HONDA シビック
●価格帯:319万〜353万9800円
9月3日に発売された新型シビック。約1か月となる10月7日時点で3000台を超える受注を集めるなど、当初想定していた台数(月間販売計画台数は1000台)よりも好調な実績を積み重ねているようだ。その人気を集める理由を探ると、MT車が大きな貢献を果たしていることが判明したのだ。
●文/まとめ:自家用車編集部(ハラ)
蓋を開けたら、予想を超える受注を獲得
先代はセダンとハッチバックが導入されていたが、新型に設定されたのは5ドアのハッチバックのみ。先代の販売実績をもとにした“集中と選択”の結果とはいえ、少し残念に思ったユーザーも多かったはずだ。その微妙な雰囲気ゆえに、販売計画台数(月間)も1000台という控えめな数字になったのかもしれない。いずれにせよ、ほどほどに売れてくれれば御の字というのが、ホンダの本音だったと思う。
ところがいざ蓋を開けてみると、1か月の受注台数は当初計画の3倍となる3000台を記録。シビックというビッグネームに対して1000台の販売計画は少なすぎたともいえるが、車両価格が300万円を超える上級ハッチバックとしては、予想を超えるスタートダッシュを決めたといっていいだろう。
今となっては珍しい、回して楽しいターボエンジンを搭載
これほどの人気を集める理由としては、新型シビックが良き時代のシビックを彷彿させる軽快な走りを手に入れたことが挙げられる。
新型シビックに搭載されるエンジンは、従来型にも採用されていた1.5リッター直4ターボ。低中速域から力強いパワーを発揮する最近おなじみのダウンサイジングターボだが、新型シビックに搭載されるユニットは改良が加えられたことで182PS/24.5kg・mを発揮する。最高出力こそ従来型と同じ数値だが、最大トルクは2.1kg・mほど向上(従来型は22.4kg・m)しており、従来型に比べると高回転域での伸びが良くなっている。エンジンを回してもなかなか楽しいターボになっているのだ。
4割に迫るユーザーが、MT車のシビックを選択
そしてもう一つ見逃せないのが、MT車(6速)の人気ぶりだ。CVT車があれば十分という人が多いなか、絶滅危惧種のMT車が選べるのは、スポーツ派にとっては何よりもの朗報だろう。実際、発売1か月の受注実績の数字は、CVT車が64.9%に対して、6速MT車は35.1%を記録している。オートマ天国の日本で4割に迫る台数がMT車というのは極めて異例なこと。スポーティなシビックに期待する人が多かったということの裏付けともいえるだろう。
余裕十分のキャビンに充実装備を装着
静粛性と後席居住性が向上したキャビン空間や、フル機能版のホンダセンシングや車載ITのホンダコネクトディスプレイも標準装着されるなど、クルマとしての基本性能も申し分がない。車両価格に対して多くのバリューがあることも好調の理由といえる。
ちなみに今回導入された11代目シビックは、来春にハイブリッドのe:HEV車と高性能スポーツのタイプRの導入も予定されている。先駆けて導入された1.5ターボ車の完成度を見る限り、後発となる2モデルも相当期待ができそうだ。
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