【人気モデル 購入最前線】ホンダ フィット編(2023年3月)

●文:月刊自家用車編集部(ハラ)

ホンダ
フィット
価格:159万2800〜231万4400円(1.5Lガソリン車)199万7600〜266万4200円(1.5Lハイブリッド車)

・最新購入情報
車両本体目標値引き額:12万円
納期の目安:2~7か月
リセール予想:C+

昨年秋に実施されたマイナーチェンジで値引きは引き締め傾向が強まっている。納期の目安は半年待ちが基本だが、グレードや装備の装着タイプによって2~3か月で納車というケースもあるようだ。

強力なモーターアシストが加わるe:HEV車の方が一枚上手。価格以上の満足度を実感することができる。

【パワートレーン選び】ガソリン車/ハイブリッド車、ともにパワーアップしたが、伸びしろはハイブリッド車が上

昨年10月に実施されたマイナーチェンジでパワートレーンを改良。ガソリン車は1.3車から1.5L車(118PS/14.5kg・m)への変更、ハイブリッド車(106PS/13.0kg・m【エンジン】+90kW/253Nm【モーター】)も駆動モーターの出力が向上したことで、動力性能が強化されている。

どちらもマイナー前モデルと比べると日常域での扱いやすさが高まっているが、オススメはハイブリッド車。

ガソリン車と比べると35万円ほど価格設定は高くなるが、2モーター式の「e:HEV」は電動走行と内燃機走行の切り替えが巧みで高速走行もまったく苦にしない。

市街地中心というならば排気量アップで動力性能が引き上げされたガソリン車でも十分だが、高速道路を走る機会が多いユーザーには、ハイブリッド車の方がオススメ。電動走行がもたらすコンパクトカー離れした力強い走りは、価格に見合った満足度を得ることができるだろう。

グレードによって若干寸法は異なるが、5ナンバーボディの手頃な大きさ感を持つ。撮影車のRSの全長☓全幅☓全高は4080☓1695☓1540mm。RSの内装加飾はブラック基調でここでもスポーティさを主張している。

見た目以上に広々としたキャビン空間を持つこともフィットの魅力。RSはシートもブラック基調となる。

【グレード選び】ハイブリッド車狙いのユーザーならば、「RS」がベストの選択

マイナーチェンジでカジュアルなキャラを売りとしていた「ネス」を廃止。それに伴いガソリン車は4タイプ設定となったが、ハイブリッド車は4タイプに加えて、スポーティな内外装と走りの味を加えて「RS」を新たに設定している。

「ベーシック」は法人需要も意識したエントリーグレード、その1つ上の「ホーム」は装備と価格のバランスを意識した実用グレードという位置づけ。

ともにフィットの本質を追求したコンパクトカーらしい仕様だが、「ベーシック」はシート地や内装加飾、装備類がややシンプルで、否応にもコストカットを意識させられてしまう。「ベーシック」に比べると約20万円高になるが、一通りの機能装備が整っている「ホーム」が無難な選択だ。

ガソリン車狙いならば、装備機能が一通り揃っている「ホーム」がオススメ。

「クロスター」は外装デザインにSUV要素をプラスした上級グレード、「リュクス」は豪華な内装仕立てで高級感も強めた最上級グレードという位置づけ。

「ホーム」と比べると装備面も上級設定になるため「クロスター」は約25万円高、「リュクス」は約35万円高となってしまうが、どちらもそのモデルではないと味わえない世界観が盛り込まれており、刺さるユーザーにはとことん刺さるグレードだ。

外装加飾にSUV風味を強めた「クロスター」。個性を強めたスタイリングは魅力十分。

本革シートが標準装着されるなど、豪華なキャビン空間が楽しめる「リュクス」。価格以上の満足感を得られるグレードだ。

そして新たに追加された「RS」は、ハイブリッド車のみに設定されるスポーティグレード。

内外装にスポーティな演出が加わることで差別化が図られているが、それ以上に違いを感じるのが走り。専用仕立てのサスチューンが採用されたことで足廻りの味付けは完全に別物。スポーティというよりも1ランク上の良質さが強まっている。

ハンドリングはもちろん、乗り心地の面でも上位設定。「ホーム」に比べると約17万円高の設定も買い得感が強い。強化されたe:HEVとの相性も良く、現行フィットのベストグレードといっていい出来栄えだ。

「RS」の走りは、他グレードと明らかに異なる。快適性や乗り心地を重視する向きにとっても魅力的な選択になるだろう。

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