
なぜSUVは人気なのか? それを理解するにはSUV発展の歴史を知るのが一番だろう。まずはSUV発祥の時代とされる1970年代から人気が確立された2000年代にかけて登場した外せないモデルたちに注目してみよう。
●まとめ:月刊自家用車編集部(ハラ)
【1970〜80年代】ピックアップトラックの発展系として誕生。SUVの原型が見えてきた時代
JEEP・チェロキー
1984年に発売された2代目ジープ・チェロキーは、日本でも大ヒットを飛ばしたことで知られる。前モデルまでの無骨なスタイルとは決別し、都会的なスタイリングを獲得。ジープ系としては初となるモノコックボディ構造も採用されていた。
JEEP・ワゴニア
1970年代に活躍したジープ・ワゴニアは、SUVの始祖の1台として知られるモデル。ラダーフレームのトラックベースにキャビンボディを載せた構造が採用されており、悪路をモノともしない堅牢さを売りとしていた
【1990年代】現在の人気SUVの初代が続々と登場
TOYOTA・RAV4
1994年に発売されたRAV4は、セリカのプラットフォームをベースに開発されたクロスオーバーSUVの先駆けとして知られるモデル。オンロード主体を想定して開発されたこともあり、クロカン系とはまったく異なる軽快な走りを売りとしていた。当時のCMでは木村拓哉が出演するなど、女性ユーザーの比率が多かったことも特徴の一つだ。
HONDA・CR-V
RAV4に遅れること1年、1995年デビューしたCR-Vは、EK系シビックをベースに開発されたホンダ初のクロスオーバーSUV。ウォークスルー構造の採用など、キャビン空間の使い勝手も意識されていた。当初は国内専売の予定だったが、北米の要望により輸出を開始し、人気を博したことでも有名だ。
TOYOTA・ハリアー
1997年にデビューしたハリアーは、カムリのシャシーをベースに開発。当初からRAV4の上を狙った上級SUVを志向しており、エンジンは2.2ℓ直4と3ℓV6を搭載。内装も木目調パネルやレザー素材で加飾されるなど、豪華さも大きな売りとしていた。このモデルの成功により、SUVに国内外メーカーが本格参入を決意したことでも知られている。
SUBARU・フォレスター
インプレッサをベースに開発された初代フォレスターは、モノコックボディ構造を採用しながらも、シンメトリカルAWDを搭載。同時代のクロスオーバー系とは異なり、オフロード走行も考慮した設計が与えられていた。またターボエンジン車を設定していたことも特徴の一つだ。
【2000年代】世界的に広がるSUV人気。海外メーカーもクロスオーバー系に本格参入を開始
メルセデスベンツ・Mクラス
1997年に発売されたMクラスは、乗用車系クロスオーバーSUVとしては初となるモデル。北米市場をメインターゲットにしていたこともあり、アメリカ工場が生産を担当したが、他のメルセデスベンツとは異なる素材や製法が用いられたこともあり、目のこえたユーザーから品質面で酷評されたこともあった。日本では1998年に導入、2005年まで販売されていた。
BMW・X5
2000年に発売されたBMW初となるクロスオーバーSUV。当初から走りの質感を売りとしており、サスペンションチューンの巧みさに加えて、3ℓ直6車に加えて、4.4ℓV8車も設定(のちに4.8ℓ車も設定)。走りも楽しめるSUVとして人気を博した。ちなみに当時のBMWは、SUVではなくSAV(Sports Activity Vehicle)とも称していた。
PORSCHE・カイエン
2002年にデビューした、ポルシェ初となるクロスオーバーSUV。VWとの共同開発モデルでプラットフォームはVWトゥアレグと同様のFF車ベースを採用。ただし、エンジンや足回り、ボディ強化などは、ポルシェ独自のパーツが用いられている。ポルシェが作ったSUVとして登場直後から人気を集め、日本国内はもちろん、世界的に多くのバックオーダーを集めたことも有名だ。
【2010年代】プレミアムブランドの参入が本格化。大戦国時代に突入
BENTLEY・ベンテイガ
2016年に発表されたベントレー初となるプレミアムSUV。ベントレーらしい豪華キャビンに加え、開発時には南アフリカやドバイなど世界有数の過酷な状況でのテストを実施するなど、走りに関しても徹底的な煮詰めを行っている。パワートレーンは6ℓW12ツインターボエンジンを搭載。公表スペックは608PS/900Nmと圧倒的なパフォーマンスを発揮する。
VOLVO・XC90
2016年に発売された2代目XC90は、ボディやシャシー、サスペンション、内外装にいたるまで全てが新設計されたボルボの新世代モデル。パワートレーンも純ガソリン車のほか、PHEV車を設定するなど、新世代技術が惜しみなく投入されている。
LEXUS・RX
2015年に発売された現行RXは、4代目にして初めてレクサス専売として発売されたモデル。先代に比べて車格感が大幅に向上しており、人気も上昇。ハリアーとは明らかに違う、レクサスのプレミアムSUVとして認知されている。。日本仕様車は2ℓ直4ターボ車と3.5ℓV6+モーターのハイブリッド車を設定。先進安全装備などの充実ぶりも見所。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(SUV)
マット調のブラックカラーとブラック加飾で、特別感を演出 「THE LIMITED-MATTE METAL」は、2.5Lプラグインハイブリッドシステムを搭載するエステートRSをベースに、ブラックカラーと[…]
1989年「レクサス」誕生。最初は「LS」と「ES」の2本立て レクサスの最初の商品は、日本では初代セルシオとして販売されたLSと、カムリのV6エンジン車、プロミネントがベースのES。LSの完成度と比[…]
グレード体系を再編。従来モデルに設定があったSグレードが廃止 今回実施される一部改良では、トヨタセーフティセンスの機能強化や、ステアリングヒーター、シートヒーター(運転席・助手席)を全グレードで標準化[…]
【1990 ランドクルーザープラド70系】廉価かつ高性能を両立したベーシック4WDへ 1985年にヘビーデューティのランドクルーザー70系に追加された4気筒専用ショートボディのワゴンがプラドのルーツ。[…]
新開発のターボ+48Vモーターを組み合わせた最新ハイブリッドを採用 2015年の国内導入、ジープブランドのコンパクトSUVとして発売されているレネゲード。これまでの国内累計販売台数は2万7000台を超[…]
人気記事ランキング(全体)
ドリンクホルダーを拡張できる便利アイテムを発見 筆者はいつもコーヒーや炭酸飲料などが好きで、ほぼ毎日のように飲んでいる。ドライブ中にも眠気覚まし的によく愛飲している。車にはドリンクホルダーがいくつか設[…]
ワゴンのように使えるキャンピングカー Camper-Rの最大の特長は、キャンピングカーでありながらワゴン車のような自然な使い勝手を持つ点にある。乗車定員は5名で、セカンドシートには柔らかなボディホール[…]
救急車ベースという新発想──バンコンの常識を超える室内高 「ヤアズ」のベース車両は、日産NV350キャラバンのスーパーハイルーフ・スーパーロング・ワイドボディ仕様。もともとは救急車として使用される特別[…]
ベース車はホンダ N-VAN e: ! 大空間が魅力のEV軽キャンパーだ 今回紹介する軽キャンピングカーは岡モータース(香川県高松市)のオリジナルモデル、ミニチュアシマウザーCP。ジャパン[…]
ホイールに付いた黒い頑固な汚れの原因はブレーキダスト 新車で購入した際はピカピカだった自慢のホイール。しかし、時を経てよく見てみると、黒い汚れが固着しているのに気づく。洗車しても全然落ちないほど頑固な[…]
最新の投稿記事(全体)
マット調のブラックカラーとブラック加飾で、特別感を演出 「THE LIMITED-MATTE METAL」は、2.5Lプラグインハイブリッドシステムを搭載するエステートRSをベースに、ブラックカラーと[…]
救急車ベースという新発想──バンコンの常識を超える室内高 「ヤアズ」のベース車両は、日産NV350キャラバンのスーパーハイルーフ・スーパーロング・ワイドボディ仕様。もともとは救急車として使用される特別[…]
初期のCVTは、駆動プーリーのみで変速比幅は狭かった ベルトやチェーンで動力を伝達する方法は古くから行われていた。この方式で変速までも行おうと考案されたのがCVTだ。 オランダのDAF社は1959年、[…]
ドリンクホルダーを拡張できる便利アイテムを発見 筆者はいつもコーヒーや炭酸飲料などが好きで、ほぼ毎日のように飲んでいる。ドライブ中にも眠気覚まし的によく愛飲している。車にはドリンクホルダーがいくつか設[…]
トヨタの水素技術とインフラの継続的な開発を担う、重要なキーモデル トヨタは「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」とカーボンニュートラル社会の実現を目指し、これまで日本のスーパー耐久シリ[…]
- 1
- 2