●文:月刊自家用車編集部
セレナ:モデル概要
現行セレナは、2022年秋に登場。初代セレナが1991年に登場して以来、このモデルが6代目となる。
室内の静粛性と運転の快適性を実現する新開発のe-POWER専用エンジンと組み合わせた第2世代「e-POWER」を搭載。安全運転支援機能の「プロパイロット」は全グレードに標準装備されている。なお、新設定された最上位グレード「e-POWER LUXION(ルキシオン)」には、高速道路同一車線40km/h以上でのハンズオフまで対応する「プロパイロット2.0」が標準装備。ロングドライブ適性をさらに高めている。
ほかにも日産車では初採用となる駐車スペースの境界線を記憶/認識する「プロパイロットパーキングメモリー」や「プロパイロットリモートパーキング」も設定。前方の障害物を回避する際の操舵をサポートする衝突回避支援ステアリングアシストも、日産初となる技術のひとつ。
ミニバン最大級の広い室内空間を確保することで、乗る人全員がゆったりくつろげるセレナの魅力も健在。高剛性サスペンションや新開発シートの採用により、車体の揺れを抑える設計を用いることで、乗員のクルマ酔いにつながる頭の急な揺れを抑制するアプローチも加えられている。など、ミニバンとしての快適性を高めた工夫が凝らされている。
セレナ:スタイリング&パッケージ
モデルによって多少のはみ出しはあるが、2L級1BOXミニバンの車体寸法は5ナンバーサイズが基本。現行セレナも標準系は5ナンバー枠に収まっている。上級設定のハイウェイスターとルキシオンは、外装パーツの違いにより3ナンバーボディとなるが、標準系に対して全長が75mm、全幅が20mm拡大しただけで、取り回しサイズに大きな影響はない。
スタイリングの見どころはフロントマスク。バンパーまわりとラジエターグリル開口部などは標準系とハイウェイスター/ルキシオンで異なるが、大きく開口したVモーションに一体化した多段型のヘッドランプの組み合わせで存在感をアピールしている。見晴らしと開放感のよさそうな広いサイドウインドウなど、側面形やリアビューは先代とも似たファミリーミニバンらしいデザインを採用している。
セレナ:インパネ内装&シート
先代のスピードメーターは輪外配置式だったが、現行型はステアリング奧に置く標準的なレイアウトを採用することで、センターディスプレイとの連続性を高めてグラスコックピット感を強化。先進感を前面に出したインパネデザインは、新世代モデルのノートやサクラと共通したセンスを感じさせる。ほかにも空調制御盤やボタン式のシフトセレクターをコンパクトに纏めた操作系を採用することで、時代が一気に進んだ印象を受ける。
ロングスライドのアームレストや、側面跳ね上げ格納ながらスライド機構を備えたサードシート、狭い場所でも開閉可能なハーフバックドアを備えたデュアルバックドアなども継承進化。リアルワールドでの使いやすさを重視したパッケージも健在だ。
セレナ:パワートレーン
パワーユニットは、ガソリン車は2L直4(150ps/20.4kg-m)にエクストロックCVTの組み合わせになるが、ハイブリッド車は新開発された1.4L直エンジンに駆動モーターを組み合わせるe-POWERシステムを採用。ボディまわりには騒音振動低減設計を採用するなど、快適性を高める工夫も盛り込まれている。
シリーズの中核を占めるe-POWER車は、発電専用エンジンが1.2Lエンジン(先代)から1.4Lエンジンに変更されたことで、発電能力が強化。それに伴い駆動モーターの出力が向上(120kW/315Nm)していることがポイントのひとつ。またエンジンの世代がひとつ進んだことでエンジンノイズの抑制も加えられており、よりパワフルでスムーズな加速を実現している。
プロパイロットが全車に標準装着されたことも見所のひとつ。衝突回避被害軽減機能やライン制御型LKA、全車速ACCなどの基本機能の他に後側方接近車警報や衝突回避操舵支援などを全車に採用。セットOPとしてナビリンク機能や緊急停止支援(SOSコール)なども用意されている。
上位グレードのルキシオンには、高速道路での同一車線内ハンズオフを実現したプロパイロット2.0にも対応している。
セレナ:モデル変遷
【2022年11月:初期型】新型セレナ発表。ガソリン車は今冬、e-POWER車は来春に発売開始
パワートレーンは2Lガソリン車と1.4Lハイブリッド車(e-POWER)を設定。駆動方式はガソリン車はFFと4WD、ハイブリッド車はFFが用意される。グレードはガソリン車は3タイプ、ハイブリッド車は4タイプを用意。ハイブリッドのe-POWERは、発電能力と静粛性が強化された第2世代「e-POWER」に変更されている。
最上級グレードとして投入されるe-POWER LUXION(ルキシオン)は、豪華内装に加えて高速道路上でのハンズオフ運転に対応するプロパイロット2.0が装着されるなど、従来モデルよりも1ランク上を狙ったプレミアムモデルになる。
なお、発売時期は、ガソリン車が2022年冬、ハイブリッド車は2023年春となる。
同時に日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社が手がける「AUTECH」も発表されている。
●セレナ グレードバリーエーション&価格(2022年11月モデル) | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | FF/4WD |
1997cc直4DOHC 150ps/20.4kg-m | X【CVT】 | 276万8700円/303万4900円 |
XV【CVT】 | 308万8800円/335万5000円 | |
ハイウェイスターX【CVT】 | 326万9200円/353万5400円 | |
1433cc直3DOHC 98ps/12.5kg-m + モーター 120kW/315Nm | e-POWER X【一段固定】 | 319万8800円/− |
e-POWER XV【一段固定】 | 349万9100円/− | |
e-POWER ハイウェイスターV【一段固定】 | 368万6100円/− | |
e-POWER LUXION【一段固定】 | 479万8200円/− | |
※ガソリンの4WD車は12月からの発売 |
【2023年12月:車種追加】90周年記念車を発売
創立90周年を記念した「セレナ 90th Anniversary」を発売。
ラジエーターグリル上部のフィニッシャーをカッパー色化するとともに、カッパーストライプの入ったブラックドアミラーと、スモーククリアの16インチのアルミホイールを採用。シート地には、カッパーステッチを施したブラックの合成皮革素材を採用している。価格は377万9600円(e-POWER ハイウェイスターVがベース)。
【2024年9月:一部改良】ボディカラー設定を変更。価格改定でガソリン車の価格を値下げ
一部仕様変更では、ボディカラーに新たにクリスタルブラウンと、クリスタルブラウン×利休ルーフの2トーン、クリスタルブラウン×利休ルーフフードの2トーンを追加。
また一部仕様変更に合わせて価格改定も実施。ガソリン車については値下げとなっている。
【2024年10月:最新型】e-POWERモデルに4WDを追加
「セレナ」e-POWER車に、電動駆動 4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載した4WDグレードを設定。オーテックモデルとして、セレナ「AUTECH SPORTS SPEC」も選ぶことが可能になった。
●新型セレナ グレードバリーエーション&価格【2024年10月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | FF/4WD |
1997cc直4DOHC 150ps/20.4kg-m | X【CVT】 | 271万9200円/298万5400円 |
XV【CVT】 | 298万8700円/325万4900円 | |
ハイウェイスターX【CVT】 | 316万9100円/343万5300円 | |
1433cc直3DOHC 98ps/12.5kg-m + モーター 120kW/315Nm | e-POWER X【一段固定】 | 324万8300円/− |
e-POWER XV【一段固定】 | 354万8600円/− | |
e-POWER ハイウェイスターV【一段固定】 | 373万5600円/− | |
e-POWER LUXION【一段固定】 | 484万7700円/− | |
1433cc直3DOHC 98ps/12.5kg-m + モーター 120kW/315Nm リヤモーター 60kW/195Nm | e-4ORCE X【一段固定】 | -/361万4600円 |
e-4ORCE XV【一段固定】 | -/391万4900円 | |
e-4ORCE ハイウェイスターV【一段固定】 | -/408万8700円 |
セレナ:最新値引き額/納期情報(2024年10月)
- 車両本体目標値引き額:25万円
- 納期の目安:1〜2か月
- リセール予想:B-
ライバルのノア&ヴォクシーが受注停止している影響もあって、日産サイドはやる気満タン。
「トヨタは『いつ納車されるのか分からない』が、うちは早ければ1か月、遅くても2か月でお手元にお届けできます」と、積極的に売り込んでくる。
ただ値引きに関しては、一部改良の影響で少し引き締め傾向が強くなっている。
大人しく座っていると10万円前後でストップをかけてくるので、ステップワゴンを含めたライバルと競合させて、いい条件を引き出したい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(セレナ)
ベース車両はニッサンのセレナ ベースとなる車両は日産のセレナ。 1991年の初代発売以降、家族のためのミニバンとして、ファミリー層を中心に高く支持されてきた。 好評の「プロパイロット」は全車に標準装備[…]
パワートレーンとシャシー周りにも、走りの質を高める専用のチューニングを注入 オーテックは日産モデルに独自のカスタマイズを加えることで、標準車では味わえない魅力をプラスしてくれるメーカー直系カスタマー。[…]
新設定されたAUTECH SPORTS SPEC 「AUTECH SPORTS SPEC」は、「セレナ」唯一の17インチタイヤを装着、ボディ、サスペンション、および、パワーステアリング特性のチューニン[…]
「e-4ORCE」を搭載し、さらに進化したセレナ 日産の電動化技術と4WD制御技術、シャシー制御技術を統合することで、日常からアウトドアまで、すべてのシーンで「走る・曲がる・止まる」という性能を飛躍的[…]
価格改定とボディカラーの追加を発表 セレナ」は、室内空間の広さやデザイン性と機能性を兼ね備えた装備、さらにクルマ酔いを軽減する工夫や充実した先進技術などにより、家族との大切な時間を思い切り楽しむことが[…]
最新の関連記事(新車カタログ(国産車) | ニッサン)
1967年式 日産 セドリック スペシャル6 オーナー名:岡 和希 とにかく人と被らない。「130セドリックで前期の中期型です」って言っても誰もピンとこない。 信号待ち中、駐停車中、対向車線を走ってき[…]
【プロフィール&インプレ】知られざる実力モデル。国内モデルは1代限りになったのが本当に残念 日産ジューク(初代)発売日:2010年6月価格:169万500〜179万2500円(2010年6月当時)20[…]
【プロフィール】プロパイロットとe-POWER、日産の目玉機能をいち早く採用 日産セレナ発売日:2016年8月価格:231万6600〜313万5240円(2016年8月当時)2016年にフルモデルチェ[…]
【プロフィール】 NISSANエクストレイル発売日:2013年12月価格:224万9100〜279万7200円(2013年12月当時)先代までの無骨なイメージと異なり、エクステリアは洗練された都会的な[…]
人気記事ランキング(全体)
ベース車両はダイハツのアトレー ベースとなる車両はダイハツのアトレー。燃費が良く小回りの効く軽自動車でありながら、車内スペースが広く、多くの荷物も積み込める人気の車。キャンピングカーイベントではベース[…]
アルファードがベースのキャンピングカー(グランドモーター) ベースとなる車両は広々とした高級感あふれるミニバン・アルファード。キャンピングカーとしてだけでなく、世間でよく見かける超人気車種だ。サイズが[…]
ベース車両は遊びの王様トヨタ・ハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 ハイエースはなんと言ってもクラス最大級の荷室の[…]
ETC利用率は90%を超え、広く普及 ETCとは、エレクトロニック・トール・コレクション・システムの略称となり、日本語では電子料金収受システムとなる。高速道路や有料道路の料金所などに設置され、ノンスト[…]
ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 ハイエースはなんと言ってもクラス最大級の荷室の広さが魅力[…]
最新の投稿記事(全体)
クラウンクロスオーバーの人気ホイールに交換できるカスタマイズサービスがスタート 今回提供が始まった「ホイールデザインカスタマイズ」の対象モデルは、24年に一部改良したモデルのCROSSOVER RSお[…]
ナビメーカーが本気で作ったナビアプリ、質の高いルート検索&音声案内で人気 「COCCHi」は、パイオニアがカーナビメーカーとして培ってきた技術やノウハウを活用したスマートフォン専用カーナビアプリ。道路[…]
TV-CMでも大好評のいかつさアップの定番パーツが1位を獲得 (第1位)アクティブフェイスパッケージ 最も注目を浴びたのは、TVCMなどにも登場した「アクティブフェイスパッケージ」。フロントグリルとL[…]
オーテックオーナーが一同に会する名物イベント 11月16日(土曜)に開催された「AOG(AUTECH OWNERS GROUP)湘南里帰りミーティング2024」は、2004年にメーカー主催によるオーナ[…]
タイヤに被せるだけの簡単取り付け 降雪地帯やアウトドアレジャー好きの方であれば、スタッドレスタイヤは当然用意するもの。しかし「稀に雪に見舞われる」程度の地域であれば、場所をとり、交換の手間がある上に”[…]
- 1
- 2