
週末に趣味の道具を積み込んで気ままなひとり旅やカップルでの車中泊に出かけたいけれど、大きなキャンピングカーは維持費が高く、運転や駐車場に困ると躊躇してしまう。一方で、取り回しの良い軽自動車ベースのモデルでは、「車内が狭くてくつろげない」「電子レンジや冷蔵庫といった電化製品が使えず不便だ」という妥協を強いられがちである。日常での扱いやすさと、大型モデル並みの充実した快適装備を見事に両立させた、驚きの軽キャンパーが存在する。名前の通り「必要なすべての機能」を小さなボディに凝縮した、極上の移動秘密基地の全貌に迫ろう。
●文:西川智介
街乗りも遠出も楽々にこなす大人気軽バンの優れたポテンシャル
キャンピングカーとしての優れた居住性と、日本の細い道路事情にマッチした取り回しの良さを両立させるために、ベース車両選びは極めて重要である。多くの車中泊愛好家から絶対的な支持を集めているのが、軽商用バンの王者であるスズキのエブリイだ。
紹介するモデルは、長年にわたりキャンピングカーの製造・販売を手掛ける老舗ビルダーの東和モータース販売が開発した「クライン108 Alle(アーレ)」である。
ベース車両であるエブリイは、スクエアなボディ形状のおかげで軽自動車規格のギリギリまで広い室内空間が確保されている。狭い路地や道幅の狭い山道、標高の高いキャンプ場へも躊躇なく入っていける機動力は、旅の自由度を格段に広げてくれる頼もしい強みだ。
全高が低く抑えられているため、都市部に多い自走式立体駐車場や地下駐車場にも問題なく入庫できる。平日は通勤や日常の買い物といった生活の足としてスマートに使い倒し、週末になれば本格的な車中泊モデルとして大自然へ飛び出せる、日本のライフスタイルに最も適したパッケージングである。
ドイツ語で「すべて」を意味する名に恥じない充実の標準装備
クライン108 アーレの「アーレ」とは、ドイツ語で「すべて」を意味する言葉である。名前の通り、一般的な軽キャンパーでは追加オプションとなりがちな豪華装備の数々が、最初から標準で組み込まれている点が最大の魅力だ。
車内後方の機能的なキャビネットには、旅先での食事を豊かにする15リットルの冷凍冷蔵庫と、お弁当の温め直しに大活躍する電子レンジが美しくビルトインされている。
さらに、映像を楽しめるTVモニターや、冬場の車内を暖かく包み込むセラミックヒーター、空気循環を促す小型換気ファンまでが標準架装されている。
限られた空間の中に必要な家電製品が完璧にレイアウトされており、一歩足を踏み入れれば、まるで小さな高級ホテルの一室を訪れたかのような充実感に包まれる。後からパーツを買い足す必要がなく、納車された瞬間から完璧な車中泊旅をスタートできる仕上がりが見事だ。
105Aサブバッテリーと1500Wインバーターが支える安心の電源環境
電子レンジや冷凍冷蔵庫といった電化製品をストレスなく稼働させるために、クライン108 アーレは非常に強力な電装システムを標準で備えている。
心臓部には105Aの大容量サブバッテリーが搭載されており、走行充電システムによって移動中に効率よく電力を蓄えることが可能だ。
さらに、1500Wの強力な正弦波インバーターが組み込まれているため、消費電力の大きな電子レンジやドライヤーといった家電製品も、車内で安全かつスムーズに使用できる。
コンセントやUSBポートも使いやすい位置に配置されており、スマートフォンの充電やパソコン作業も快適にこなせる。
外部電源入力機能も備わっているため、オートキャンプ場やRVパークの電源サイトに接続すれば、バッテリー残量を気にすることなく電化製品を使い放題となる。
車内外でフレキシブルに活躍するマルチテーブルと極上ベッド
快適な居住空間をさらに使いやすくしているのが、東和モータース販売の職人技が光る多彩なテーブルレイアウトとシートアレンジだ。
車内には、用途に合わせて位置や形を変えられるマルチテーブルとピクニックテーブルが用意されている。ダイニングモードでの食事やデスクワークはもちろんのこと、テーブルを車外へと持ち出してアウトドア用のアクションテーブルとして活用することも可能だ。
就寝時には、ベッドマットを水平に敷き詰めるだけで、大人2名が手足を伸ばしてゆったりと横になれる広大なフルフラットスペースが出現する。
ベッドマットには、軽量でありながら高い強度を誇るハニカム構造が採用されており、耐アルコール性や防汚性能にも優れているため、飲み物をこぼしてもサッと拭き取れるお手入れのしやすさが嬉しい。
ベッド下やキャビネット各所には豊富な収納スペースが確保されており、散らかりがちな旅行カバンやアウトドアギアをスマートに格納しておくことができる。小さな車体に大きな快適性を詰め込み、旅のパートナーとして完璧な完成度を誇る本格軽キャンパーを手に入れて、新しい自由なカーライフを楽しんでみてはいかがだろうか。
写真ギャラリー
ベースとなる車両はスズキのエブリイ。
ベースとなる車両はスズキのエブリイ。
車内はフラットシートがメインとなったレイアウト。
助手席がフラットになるため、スペースをより広く確保することができる。
後部には棚、テーブル、テレビ、電子レンジが配置されており非常に機能的。
バックドア側から見た車内。
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