情勢はスポーツカーには厳しい状況になっていました。

そんな中で発売された2代目は、外観は遠目で見るとほぼ変わっていないかに見えるキープコンセプトでしたが、実は内外ともに大きく進化していました。進化(変化)の要点を見ていきましょう。

シャープなエッジと大人の風格。フェアレディZが「マンハッタン」を名乗った理由

外観はキープコンセプトというものの、ほぼすべての部分が刷新され、エッジの効いたシャープな面構成となっています。ぱっと見での分かりやすい変化はバンパーが樹脂製になりボディと同色になったという点ですが、全体的に造形を見直すことで、先代よりも空力特性が大きく向上(Cd値0.385)しているようです。また、モデルイヤー終盤の1983年に日本国内でドアミラーが解禁されたのを受けてドアミラー装着モデルも登場しました。

先代よりも風格が増した外観に合わせてボディカラーも落ち着いた雰囲気のカラーが多めの展開になりました。注目はツートンカラーが採用されたことです。発売翌年にオプションとして、ブラックのベースに、ボンネットとフェンダー&ドア上面をシルバーに塗り分けたカラーが追加されました。のちに“マンハッタンカラー”と呼ばれるこのツートンは2代目の象徴として認知されています。

マンハッタンの由来は不明ですが、シルバーが摩天楼のビル群にブラックがハドソン川に見えるとして、ニューヨークのマンハッタンを連想させるからという説が有力です。ちなみにこの後でシルバーとブラックが逆のパターンになる“逆マンハッタンカラー”がターボモデル用として追加されました。

マンハッタンカラー(S130)

日産が北米市場を意識して導入したシルバー/ブラックの2トーンカラーは、マンハッタンの高層ビル群とハドソン川のコントラストをイメージしたと言われている。

初代モデルの好評を受け、デザインを踏襲しながらボディサイズを拡大。2トーンのボディカラーやTバールーフも追加された。280Zに積まれる6気筒2.8Lエンジンは、米国ではターボ仕様も販売され、スポーツカーらしい大パワーも手に入れた。TVドラマ「西部警察」ではTバールーフを改造したセミガルウイングドアのスーパーZも登場、人気となった。

伝説のL型、次なるステージへ。S130型フェアレディZが選んだ「280」という回答

エンジンはバリエーションの全てが直列6気筒OHCの「L型シリーズ」と先代から引き継いだカタチですが、アメリカの排出ガス規制“マスキー法”の制定を受けて日本で検討・実施された「世界一厳しい」と評された1978年の排出ガス規制に適合させるため、ほとんどのエンジンがパワーダウンを余儀なくされました。ベーシックグレードに搭載されるのは先代と同じ2L版ですが、排出ガス規制対応のために電子燃料噴射式の「ニッサンEGI」仕様となりました。このEGIと三元触媒は全てのエンジンに採用されています。

また、先代では国内版の上位グレードは2.4Lでしたが、この代では輸出向けだった2.8Lの「L28E型」が搭載され、アメリカとともに「280Z」という名称がフラッグシップとして認知されるようになります。ちなみに北米向けには「L28E型」にターボを装着した最強のモデルも登場しましたが、日本国内では認可が下りなかったため未発売でした。

先代の2.4Lから輸出向けに搭載されていたL28E型2.8L直6SOHCエンジンにが搭載された280Z。2by2は、2シーターモデルに比べて、ホイールベースが200㎜延長されている。

280Z 2by2(1978年式 )主要諸元
○全長×全幅×全高:4620mm×1690mm×1305mm ○ホイールベース:2520mm○車両重量:1305kg ○エンジン(L28E型):水冷直列6気筒SOHC2753cc ○最高出力:145PS/5200rpm ○最大トルク:23.0kg・m/4000rpm ○10モード燃費:8.0km/l○最小回転半径:5.3m ○燃料タンク容量:80l ○サスペンション(前/後 ):ストラット式/セミトレーリングアーム式 ○ブレーキ: 前ベンチレーテッドディスク/ディスク ○トランスミッション:5速MT ○タイヤサイズ:195/70HR14 ○乗車定員:4名 ○新車当時価格:237万3000円

インパネは、初代S30型から続く「Zの様式美」とも言えるダッシュボード中央に、運転席側に向けて傾斜した3つの独立メーターを採用する。

搭載されるL28E型2.8L 直6SOHCエンジンは、日産の名機とも称されタフなこともあり、チューニングベースとして拡張性の高さがウリでもあった。

黒と金の伝説。西部警察・大門団長が愛した最強の劇中車『スーパーZ』

1979年に放映開始されて大ヒットとなった刑事ドラマ「西部警察」の劇中車「スーパーZ」のベースになったことも、この2代目Zのトピックとしては外せないでしょう。

荒くれ刑事たちを束ねる“団長”こと大門圭介(渡哲也)の専用車として、初代の「マシンX(5代目スカイライン・2000ターボGT-E)」の後継で登場します。Tバールーフを改造したガルウイングドアを開けて、団長の象徴でもあるショットガンをぶっ放すシーンに憧れたという人も少なくないでしょう。

カラーリングは下部がブラックで上部がゴールドというツートンで、マンハッタンを意識した、というよりはパトカーの白い部分をゴールドにしたような配色でした。

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