トヨタ、水素エンジン技術の実用化を目指して、オーストラリアの公道で走行実証を実施。期間は2023年10月から2024年1月までの約4か月を予定

トヨタは、2023年シーズンの「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE」に、液体水素で走行する「#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」(水素エンジンカローラ)で参戦しているが、そのレース活動で得た水素エンジン技術や知見が注がれた水素エンジンハイエースの走行実証を、オーストラリアで開始することを発表した。

●まとめ:月刊自家用車編集部

現地の事業会社が、水素エンジン搭載のハイエースを約4か月間運行

今年5月に開催された「第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」で初参戦した水素エンジンカローラは、レース経験を重ねるごとに進化を遂げており、11月11日、12日に行われる最終戦「第7戦 S耐ファイナル 富士4時間レースwithフジニックフェス」においても、最新仕様の車両を投入。すでに2024年シーズンにも参戦することを表明している。

この水素エンジン技術を将来の実用化に向けてさらに鍛えるため、水素エンジンを搭載する商用ハイエースを用いた走行実証が、オーストラリアの公道で行われている。

走行実証を行う期間は、2023年10月23日から2024年1月までの約4か月間で、オーストラリア・メルボルン近郊の公道で実施。ハイエースをベースとした水素エンジン搭載仕様に変更した車両(気体水素搭載)1台が、現地の建設会社、警備会社が運行し、走行実証が行われる。

これまで水素エンジン技術は、スーパー耐久シリーズを通して、厳しい環境でも走行できる耐久性や、水素燃焼技術、異常燃焼の制御、水素の安全性などを確認してきたが、今回実施される公道での走行立証では、一般ユーザーの使い方に近い使用環境下での実用性や運転操作性、耐久性などが確認される。ユーザー視点により近い条件で検証が行われることで、将来の水素エンジン車の実用化に向けてのステップがさらに一段階進むことになる。

レース毎に進化する水素エンジンカローラは、液体水素ポンプの昇圧性能と耐久性の向上により、ガソリンエンジンおよび気体水素搭載時と同等レベルの出力を実現。航続距離は、5月の24時間レースでは1回の給水素で走行できる距離は16週だったが、最終戦では20周が目標。車両重量も、タンクや高圧部水素系部品などの改良により「第4戦 スーパー耐久レースinオートポリス」の1910kgから1860kgに軽量化している。

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