【どちらがベストバイ?】日産の大人気プレミアムコンパクト 買うべきは「ノート」か? それとも「ノート オーラ」か?

NISSAN ノート/ノート オーラ

●価格帯:202万9500〜244万5300円(ノート)261万300〜295万7900円(ノート オーラ)

電動駆動の魅力が詰まったe-POWERを武器に快進撃を続けている「ノート」と「ノート オーラ」。ライバル勢に比べると価格設定は強気だが、それに見合う魅力を持つことも間違いない。この2モデルは見逃せないというユーザーも多いはずだ。ここでは「ノート」か「ノート オーラ」で悩んでいるユーザーに役立つ情報をお届けしよう。

●文/まとめ:自家用車編集部(ハラ)

全幅は1695mmと5ナンバーサイズに留まるノートに対して、オーラ(左)は全幅1735mmとなるワイドボディを採用。フロントマスクも少し異なるデザインが与えられている。

オーラは別モデル扱いだが、ノートの最上級グレードと考えるのが自然

ノート オーラ(以下オーラ)とノートを見比べてみると、前後ライトとフロントグリル、アルミホイール(ノートのアルミホイールはOP)が違うことがなんとか分かる程度。

インテリアは、オーラは大型のカラー液晶メーターやレザーシートを装着し、インパネやトリム類に専用加飾を取り入れることで1ランク上を主張しているが、もともとノートもコンパクトクラスとしては優れた質感を売りとするモデル。多くのユーザーが十分に満足できるキャビン空間が与えられている。

オーラは、もっとプレミアムキャラを打ち出したいという販売戦略により別モデル扱いになっているが、基本的には同モデルと考えるのが自然。オーラは先代ノートに設定されていたメダリストの流れを汲んだ最上級グレードと考えると立ち位置が分かりやすい。

オーラ(左)には木目を意識した専用加飾が与えられるほか、レザーシートも標準となる豪華内装が魅力。ただしノート(右)もOPで同等レベルのキャビン空間に仕立てることが可能だ。

【動力性能】オーラの方がパワフル。静粛なキャビンも好印象

両モデルの違いとして注目したいのは、目玉であるe-POWERの出力特性が異なることだ。

両モデルに搭載されているe-POWERは、1.2リッターエンジン+駆動モーターという組み合わせ。モーターやバッテリーなどのハードウェアは同等のシステムが与えられているが、オーラはソフトウェアの制御を変えることでによりフロント側のモーター出力を向上している。数値的にはオーラは100kW/300N・m(FF車)、ノートは85kW/280N・m(FF車)になる。

モーター駆動ならではの出足の良さもあって、市街地を走行する速度では違いを感じにくいが、モーターへの負荷が強まる高速走行になるとオーラの余裕が明確になってくる。追い越しでアクセルペダルを踏みこんだ際のレスポンスや、巡行時の速度コントロールもオーラの方が良好で、明らかに余力感がある。

ちなみにオーラは、フェンダー周りの静音設計(ノートにも採用済み)に加えて、フロントドアに遮音膜が入ったラミネートガラスを採用したり、ルーフライニングに遮音材を追加するなど、キャビンに侵入するロードノイズを低減させる工夫が加えられている。この手の遮音技術は上級モデルではおなじみだが、コストの制約もあってコンパクトクラスに投入されるのは珍しい。実際の走行時の静粛性もオーラが一歩リードしている印象だ。

オーラは、内外装の凝った意匠と充実の上級装備に加え、動力性能も格上の設定が与えられている。ノートに比べると多少硬めのアシにも感じるが、タイヤのサイズアップのおかげもあって走行安定性はさらに良くなった印象を受ける。

【キャビン&装備】実用性は互角だが、上質感の演出はオーラが巧み

キャビン&荷室の基本レイアウトは共通で、装備も実用機能に関してはほぼ同等レベル。ナビ&オーディオ機能は、共にレス仕様が標準で、多くのユーザーは純正ナビを選ぶだろうが、自分が好きなナビユニットを選ぶこともできる。

安全機能は、ノートもオーラも衝突軽減ブレーキや車線逸脱防止機能はクラス最高レベルの機能が標準で装着されているが、ライバルモデルが続々と標準化している運転支援機能(プロパイロット)はメーカーOPでの対応。プロパイロット自身は優れているだけに、装着設定で負けているのはかなり残念。プレミアムキャラで勝負するモデルとしては物足りなく感じてしまう。

装備関連でノートとオーラの違いが明確になるのは、利便機能の装着設定だ。ノートは車両周辺の状況をモニター映像で確認できるアラウンドビューモニターやアルミホイールはOPになるが、オーラは全グレードに標準装備。前後シートもノートはファブリック地が標準で、レザーシートは上位グレードのみがOPで選ぶ必要があるが、オーラは標準装備(グレード別に2つの仕様を用意)となる。

内装意匠に関してはノートも素材感に富んでおり不満はないが、オーラはツイード調織物を用いたパネルやコンソール周りの木目調フィ二シャーなどの上級モデル譲りの内容が盛り込まれる。スピードメーターも多くの車両情報を表示できる12.3インチのカラー液晶タイプになるなど先進性の演出も巧み。豪華さの演出はオーラの方が一枚上手だ。ノートも上級モデルからの乗り換えを検討しているダウンサイザーをターゲットにしているが、オーラはノート以上にダウンサイザーを意識した仕様といえる。

ヘッドレスト横に配置されるサブスピーカーを含めて、合計8つのスピーカーでサウンド空間を演出するBOSEパーソナルサウンドシステムは、プロパイロットと純正ナビとのセットOPになるが、オーラだけに用意される特別な装備の一つ。

オーラは8月17日の発売から3週間で1万台を超える受注を獲得するなど、当初の想定以上に好調なスタートを切った。プロパイロットを付けるとナビやBOSEサウンドシステムとセットOP(40万1500円)になるため、ベーシックなGの2WD車でも300万円の大台を超えてしまうが、これまでの受注実績ではオーラ購入者の88%がプロパイロット装着車を選んでいる。

内容と価格のバランスに優れる、オーラのコスパの良さは見逃せない

ノートの上級グレードのノート X(FF車:218万6800円)とオーラのベーシックグレードのオーラ G(FF車:261万300円)との価格差はおおよそ42万円になるが、ノートにオーラで標準装備されているアダプティブヘッドライトやアラウンドビューモニター等を装着した状態で比較すると、その価格差は約23万円まで縮まる。さらに純正インフォテインメントとセットOPになるプロパイロットを含めた状態で比較すると、その差はさらに縮まってくる。

ノートはセットOPのパターンが多いため支払い金額が把握しにくいが、実際にディーラーで両モデルの見積もりを取ってみると、ノートとオーラの支払額の差は思ったよりも大きくないことに驚くはずだ。動力性能が優れる上に1ランク上の専用装備が備わるオーラのコスパは、ノートよりも優れていると考えることもできる。

ノートが持つ優れた実用性と電動駆動の楽しさをリーズナブルに楽しみたいならば、割り切ってプロパイロットなしのノートをオススメするが、プロパイロットや上級モデル譲りの豪華キャビンも楽しみたいというならば、ノートではOP装備をかなり盛る必要があるため、結果的に割高になってしまう可能性が高い。そういうユーザーにとっては、最初から装備が充実しているオーラの方が、間違いのない選択としてオススメできる。

前後モーターで走りの魅力が増す、4WDモデルも検討すべし

もう一つ、ノートとオーラ選びで悩ましく感じてしまうのが、FF車か4WD車のどちらかを選ぶという問題だ。

ノートとオーラの4WD車のリヤモーターは、単独で50kW/100N・mを発揮する大出力タイプを採用する上に、日産独自の前後輪駆動制御技術も注がれているため、フロント駆動のみとなるFF車とは走りの味付けが完全に異なる。速度が乗ったコーナーではちょっとしたスポーティ顔負けの見事な走りを披露してくれるほどだ。一般的に4WD車は雪が多い地域向けのクルマと思われがちだが、ノートとオーラに関していえば、良質の走りを求めて4WD車を選ぶという選択も十分にアリだ。

ノートの4WD車はフロント+リヤのツインモーター仕様。リヤ側にも大出力モーターを配置することでオンロードでも余裕ある走りを披露する。走りにこだわりのあるユーザーならば、オーラからノートに変更して4WD車を選ぶ選択も十分にアリ。オーラGとノートX FOURの価格差は16万5000円になる。


※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
※特別な表記がないかぎり、価格情報は消費税込みの価格です。

最新の記事