●文:月刊自家用車編集部
CX-3:モデル概要
CX-3は、2015年に発売されたマツダのコンパクトSUV。デミオをベースに開発され、マツダのSUV群の中では一番小さいサイズとなっているが、1.5L級のコンパクトSUVとしては少し大きめ。スタイリング重視の設計となっているため、後席空間は少々狭いが、静粛性に優れたディーゼルエンジンのラインナップや高級感あるインテリアデザインなど、他のコンパクトSUVとは違った魅力を持つモデルだ。
エンジンやボディ&シャシーには、SKYACTIV(スカイアクティブ)技術を採用。登場初期はデミオ譲りの1.5Lディーゼルエンジンのみの設定だったが、現在は1.8Lディーゼルターボエンジンと1.5Lガソリンエンジンの2タイプが用意される。都市部でも運転しやすい全長4725mm×全幅1765mm×全高1550mmのコンパクトなボディから幅広いユーザーに支持されており、2024年で登場から9年目となる。
CX-3:スタイリング&パッケージ
CX-3は、魂動をデザインテーマとした流麗な塊感のあるスタイリングが特徴的。ショートオーバーハングなどによるスタイリッシュさと上質さを感じさせる都会的なプロポーションながらも、ボディ下部の厚いクラッディングがSUVらしい力強さも演出している。
CX-3:インパネ内装&シート
ダッシュボード中央にマツダコネクトのディスプレイを配置。シンプルなレイアウトだが、包まれ感のあるドアトリムや細部までこだわったデザインがワンランク上の上質さを感じさせる。メーターパネルの中央はエンジン回転計が配置されている。
ボディサイズに対して、後席は少し狭めだが着座位置を前席よりも高くするなどの工夫により、窮屈さを感じさせない。前席は、大人でもゆったりと過ごせる空間が確保されている。
CX-3:パワートレーン
現在のパワートレーンは、1.8Lディーゼルターボエンジンと1.5Lガソリンエンジンの2タイプ。1.8Lディーゼルターボエンジンは、最大トルク27.5kg・m(270N・m)の力強い走りが特徴的で、ロングツーリングや登り坂、高速道路などでの追い越し時に性能を発揮。また、ディーゼルエンジンのネックである騒音や振動は、遮音材の配置などによる工夫で最小限に抑えられている。
1.5Lガソリンエンジンは、違和感のない伸びやかな加速やアクセル操作に対するリニアなレスポンスが魅力的だ。
CX-3:モデル変遷
【2015年2月:初期型】SKYACTIV技術や魂動デザインを採用したコンパクトSUV「CX-3」登場
デミオをベースとし、SKYACTIV技術や魂動デザインを採用した新型「CX-3」が登場。当初のパワートレーンは、デミオ譲りの1.5Lディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」のみのラインナップであった。月間計画販売台数は3000台。
【2015年12月:一部改良】静粛性、操縦安定性の向上と乗り心地を改善
エンジンのノック音を抑制する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を全車に標準装備。加えてフロントドアガラス板厚も変更され、静粛性が向上。また、ダンパーやスタビライザーの構造、電動パワーステアリング特性が緻密にチューニングされ、操縦安定性を向上させながら、乗り心地が改善された。
さらに、XD Touring L Packageにシックな黒革内装仕様を追加設定し、インテリアバリエーションが充実した。
【2016年10月:一部改良】全車にG-ベクタリングコントロールを標準装備
ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させ、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールする技術「G-ベクタリングコントロール」を全車に標準装備。加えて、燃料噴射タイミングを0.1ミリ秒単位で制御し、ノック音の発生そのものを抑制する「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」も全車に標準装備された。また、サスペンション、電動パワーステアリングのチューニングにより基本性能が高められた。
そのほか、先進安全技術の充実やメーターの視認性向上など、全体的な改良となった。加えて、ブラウンのインテリア空間に、高輝度ダーク塗装のアルミホイールなどを採用した特別仕様車「XD Noble Brown」が追加された。
【2017年6月:一部改良】ガソリンエンジン車を新たに追加
2.0Lガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」を搭載したガソリン車を新たに追加。また、全車に先進安全技術「i-ACTIVSENSE」を標準装備とし、サポカーS・ワイドの対象に。加えて、ボディカラーに従来のボディカラー「ソウルレッドプレミアムメタリック」に比べ、彩度を約2割、深みを約5割増した「ソウルレッドクリスタルメタリック」を採用した。
【2018年5月:一部改良】新開発クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」を採用。さらに操縦安定性の向上や、デザインの変更に加えて、先進安全技術が進化
新開発クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」を新たに採用。ターボも組み合わされ、強く伸びやかな加速を実現。ガソリンエンジンも燃費性能や応答性の向上などの改良が実施された。
また、操縦安定性と乗り心地向上のために「次世代車両構造技術(SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE)」の一部が取り入れられ、フロントダンパーやフロントスタビライザー、コイルスプリングの改良とともに、「G-ベクタリングコントロール」制御、電動パワーステアリング制御の最適化などの繊細なチューニングが施された。
さらに、サスペンションの応答性の向上にあわせて、タイヤの地面に接地するトレッド部分の構造とゴム部材の最適化とともに、サイドウォール部分の縦バネ剛性も最適化した新開発の18インチタイヤを採用。路面の継ぎ目を乗り越える際の衝撃や乗り越えた後の振動も大幅に低減させることで、乗り心地が向上した。
そのほか、ラジエーターグリルやLEDリアコンビネーションランプ、アルミホイールなどのデザイン変更や、先進安全技術の進化など大幅な改良となった。
改良にあわせて、先鋭さとモダンさを表現した特別仕様車「Exclusive Mods(エクスクルーシブモッズ)」を最上級グレードとして設定した。
【2020年5月:一部改良】1.5Lガソリンエンジン車を追加
新たに1.5Lガソリンエンジン「SKYACTIV-G1.5」を搭載したモデルを追加し、パワートレーンが3種類と充実。また、自然な乗り心地を向上させた新世代シート技術やApple CarPlay/Android Autoを採用し、ボディカラーに「ポリメタルグレーメタリック」が追加された。
さらにマツダの安全思想に基づいた先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」が標準装備となった。加えて「15S Touring」がベースとなる、特別装備を採用した「100周年特別記念車」が設定された。
【2020年10月:一部改良】1.5Lガソリンモデルに特別仕様車が登場
1.5Lガソリンモデルに特別仕様車「Urban Dresser」が設定された。シートに革のような風合いと手入れのしやすさを両立した明るいピュアホワイトの人工皮革を採用。マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)や、360°ビュー・モニターなどの安全装備と、快適装備のスーパーUV&IRカットガラス、シートヒーター、ステアリングヒーターを標準装備としている。
【2021年10月:一部改良】快適装備とボディカラーの拡充に加え、特別仕様車「Super Edgy」を追加
コンソールに置くだけで簡単に充電できる、ワイヤレス充電(Qi)をオプション設定に追加。また、フロント窓ガラスにたまった雪を取り除きやすくする、ワイパーデアイサーをAWD車に標準設定するなど、快適装備が充実。ボディカラーでは、クラッディングとフロント、リアバンパー下部をグロスブラック塗装として、足元を引き締める「ブラック グロッシー パッケージ」をセットオプションとして追加した。
また、上質・洗練といったCX-3の特長をさらに追求した特別仕様車「Super Edgy (スーパー エッジー)」が追加された。
【2023年9月:最新型】ディーゼルエンジンの出力向上に加え、リニアな応答性に
ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」搭載車の出力を向上するとともに、広いエンジン回転域で力強いトルクを発揮する制御が行われたことで、アクセルを踏み始めた瞬間の応答性が大幅に向上。また、グレード別でブラックグロッシーパッケージをメーカーセットオプションから標準装備とするなどデザイン面でも改良が実施された。
さらに、スタイリッシュで都市的・先進的デザインがコンセプトの特別仕様車「Vivid Monotone」が新たに設定された。
●CX-3 グレードバリエーション&価格 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
1496cc直4DOHC(111ps/14.7kg・m) | 15S Touring【6AT】 | 227万9200円/252万1200円 |
15S Urban Dresser 【6AT】 | 253万2200円/277万4200円 | |
15S Vivid Monotone 【6AT】 | 270万8200円/295万円200円 | |
1756cc直4DOHCディーゼルターボエンジン(130ps/27.5kg・m) | XD Touring【6AT】 | 279万6200円/303万8200円 |
XD Vivid Monotone【6AT】 | 319万2200円/343万4200円 |
CX-3:最新値引き&納期情報(2024年10月現在)
- 車両本体目標値引き額:18万円
- 納期の目安:1~2か月
- リセール予想:C+
10万円程度の値引きでストップするケースが多いが、ヤリスクロスとの競合を伝えて「トヨタは、オーダーストップになっているが再開されることを待っている。もし、好条件を出してくれるならばCX-3を第一候補にする」などと言うこと。付属品含めて20万円前後になれば買い頃だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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