【人気モデル 購入最前線】スズキ ジムニー/ジムニーシエラ編(2022年8月)

●文:月刊自家用車編集部(ハラ)

スズキ
ジムニー/ジムニーシエラ

●ジムニー
・0.6Lターボ車(64PS/9.8kg・m、WLTC総合モード燃費:14.3〜16.6km/L)
XG 155万5400円(5MT・4WD)165万4400円(4AT・4WD)
XL 168万1900円(5MT・4WD)178万900円(4AT・4WD)
XC 180万4000円(5MT・4WD)190万3000円(4AT・4WD)

●ジムニーシエラ
・1.5Lガソリン車(102PS/13.3kg・m、WLTC総合モード燃費:14.3〜15.4km/L)
JL 186万3400円(5MT・4WD)196万2400円(4AT・4WD)
JC 198万5500円(5MT・4WD)208万4500円(4AT・4WD)

・最新購入情報
●ジムニー
車両本体目標値引き額:10万円
納期の目安:12か月以上
リセール予想:A+

●ジムニーシエラ
車両本体目標値引き額:8万円
納期の目安:12か月以上
リセール予想:B+

【モデル選び】両モデルのキャビン&ユーティリティは同等。ポイントはパワーユニットの違いに尽きる

ジムニーとジムニーシエラは、パワーユニットこそ異なるが、ボディや内装レイアウトは共有関係にあるモデル。軽自動車と登録車とカテゴリーは異なるが、キャビン&ユーティリティは同等と考えていい。実際、ジムニーもしくはジムニーシエラを検討する時に多くのユーザーが比較対象とするのはこの2台になることが多い。

そんな理由もあって選び分けのポイントになるのはパワーユニットと走り。ジムニーは658cc直3ターボ(64PS/9.8kg・m)、ジムニーシエラは1460cc直4NA(102PS/13.3kg・m)を搭載しているが、車両重量1トン強のモデルとはいえこの違いは大きく、特に出足の鋭さや高速走行時の余力感はジムニーシエラの方が圧倒的に有利だ。さらにジムニーシエラは幅広のワイドトレッド仕様になるため、高速走行時の直進安定性が高いという強みも持っている。走りの快適性を重視するならばジムニーシエラを選ぶのがいい。

ただ、こなれた価格で本格オフローダーが楽しめるという点では、軽自動車のジムニーの方が魅力的。新車価格が安いこともあるが、購入後のランニングコストも低く、ジムニーの方がリーズナブルに楽しめる。ジムニーシエラも1.5L級モデルということもあって自動車税も任意保険も低めだが、軽自動車のジムニーはさらに低い水準で所有することができる。年間にして自動車税で2万円強、任意保険も数万円は安く済ませることができる。コスパ重視ならばジムニーの牙城は揺るがない。

売却時のリセールに関しては、ジムニーもジムニーシエラも優等生。ともに登場以来、多くのバックオーダーを抱え続けているという理由もあって、中古車市場では新車価格並み、場合によってはそれを超えるプライスの個体があるほど。なお、先代まではジムニーシエラのリセールはジムニーには及ばなかったが、現行モデルではその差は大きく縮まっていることも見逃せないポイントといえる。

軽量ボディにタフなメカニズムを採用するジムニー/ジムニーシエラ。パワーユニットの違いはあるが、ともに唯一無二の魅力を持つ稀有な存在だ。

ジムニーはフェンダーレス仕様にすることで軽自動車規制(全幅1475mm)をクリア。キャビン/インパネのレイアウトはジムニー&ジムニーシエラ共通になる。

前席優先のシートレイアウトのおかげもあって、前席は見た目の印象ほど窮屈ではない。一方、後席はお世辞にも快適とはいえないレベル。緊急用と割り切るべし。

【グレード選び】ツートンカラーが選べる上級グレードがオススメ。納期は1年待ちが当たり前

ジムニーは3つのグレード(XG、XL、XC)、ジムニーシエラは2つのグレード(JL、JC)を設定。ジムニーのXGは実用機能に徹したグレードで、装備類は必要最低限レベルに留まる。ジムニーもジムニーシエラも中間グレードのXL/JLからが現実的な選択肢と考えたい。

XL/JLとその上のXC/JCの違いは、クルーズコントロールやアルミホイール、LEDライトの装着設定に加えて、ツートンカラーが選べるかどうかも挙げられる。ルーフをブラックで色分けするツートンカラーは、現行モデルのイメージシンボルでもあるが、このボディカラーが選べる(メーカーOP)のは、最上位のXC/JCのみとなっている。

人気モデルゆえにリセールは上級グレードほど有利。XL/JLとXC/JCの価格差は約10万円強になるが、この価格差はリセール時に取り戻すことができるだろう。

納期に関しては、ジムニーもジムニーシエラも12か月以上が目安。若干ジムニーシエラの方が長めになっている印象だ。編集部には「1年半以上は見て欲しい」と言われたユーザー報告例も寄せられるほど。デビューからかなりの時間が経過しているが、依然として長期戦は避けられない情勢だ。

ジムニーシエラはフェンダー部をワイド化することで差別化。無骨さが増すことも人気の理由。トレッド幅がジムニーより拡大されることで、走行安定性が向上することもメリットだ。

現行型はラダー車特有の船を漕ぐような運転感覚もかなり薄らいだこともあって、オンロード性能の向上を強く実感できる。

走行性能を重視するならばジムニーシエラが一歩リード。1.5Lエンジンの余力ある動力性能とワイドトレッドがもたらす走行安定性は、ジムニーよりも明らかに上だ。


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