
来たる秋商戦で注目してみたい「性能」と「コスパ」に優れるモデルをピックアップ。ここで取り上げるホンダ・ZR-Vは、走りと実用機能を高いレベルで併せ持つことで大きな注目を集めているモデル。ミドルSUVを検討しているユーザーにとって、クルマ選びの選択肢から外すことができない1台だ。
●まとめ:月刊自家用車編集部
【購入テクニック】オーダー殺到の影響で納期は長め。商談は同士競合が効果的
グレード | 車両価格(2WD/4WD) |
X | 293万2600円/315万2600円 |
e:HEV X | 328万2400円/350万2400円 |
Z | 353万2100円/375万2100円 |
e:HEV Z | 388万3000円/410万3000円 |
ホンダ
ZR-V
価格:293万2600~410万3000円
納期の目安:6か月以上
車両本体目標値引き額:20万円
リセール予想:B
今年4月後半からデリバリーが始まったが、4月~7月の合計登録台数は6257台。実質、3か月の月平均は2000台を少し超える程度。期待のニューモデルの割には低調な数字だが、これは人気云々というよりも生産体制の影響によるもの。実際、昨年9月から今年4月までの先行予約期間で3万台を超える予約受注を集めており、その受注の大半がまだ消化できていないことになる。これから商談を進める場合の納期は、現時点ではガソリン車が1年、ハイブリッドのe:HEV車が半年程度が目安になる。
商談時の競合相手としては、受注殺到の影響もあって、エクストレイルやハリヤー、CX-60などのライバル社のモデルとの競合は少し効果薄。むしろ「ホンダ同士の競合」に強く反応する状態だ。同地域の経営資本が異なるホンダ販売店を噛み合わせるのが良い。この秋商戦では、納期の遅れを値引きでカバーという流れも強まりそうだ。
【グレード選び】ターボ車も相性抜群だが、e:HEV車はそれ以上。コスパ優先なら実用装備に徹した「X」にナビをプラスすればOK
ZR-Vに設定されるグレードは、1.5Lターボ搭載のガソリン車が2タイプ、2Lのe:HEV(ハイブリッド)搭載が2タイプの合計4タイプが用意されている。
まず最初に決めるべきはパワートレーン。1.5Lターボ車は、ターボ特有の伸びやかな加速フィールが楽しめるスポーティな味付け。抜群のハンドリング性能とフットワークの良さを売りにするZR-Vとのキャラは合っているが、e:HEV車はそれ以上に相性が良い。電動駆動ならではの反応性の良さや力強さはミドルSUVの中でもトップクラス。さらに高速走行時にはエンジン直動状態に切り替わるため、ハイブリッド車特有の高速走行時の燃費の落ち込みも少ないメリットがある。ターボ車とe:HEV車の価格差は35万円ほどになるが、ZR-Vの走りの魅力をより堪能できるのはe:HEV車だ。
「X」と「Z」の違いは上級装備の違い。具体的にZには、シート地が本革に変更され、上級LEDヘッドライト、パワーテールゲート、ホンダコネクトディスプレイ(ナビ機能付)、BOSEプレミアムサウンドシステムなどが標準装着される。XとZの価格差は60万円ほど変わってくるので、これくらいの装備差があって当然だが、必須のホンダコネクトディスプレイ(OP価格29万2600円〜)を付けた状態で比べると、実質価格差は30万円ほど。上級内装と装備にこだわりが無ければXがベストバイだが、Zも割高とはいえない設定だ。
ナビ機能も備えるホンダコネクトディスプレイ。XはOP、Zは標準装備となる。
【モデル概要】見た目はスポーティ色が強いが、中身は生真面目に造られた実用車
シビック系プラットフォームから開発されたモデルであり、車種体系としてはCR-Vの実質的な後継モデル。キャラはCR-V以上にスポーティ&スペシャリティ志向となったが、実用SUVとしてのキャビン機能もしっかりと備わっている。
パワートレーンは1.5Lターボ/CVTと、2Lのe:HEV(シリーズ/パラレル)の2タイプ。e:HEVが上位設定になるが、加速感のキレのよさが身上のターボと、トルクに乗せた力強さのe:HEVという具合にパワーフィールのキャラが異なるのも特徴のひとつになっている。
フットワークは高い重心や重い車重をストロークで往なすように受け止めるしなやかさが印象的。神経質な反応や挙動が少なく思ったラインに乗せやすいハンドリングもあって、乗り心地とファントゥドライブのバランスの良さも、ZR-Vの売りとなる個性のひとつになっている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ)
走りへの期待を高める特別な内外装を採用 ヴェゼル e:HEV RSは、「URBAN SPORT VEZEL(アーバン スポーツ ヴェゼル)」をグランドコンセプトに、デザインと走りのスポーティーさを追求[…]
大人が手にする秘密基地 N-VAN コンポの最大の魅力は、まるで子供の頃に夢見た秘密基地を現実にしたような空間にある。助手席側の大開口部とフラットな床が生み出す自由度は抜群で、サイドオーニングを展開す[…]
プロポーショニングバルブの開発で、ブレーキ液圧を適正に制御 クルマは様々な要因で荷重変化が起こり、それによってタイヤの接地性が変化し、制動力が左右される。これを防ぐために開発されたのが前後のブレーキ液[…]
充電・給電アクセサリーもラインナップ 「N-ONE e:」用純正アクセサリーは、EVのある生活をさらに便利で快適にする「充電・給電」アイテム、オーナーの個性を表現する「エクステリア」と「インテリア」の[…]
リサイクルアクリル樹脂素材の採用でCO2排出量削減と環境負荷低減 ホンダアクセスから、自動車用品業界として初めて、サステナブルマテリアルであるリサイクルアクリル樹脂素材を採用したN-ONE e:用純正[…]
最新の関連記事(カー用品)
見た目では用途がわかりにくい、意外性のあるカー用品 世の中には多種多様のカー用品があり、奇抜なものから思わずおっと唸ってしまうようなアイテムがたくさんある。カー用品のお店やECサイトでカーグッズを探っ[…]
充電・給電アクセサリーもラインナップ 「N-ONE e:」用純正アクセサリーは、EVのある生活をさらに便利で快適にする「充電・給電」アイテム、オーナーの個性を表現する「エクステリア」と「インテリア」の[…]
リサイクルアクリル樹脂素材の採用でCO2排出量削減と環境負荷低減 ホンダアクセスから、自動車用品業界として初めて、サステナブルマテリアルであるリサイクルアクリル樹脂素材を採用したN-ONE e:用純正[…]
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
ワンタッチでスマホの脱着が可能。フレキシブルアームで自由度高し! 車載アクセサリーの世界に新たな選択肢が登場した。サンワサプライが発売した「200-CAR121」は、MagSafe対応の強力マグネット[…]
人気記事ランキング(全体)
見た目では用途がわかりにくい、意外性のあるカー用品 世の中には多種多様のカー用品があり、奇抜なものから思わずおっと唸ってしまうようなアイテムがたくさんある。カー用品のお店やECサイトでカーグッズを探っ[…]
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
大人が手にする秘密基地 N-VAN コンポの最大の魅力は、まるで子供の頃に夢見た秘密基地を現実にしたような空間にある。助手席側の大開口部とフラットな床が生み出す自由度は抜群で、サイドオーニングを展開す[…]
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
日本車が手本とした、美を優先する伊デザイン。その代表が117クーペ 日本において、商品のデザインが売れ行きを大きく左右することに最初に気づいたのは、松下電器器具製作所(後の松下電器産業、現パナソニック[…]
最新の投稿記事(全体)
デリカのDNA&魅力が軽モデルに凝縮 新型デリカミニは、デリカの名にふさわしいタフなデザインと、軽自動車の枠を超えた快適な走行性能、先進の安全技術を兼ね備えているスーパーハイト軽ワゴン。 コンセプトは[…]
構造用接着剤を延長し剛性を強化、より過酷な走行環境に対応 今回実施される改良では、スーパー耐久シリーズ参戦で得た学びを活かし、さらなる過酷な環境での走行に耐えるため、基本性能の向上に重点を置いている。[…]
走りへの期待を高める特別な内外装を採用 ヴェゼル e:HEV RSは、「URBAN SPORT VEZEL(アーバン スポーツ ヴェゼル)」をグランドコンセプトに、デザインと走りのスポーティーさを追求[…]
車内を快適に! カーエアコンの正しい使い方とは? 車内を快適な温度に保つために必要な、カーエアコンの正しい使い方を4つのポイントから見ていこう。 まずひとつ目のポイントは、カーエアコンの起動タイミング[…]
初期型 NA6CE(1989年) 未知の需要に果敢に挑戦して大ヒットを記録 初代ロードスターこと、「ユーノス・ロードスター(NA系)」が発売されたのは1989年です。年号が昭和から平成に切り替わった年[…]
- 1
- 2