
三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」が、2025年8月8日から16日までタイで開催されたアジアクロスカントリーラリー(AXCR)2025で、チャヤポン・ヨーター選手が総合優勝を達成。また、チームとして2年ぶり2度目となるチーム賞も獲得した。
●まとめ:月刊自家用車編集部
トライトンがAXCR2025の過酷なコースで性能を証明
「チーム三菱ラリーアート」は、8月8日(金)~16日(土)タイで開催されたアジアクロスカントリーラリー2025にピックアップトラック「トライトン」(T1仕様=改造クロスカントリー車両)で参戦。
総走行距離2316.32km(うち競技区間1002.95km)を走破し、チャヤポン・ヨーター選手が16時間15分12秒で総合優勝、田口 勝彦選手が総合5位、小出 一登選手は総合22位となっている。
また、チームとして3台以上完走し、上位2台の合計タイムの早い順で競われるチーム賞も獲得している(2年ぶり2度目)。
チームエースのチャヤポン・ヨーター選手が総合優勝、田口 勝彦選手が総合5位、小出 一登選手は総合22位を獲得している。
チームのエースであるチャヤポン・ヨーター選手は、今年は12番手スタートながらもレグ1から好タイムをたたき出し、初日を2位と好スタート。レグ3で総合首位に躍り出ると、その後、攻めの姿勢を崩さずにそのまま首位を維持し、2位と約7分差という接戦を制して、3年ぶり2度目の総合優勝を果たしている。
田口 勝彦選手は5番手という好位置からスタートし、前半は上位をキープ。その後、フロントサスペンションの損傷の影響などで順位を落としたが、レグ5では18台の先行車を追い抜き、トップタイムをマーク。果敢な走りで日本人ペア最上位となる総合5位入賞している。
社員ドライバーとして2年目の参戦となる小出 一登選手は、レグ5では後輪ブレーキが効かなくなるトラブルを抱えたりしながらも、レグ3、8ではマシントラブルのチームメイトをサポート。サポートカーとしての役割を果たしながら、昨年より順位を二つ上げる総合22位でAXCRを終えている。
AXCR2025 四輪部門 総合成績
- 1位 チャヤポン・ヨーター(三菱・トライトン) 16時間15分12秒
- 2位 マナ・ポーンシリチャード(トヨタ・ハイラックスレボ) 16時間23分03秒
- 3位 ベイリー・コール(フォード・ラプター) 17時間08分29秒
- 4位 ディッサポーン・マニーイン(いすゞ・D-MAX) 17時間09分32秒
- 5位 田口 勝彦(三菱・トライトン) 17時間37分56秒
- 6位 ナッサポーン・アングリッタノン(トヨタ・ハイラックスレボ) 17時間46分52秒
- 22位 小出 一登(三菱・トライトン) 29時間34分31秒
チーム三菱ラリーアート総監督 増岡 浩コメント
「今年は勝つことしか考えていなかったので、 “三菱自動車らしい”強くて勇ましい姿を取り戻すことができて、とても嬉しいです。チーム賞も獲得でき、まさに、チーム三菱ラリーアート全員の力で勝ち獲ったリザルトです。『トライトン』の良さである、ハイスピードコースの安定性とワインディングでの操縦性を磨くことで、排気量で差のあるライバルに対抗し、アドバンテージを築くことができた結果の勝利です。また来年、さらにクルマに磨きをかけて、競争力を上げていきたいと思います。」
チーム三菱ラリーアート #112ドライバー チャヤポン・ヨーター選手コメント
「チーム全員がしっかりと役割を果たし、完璧なクルマを用意してくれたおかげで、再び総合優勝を果たすことができ、本当にうれしいです。今年は石の多いセクションや、泥、ぬかるみなど、本当に過酷でしたが、耐久性はもちろん、ハンドリング性能が非常に高く、高速コーナーやぬかるんだテクニカルなセクションでもコントロールしやすく、最高のパフォーマンスを発揮してくれた『トライトン』のおかげで乗り越えることができました。来年は、“チャンピオン防衛”のために戻ってきます。」
チーム三菱ラリーアート #105ドライバー 田口 勝彦選手コメント
「昨年と同順位の5位ですが、我々クルーもレベルアップできました。どのSSも排気量の大きいクルマに伍するタイムで走ることができ、レグ5ではSSベストタイムも獲得しました。『トライトン』は年々良くなり、足まわり、ハンドリングの良さを活かし、悪路でもコントロールしながら走ることで、今回のチャヤポン選手の優勝につながったと思います。ラリーを終えて、もっとタイムアップできる部分も見えたので、しっかりとテストして長所を伸ばせば、また来年もいい成績を収められると思います。」
チーム三菱ラリーアート #118ドライバー 小出 一登選手コメント
「デイリタイヤしてしまう等、精神的に厳しい部分もありましたが、非常に貴重な経験を積むことができました。私が駆った『トライトン』AT車のトランスミッションのコンポーネントは、量産車のものを使用しており、AXCRのような過酷な環境でも十分に耐え得ると実証できました。今回のラリーの中で感じた『トライトン』の持つハンドリングや取り回しの良さといった長所を、将来のクルマづくりにもフィードバックして取り入れていきたいと考えています。」
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