【スバル フラッグシップ対決】流行のSUVか? それとも伝統のワゴンか?  新型レガシィアウトバック VS レヴォーグ 後編

レガシィ アウトバックが待望のフルモデルチェンジ。現行レヴォーグと同じ第2世代のSGPや1.8リッターターボ(CB18)が採用されたことで大幅な性能向上が期待できそうだ。そうなると気になるのがレヴォーグとの力関係。SUVとステーションワゴンとカテゴリーは異なるものの、共にスバルの国内ラインナップとしてはフラッグシップに相当するモデル。どちらが上なのか? が気になるユーザーもいるだろう。ここではポイントごとに両モデルを比較し、その違いを鮮明にしてみよう。

●文/まとめ:自家用車編集部(原)

【メカニズム&走行性能】両モデルともエンジンは最新ターボ。アウトバックはオンロード性能も期待できそう

北米では2.4リッター車が主力を担うが、国内仕様車にはレヴォーグやフォレスターに搭載されている1.8リッターターボが組み合わされる。悪路走破性を高めるX-MODEが装着されるなど、オフロードを意識したメカニズムも採用されていることもポイントの一つ。

先代は1.6リッターターボ車と2リッターターボ車を選ぶことができたが、現行レヴォーグは1.8リッターターボ車のみという設定。177PS/30.6kg・mを発揮する1.8リッターターボユニットは、低中速域での扱いやすさを重視した特性を持つ、最新ダウンサイジングターボだ。

アウトバックとレヴォーグはボディタイプこそ異なるものの、第2世代のSGPや1.8リッターターボなど、メカニズム面で共通点が多い。SUVとステーションワゴンというボディの違いを考えれば、重心の高さの影響が大きい走行安定性や、車両重量の違い(アウトバック:1680~1690kg、レヴォーグ:1550〜1580kg)がもたらす加速性能などはレヴォーグが一歩リードするだろうが、SGPを採用した最近のスバルモデルを見る限り、アウトバックのオンロード性能も秀でているのは間違いないだろう。バンパー下にアンダーカバーを設けたり、タイヤハウスにグラッディングパネルを配置するなど、アウトドアギア感を強めに主張しているが、オフロード専用のSUVではない。

なお、両モデルともスバル独自のシンメトリカルAWDを採用することで常時四輪駆動を実現しているが、アウトバックは走破性を高める駆動制御システム「X-MODE」も備えることで泥道や雪道などの滑りやすい路面での追従性も高めている。抜かりなくオフロード性能を追求していることも見逃せないポイント。

ちなみに現代のモデルに必須の安全運転支援機能「アイサイト」は、両モデルともステレオカメラ+ミリ派レーダー併用タイプに進化。さらにより高度な操舵支援と渋滞時ハンズオフ走行まで対応する「アイサイトX」にも対応している。両モデルとも国産車トップレベルの実力を持っている。

レヴォーグは第2世代のSGPの採用によりシャシー性能が底上げされた上に、STIモデル限定になるが電子制御サスも採用。ここもアウトバックとの違いが明確になるポイントだ。レヴォーグのコンペショナルなサス仕様車と比べると、サスの硬さが調節できるだけではなく、乗り心地の上質さも高まっている印象を受ける。

【装備&機能】目玉のアイサイトと車載ITは、ほぼ互角

アウトバックとレヴォーグに標準装着されるアイサイトは、ステレオカメラ+ミリ波レーダー/周辺ソナーで車両周辺を検知する最新型。ハンズオフ運転まで対応するアイサイトXは、レヴォーグはEXモデルに、アウトバックは全グレードに採用されている。


共にスバルのフラッグシップに相当するモデルだけに、キャビン快適性やドライバー負担を軽減してくれる利便装備も充実。スバル車の代名詞でもあるアイサイトの充実ぶりはもとより、タブレット感覚で操作が可能な11.6インチディスプレイを備えるスターリンク対応の車載ITシステムやナビのルート案内まで可能な12.3インチカラー液晶メーターが採用されるなど、スバル車トップレベルの最新装備が注がれている。

両モデルの装備の違いは、主にSUV/ステーションワゴンというカテゴリー特有の装備に絞られる。アウトバックは悪路走破性能を高めるX-MODE、レヴォーグは電子制御サス+ドライブモードセレクトなどがモデル固有の装備になる。なお、内装パネルやトリム類、シート素材などはおのおの仕様が異なるが、価格帯が近いグレード同士で比べた場合は、ほぼ同等レベルの内容が与えられていると考えていい。

なおアウトバックの正式デビューは10月7日を予定。執筆時の段階では車両価格は判明していないが、設定されるグレードは「X-BREAK EX」と「リミテッド EX」の2つになる。X-BREAKはアウトドア志向を、リミテッドはプレミアム志向を追求したグレードになるが、共にアイサイトXや最新の車載ITシステムを搭載しているEXモデルとして送り出されることもあり、価格はレヴォーグのEXモデルよりも少し高めの設定になる模様だ。

11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムは、ナビ画面や車両情報を大画面表示できる最新の車載ITシステム。スバルのコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」に対応する。レヴォーグはEXモデルに、アウトバックは全グレードに採用される。

レヴォーグの標準モデルはオーディオレス仕様。ナビユニットは自分の好みで社外製品を選ぶことができるが、パネル下側に車両情報を表示する7インチセンターインフォメーションディスプレイが設置されてしまう。インパネがすっきりとしたイメージに仕上がるEXモデルに比べると、少し違和感を感じてしまうかもしれない。

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