●文/まとめ:ストリートVWs編集部
ビートルがベースのスポーティモデル
最も美しいフォルクスワーゲンと言われたカルマンギア。ビートルをベースに背の低いクーペボディを架装したスポーティモデルだ。空冷水平対向エンジンを搭載するRR駆動であることもビートルと一緒。だからフロントにエンジンが無いからラジエターグリルもないのだ。
イタリアンデザインのドイツ車
カルマンギアは、イタリアのギア社がデザインを担当した。どことなくエキゾチックなイタリア車の色気を感じるボディは、当時のワーゲン社のラインナップのなかでは異端児。しかし世界中で大ヒットして、1955年から1974年まで生産されたベストセラーになったのだ。特にアメリカでは大人気で、多数が輸出された。
カルマンギアの名前の由来は?
ギアはデザインを担当したギア社から、それではカルマンは? 実はカルマンも会社の名前。由緒正しいVWのカタログモデルながら、製造を担当したのはカルマン社というコーチビルダーだった。カルマン社とギア社の共同作品だからカルマンギアなのだ。
スポーティなのに実は遅い?
イタリア生まれの流麗なスポーティモデルだから、ポルシェ並に速そうに見えるでしょう。しかし、実はベースとなったビートルと性能はほとんど同じ。エンジンも同じ、サスペンションも同じ。最終モデルでも50馬力で最高速度は140km/hという非力なスペックだ。
モデルチェンジは無し。しかし、ちょっとづつデザインが変化していった
1955年にデビューした初期型は、その特徴からローライト(日本では角テール)と呼ばれる。1959年に最大のマイナーチェンジが行われて、ヘッドライトの位置が高くなり、フロントグリルが少し大きくなる。テールライトも大きくなった。その後、’70年代になると安全基準にあわせてウインカーが大きくなっていく。またバンパーも大型のものになった。
タイプ3ベースの兄弟モデルやブラジル製もあり。奥が深いカルマンギアの世界
モデルチェンジ無しでロングセラーとなったカルマンギアは、ビートル同様に多くの小変更が行われた。また兄弟モデルも存在する。全部を解説すれば一冊の本ができあがってしまうほどで、本当に一冊ができあがってしまったのがStreet VWs増刊のフォルクスワーゲン・カルマンギア・コレクションだ。もっと知りたい人は、是非とも読んで欲しい。
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