
大自然の奥深くへと入り込み、快適な車中泊旅を楽しみたいと考えても、一般的なミニバンやSUVでは大きな壁にぶつかりやすい。シートを倒しただけでは不快な段差や隙間が残って朝まで熟睡できなかったり、泥道や雪道といった悪路で足を取られて立ち往生してしまったりというイライラを抱えるドライバーは非常に多い。街乗りでの扱いやすさを完全にキープしながら、SUV並みの圧倒的な悪路走破性と、まるで高級ホテルの客室のような寝心地を誇るモデルが存在する。クラス最大級のベッドと、エンジン停止中でも快適な空調を約束する給電・蓄電システムを備えた、大人のための最強キャンパーの全貌に迫ろう。
●文:西川智介
悪路をねじ伏せる走行性能と普段使いしやすい絶妙サイズ
キャンピングカーとしての快適な居住性と、厳しい道路環境を難なく突破できる走破力を両立させるために、ベース車両選びは極めて重要となる。アウトドア派から絶大な信頼を集めるベースとして採用されているのが、三菱自動車のオールラウンドミニバンであるデリカD:5だ。
紹介するモデルは、キャンピングカー専門ビルダーであるロッキー2が本気で手がける「デリカMV」である。
ベースとなったデリカD:5は、言わずと知れた圧倒的な泥濘路や雪道の走破力を誇る電子制御4WDシステムを標準で装備している。高剛性リブボーンフレームボディによる抜群の安定性と充実した安全装備のおかげで、長距離移動や未舗装路の走行であっても、ドライバーや同乗者にストレスを感じさせることはない。
さらに、ボディサイズは全長4800mm、全幅1875mm、全高1795mmに完璧に抑えられている。幅や長さが日本の道路環境に最適化されているため、市街地での狭い駐車場や細い生活道路でもスムーズに運転できるのが大きなアドバンテージだ。
全高が1.8メートル未満であるため、高さ制限のある都市部の地下駐車場や自走式立体駐車場にも問題なく入庫できる。普段の買い物や通勤といった日常使いを何不自由なくこなしつつ、週末になれば極上の移動式コテージとして未開の自然へとダイレクトに駆け出せる、非常に優れたパッケージングが光る。
大人が手足を伸ばして熟睡できるクラス最大級のベッド空間
デリカMVのキャビンに一歩足を踏み入れると、乗用ミニバンの実用的な内装の中に、洗練されたウッド調の家具と高品質なベッドシステムが美しく調和している。
最大の見どころであり、車中泊での快適性を決定づけているのが、クラス最大級を誇る広大なベッドスペースだ。
ベッドサイズは全長2100mm、全幅1110mmという余裕のある寸法が確保されており、体格の良い大人の男性2名が並んで手足を伸ばしても窮屈さを感じずに熟睡できる。
シートアレンジによってフルフラットベッドへの展開は非常にスムーズに行えるため、目的地に到着してすぐに横になりたい夜でも、ストレスフリーで寝室をセットアップできる。
ベッドマットフレームには頑丈なストッパーがしっかりと装備されており、走行中の不快なノイズや睡眠中のマットのズレを完全にシャットアウトする高い安定性を誇る。
さらに、左右 of セカンドシートを活かしたシートアレンジも可能になっており、片側だけを就寝スペースにして、もう片側を乗車や荷物置きスペースとして使用するといった柔軟なレイアウトも自由自在だ。
中央に脱着式テーブルを設置すれば、家族が対面で座って食事や談笑を楽しめる広々としたダイネット(リビング)が出現し、車内を快適な移動オアシスへとチェンジさせてくれる。
1500Wインバーターと110Ahサブバッテリーが支える電源環境
電化された快適な車中泊環境を裏から支えるのが、デリカMVの左側スライドエントランス部にスマートに集約された強力な電源システムである。
エリアには、サブバッテリーのボルトメーターや各種6連スイッチパネル、USBポート、12Vソケット、およびAC100Vコンセントが使い勝手よくまとめて配置されている。スマートフォンやPCの同時充電はもちろん、1500Wの強力なインバーター(矩形波)のおかげで、消費電力の大きな電気調理器具や生活家電を車内で安全かつスムーズに稼働させることが可能だ。
メイン電源スイッチや室内灯、ナビサブ切り替えリレーのコントロール部もリヤ左側キャビネットの最後部に集中配置されており、ベッドに横たわった状態でも片手で簡単に車内の電源をコントロールできる親切設計が施されている。
電気供給の源となる大容量110Ahサブバッテリーや、効率よく電気を蓄える40Ah走行充電システム、バッテリーチャージャーといった重量級の電装品は、リア右側のマット下にコンパクトに納められている。
電装系を美しく壁面に内蔵したおかげで、ベッド下には、奥行1600mm、幅830mm、高さ250mmという広大なラゲッジスペースを完璧に確保。大量の旅行カバンやキャンプギアを居住空間に溢れさせることなく、すべて床下へスッキリと片付けられるのが素晴らしい。
アイドリング不要で年中快適な、12VクーラーとFFヒーター
季節を問わず、一年中いつでも過酷な環境での車中泊を快適にするための空調・断熱対策も完璧な布陣を誇っている。
屋根部分には、夏場のギラギラとした熱線や冬場の凍てつくような冷気を効果的にカットする高品質な天井断熱加工をオプションで施工可能だ。
さらに、夏の厳しい熱帯夜への対策として、エンジンを停止した状態でも静かに車内を冷やし続けてくれる12Vコンパクトクーラー(オプション)が用意されている。
周囲に騒音や排気ガスの迷惑をかけることなく、冷たい空気を車内へ循環させる冷房システムは、真夏の車旅における熱中症対策としても絶大な信頼感をもたらしてくれる。
冬場の車中泊には、温度設定機能を備えたクリーンなFFヒーター(オプション)が用意されており、エンジンを停止した環境であっても、車内を常に暖かなオアシスに保つことができる。
ルーフ上に176Wのソーラーパネル(オプション)を装着すれば、太陽の光で効率よくサブバッテリーへ給電を繰り返すことが可能になり、電源設備のない山奥のフリーサイトや災害時でも、電力不足の不安を完全に払拭できる。
悪路走破性の高いデリカD:5の頼もしいポテンシャルを100パーセント活かしながら、大人が朝まで熟睡できるクラス最大級のベッドと強力な電源・空調を詰め込んだデリカMV。
週末のたびに、お気に入りのアクティビティ道具を床下に詰め込んで、道なき道の先にある美しい景色を求めて走り出す、自由で新しい大人の外遊びライフを手に入れてみてはいかがだろうか。
写真ギャラリー
ベースとなる車両は、三菱のデリカD:5。
車内はフラットシートとテーブルを組み合わせたレイアウト。
シート下は荷物の積載スペースとなっている。長めの荷物も積載可能だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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