
日常の延長線上に、非日常の冒険がある。そんな新しい旅のカタチを実現してくれるのが、キャンパー厚木が手がける軽キャンパー「Chippy」だ。同社が制作する人気シリーズ「Puppy」を送り出したビルダーが、「もっと自由で気軽にアウトドアを楽しみたい」という声に応え、徹底的に使い勝手と“遊び心”にこだわって生み出した一台である。
●文:月刊自家用車編集部
“遊び心”を忘れない。大人のための軽キャンパー「Chippy」が切り拓く、新しい車中泊スタイル
「車中泊はあくまで手段」と語るコンセプトのもと、Chippyは単なる寝る場所ではなく、“遊ぶためのベース基地”としてデザインされている。その思想は細部にまで宿り、軽キャンパーでありながら、大人2人がしっかりと寝られ、4人が安全に乗れるという、まさに“毎日使える旅グルマ”に仕上がっている。
これまでの軽キャンの常識を覆す、Chippyの室内空間
Chippy最大の特徴は、キャンパー厚木ならではのアイデアと職人技が光るインテリア設計にある。中でも目を引くのが、室内の快適性を飛躍的に高める“エアー循環システム”だ。ルーフにオフセット取り付けされたベンチレーターが、暑い季節でも自然な空気の流れをつくり、蒸し暑い夜でも心地よく過ごせるよう工夫されている。
また、30Lの冷蔵庫をはじめ、AC・DC・USB電源、LED照明、サイン波インバーター、サブバッテリーなど、車中泊に欠かせない装備がほぼすべて標準装備というのも特筆すべきポイントだ。冷蔵庫は引き出し式で、ベッドを展開していてもアクセス可能な設計。つまり、Chippyは乗ったその日から「本気の旅」ができる軽キャンパーなのだ。
ベッド展開はわずか1分。快適な寝心地を手に入れる
軽キャンパーに求められる最大の要素といえば、“ちゃんと寝られるかどうか”だろう。Chippyはこの点にも抜かりがない。ベッドは左右独立展開式となっており、片側だけでも1800×600mmという充分なスペースを確保。1人旅なら片側だけをベッドにし、もう一方はソファとして使用するなど、多彩な使い方ができる。
2人での旅行なら、ベッドを全面に展開することで1800×1200mmのフルベッドが出現。しかも展開はわずか1分程度という手軽さだ。2025年モデルからはマットカラーがモスグリーンに変更され、落ち着いた雰囲気と実用性を兼ね備えた内装になっている。
「Chippy TRIPOUT」というもうひとつの選択肢
Chippyにはもう一つ、“よりシンプルで実用性重視”のバリエーションが存在する。それが「Chippy TRIPOUT」だ。ベース車両はダイハツ・アトレーやハイゼットカーゴから選ぶことができ、駆動方式やエンジン仕様も自由に選択可能。まさに自分好みに仕立てることができる軽キャンパーである。
TRIPOUTの大きな特徴は、家具の取り外しが可能な点にある。ベッドキットは6本のビスで簡単に脱着できるため、平日は4人乗りの軽バンとして、週末はキャンパーとして使い分けることができる。また、ベッドキットはあくまで“荷物”扱いとなるため、車検も通常の軽バンと同様に2年ごと。維持費面でも大きなメリットがある。
軽キャン最大の弱点「収納問題」にも明快な答えを
Chippyシリーズは“収納力”においても妥協がない。ベッド下には大型の収納スペースが確保されており、就寝時に邪魔になる荷物もすっきりと片付けることができる。さらにTRIPOUT専用装備として、87Lもの引き出し収納を搭載。このスペースを活用すれば、軽キャンとは思えない収納力を実現している。
また、車内の各所には実用的な収納が点在。ティッシュボックスホルダー、リアゲート室内開閉レバー、シューズスペースなど、キャンパー経験者が「あると助かる」と感じる機能が自然に盛り込まれている。
ワンタッチテーブルが生む“暮らしの余白”
Chippyの車内には、跳ね上げ式のワンタッチテーブルが備わっている。幅630mm・奥行550mmという実用サイズで、作業や食事はもちろん、PC作業などワーケーションにも活用できる。このテーブルは室内での使用に留まらず、オプションの“GO OUTキット”を使えば車外に取り付けて使うことも可能。自然の中でコーヒーを淹れる朝や、夕暮れのキャンプ場での食事タイムなど、アウトドアの醍醐味を最大限に引き出してくれる。
断熱・静音・空調もバッチリ。旅の快適性を高める装備群
Chippyでは、断熱性と静音性にも配慮が行き届いている。ルーフには“GSメタルシートMS-2”を用いた断熱材が貼られ、床面には“WAKOエコシールド”を2度塗り。これにより、夏の熱気や冬の寒さを抑え、さらには雨音も軽減されている。空調に関しても、ベンチレーターによる空気循環に加え、FFヒーターやポータブルクーラーなどの導入が可能だ。
また、ダウンライトには昼光色と電球色を使い分け、最小光量にすれば常夜灯としても使用可能。照明一つとっても、“生活する空間”としての完成度の高さが感じられる。
「MY Chippy」へカスタマイズする楽しみも
Chippyシリーズは、一台一台が手づくりで仕上げられている。そのため、注文時に自分のスタイルに合わせたカスタマイズも可能だ。たとえば、175Wのソーラーパネルを追加すれば冷蔵庫を継続稼働させる電力を確保できるし、ポータブル電源パックを導入すれば車外での電源供給も簡単になる。
その他にも、オリジナルの有孔ボード収納やステンレスバー、ブラインドシェード、リアゲート操作レバーなど、多彩なオプションが揃っている。こうした“自分だけの1台”をつくる楽しさも、Chippyの大きな魅力のひとつだ。
日常と非日常をつなぐ、自由な軽キャンパー
Chippyは、ただ寝るためのキャンパーではない。日常の通勤や買い物にも使え、週末にはそのまま遊びのフィールドへ走り出せる。そんな“自由”と“実用”が高次元で融合した一台こそ、これからの軽キャンパーの理想形かもしれない。
「キャンプは好きだけど、大げさな装備はちょっと……」というライトユーザーから、「クルマを道具としてとことん使い倒したい」というヘビーユーザーまで。Chippyはあらゆるキャンパーの“今の暮らし”にフィットし、次の一歩を楽しく後押ししてくれる相棒となるだろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
FRのサニーに対して、日産初のFF方式を採用 1970年代を前にして、ヨーロッパから前輪駆動のFF方式の波が押し寄せてくる。この流れを敏感にとらえ、市場に送り出されたのがチェリーだ。車名の由来は日本の[…]
"最後の個性派スポーツ"と評価されたSR311フェアレディ2000 その軽やかな響きとは裏腹に、フェアレディという名は、国産スポーツカーのパイオニアの血統を受け継ぐ伝統の名称だ。その系譜をたどれば、ダ[…]
クラウンエステート概要:品格と機能性が同居する「大人のアクティブキャビン」 クラウンエステートは、クラウンシリーズ第4弾として登場した「大人のアクティブキャビン」。ワゴンとSUVを融合させた新しいデザ[…]
コンパクトでも侮れない装備力 F-BOX Squareは、トヨタ・タウンエースをベースに仕上げられた8ナンバーキャンピングカー。街乗りにも馴染むコンパクトな全長と車高1,960mmというサイズ感は、立[…]
優雅な旅を叶えるDarwin Q3の世界 トヨタ・ハイエースをベースに、DELTA VAN DESIGNが手掛けた「Darwin Q3」は、旅を愛する人々の理想を具現化したキャンピングカーだ。ベース車[…]
最新の投稿記事(全体)
コンセプトモデル「Acura Performance EV Concept」の進化系 ベースとなっているのは、昨年2024年にカリフォルニアで開催されたモントレー・カー・ウィークで発表された、Acur[…]
一見すると、何に使うかよくわからないアイテムだが…。 TikTokを始めとしたSNSでバズった話題のカーグッズ。ショート動画で見ていると、かなり便利そうなので気にはなったいたのだが…。実際のところはど[…]
GRIDLESS GARAGE LIFEを体現するGMLVAN G-01 GMLVAN G-01は日産キャラバンをベースに、GORDON MILLER MOTORSのアイコンである丸目ライトとテールラ[…]
「トヨタ・2000GT」より先に生まれた「小さなスポーツカー」 「トヨタ・スポーツ800」が発売されたのは1965年です。 それより少し前の1950年代は、戦後からの復興期から徐々に産業が発展しつつあ[…]
フォレスター:モデル概要 6代目として登場した現行モデルは、レジャービークルとしての本質を追求し続けてきた歴代モデルのコンセプトを継承。スバル伝統の水平対向エンジンと独自の4WDシステムを採用するほか[…]
- 1
- 2