
「もっと気軽に車中泊を楽しみたい」──そんな声から生まれた軽キャンパーがある。木とアイアンを組み合わせた温かみあるデザインに、必要最小限の機能をスマートに詰め込んだルート6の「ウォームスライト」だ。小さな車体に詰まったのは、旅の自由と遊び心。普段は4人乗りの軽バンとして、週末には大人2人が眠れる快適な“旅の拠点”へと変わる。
●文:月刊自家用車編集部
手軽に楽しめる“ライト”な車中泊モデル
キャンピングカーというと大げさに感じるかもしれないが、「ウォームスライト」はそのイメージを軽やかに覆す。ベースとなるのはスズキ・エブリイ。街乗りもできるコンパクトなボディに、旅のための機能を最小限にまとめた。
「ウッド×アイアン」というルート6らしいデザインコンセプトをそのままに、車中泊をもっと手軽に、もっとおしゃれに楽しめるように仕立てられている。
シートアレンジは自由度が高く、日常では4人乗り、旅のときにはベッド展開で2人がゆったりと眠れるスペースへ変化する。週末のちょっとした遠出や、道の駅で一晩過ごすような気軽な旅にぴったりの仕様だ。
シンプルなのに“ちょうどいい”装備たち
ウォームスライトの魅力は、シンプルで無駄のない装備構成にある。車内には手洗いや洗い物に使えるシンクを標準装備。ポータブル電源を使えば照明や小型家電も稼働し、電気も水も気軽に使える環境が整っている。大がかりな装備を求めず、必要なものだけをコンパクトに詰め込んだ設計が心地よい。
テーブルは車内外どちらでも使える仕様で、昼間は外に出してキャンプテーブルとして使い、夜は車内に戻して食事スペースに早変わり。機能をひとつに絞らない柔軟さが、このクルマの「気軽に旅を楽しむ」というテーマを象徴している。
木の温もりと鉄の質感が調和する空間
インテリアの主役は、ルート6が得意とする“ウッド×アイアン”の組み合わせだ。木の優しさと鉄の無骨さが絶妙に溶け合い、限られた車内空間に居心地の良さを生み出している。車中泊というより、まるで小さなカフェや秘密基地にいるような感覚に包まれる。
マットやテーブルの下には収納スペースも設けられ、荷物をすっきりとまとめられる設計。旅先で散らかりがちな荷物を整理できるのは、小さな軽キャンパーにとって大きな利点だ。必要十分な収納力と洗練されたデザインが、使うたびに満足感を高めてくれる。
使い勝手の良さが日常にもなじむ
ウォームスライトは、旅のときだけでなく日常でも使いやすいように設計されている。ベッドマットをリアに収納すればセカンドシートが使えるため、普段は4人乗りの軽バンとして活躍。通勤や買い物、家族の送り迎えなど、生活の足としても無理なく使える。
“車中泊専用車”ではなく、“普段使いもできる旅グルマ”。そのバランス感覚が秀逸だ。休日だけの特別なクルマではなく、毎日の延長に「ちょっとした非日常」がある。その距離感こそ、ウォームスライトが多くの人に受け入れられる理由だろう。
旅の自由を小さなボディに詰め込む
軽自動車という限られた空間の中に、どこまで快適さを詰め込めるか。その答えのひとつがウォームスライトだ。大人2人が横になれるベッドスペース、取り外して使えるテーブル、電気と水が使える小さなシンク。すべてが「ちょうどいい距離感」でまとめられている。
重装備のキャンピングカーとは違い、誰でも扱いやすく、駐車スペースにも困らない。行きたい場所へ気軽に出かけて、好きなときに休む──そんな自由を、もっと身近なものにしてくれる。日々の生活に“旅の余白”を取り戻すような存在だ。
軽キャンという選択がもたらす新しいライフスタイル
アウトドアブームが続く今、車中泊は一部の趣味ではなく、暮らしのスタイルとして定着しつつある。ウォームスライトは、まさにその時代の空気を体現した軽キャンパーだ。大がかりな設備に頼らず、自然の中で過ごす時間をもっと身近にしてくれる。
荷物を積み込んで、ふと思い立ったときに出かける。焚き火を見ながらコーヒーを淹れる。そんなシーンが日常に混ざり込むことで、生活そのものが少し豊かになる。ウォームスライトは、そんな“ちょっといい時間”を日常に運んでくれるクルマといえる。
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