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4月18日に発売開始したトヨタ・ランドクルーザー250と、その翌日に国内仕様車の概要を発表したレクサスGX。ともに早くも入手困難なモデルになってしまったが、本格クロカン4WDを求めるユーザーにとっては、諦めるには惜しいほどの実力車であるのは間違いない。ここでは両モデルの特徴とその違い、オススメグレードなどをお伝えしよう。
●まとめ:月刊自家用車編集部
250は従来よりも車格が上昇、もはやベーシッククロカンにあらず
プラドの実質的な後継モデルになるランドクルーザー250(以下250)は、パワートレーン設定だけを抜き出すと、ランドクルーザー300(以下300)のダウンサイジング仕様といえるが、走破メカニズムや装備機能は従来よりも上級寄りに設計されており、さらにボディ寸法も端数程度の差(250の全長は4925mm、300は4965mm〜)しかない。
外観にスポーツカジュアルなデザインを採用したこともあって、タフで力強さを大きく主張する300との違いは明確だが、実質的な車格もプラド時代よりも大きく上がったと解釈してもいい。
左がランドクルーザー250、右がレクサスGX。基本的なボディシルエットやプラットフォームは共有関係にあるが、GXはレクサス独自の骨格強化が与えられるなど、1クラス上のクロカン4WDに仕立てられている。
一方、レクサスGXは、300とレクサスLXの関係と同じように、単なる内外装を豪華にしたモデルではなく、制振遮音性を強化した車体設計や上級走行ハードウェアを採用することで、走りの魅力を高めていることが見逃せない。
特にパワートレーンは、3.5LのV6ツインターボ(353PS/66.3kg・m)を採用するなど、GX550の車名が示すとおり、5L超級の動力性能を持つ。250のパワートレーン、ガソリン車は2.7LのNAエンジン(163ps/25.1kg・m)、ディーゼル車は2.8Lのディーゼルターボ(204ps/51.0kg・m)と比べると、圧倒的な違いがある。現時点で唯一導入されている「GX550“OVERTRAIL+”」には、車体制御機能も前後のスタビライザーを電子制御し、必要に応じて切り離すことで大きなサスストロークを確保するE-KDSSが採用されるなど、悪路走破機能でも250をリードしている。
左がランドクルーザー250、右がレクサスGX。250の加飾レベルも質感十分だが、GXはそれ以上。センターコンソールに収まるディスプレイサイズも250が12.3インチ(ZX)、GXが14インチになる。
GXのレギュラーモデルは秋からの発売になり、いま購入できるのは100台だけ用意されるローンチモデル「GX550 ”OVERTRAIL+”」のみとなるため、少し比較が難しいのだが、オフローダー最高峰の悪路性能とキャビン実用性をコスパで図るならランドクルーザー250、オンロードも含めた快適かつスポーティな走りを楽しみたいならレクサスGXが優位だ。
左がランドクルーザー250、右がレクサスGX。250もGXも、ラダーフレームのGA-Fプラットフォームを採用することでタフなモデルに仕立てられているが、パワートレーンの違いや、ボディや骨格強化などにより、純粋なオフロード性能でもGXは1ランク上のモデルに仕立てられている。
ランドクルーザー250 | グレード | 価格【駆動方式】 |
2.7L直列4気筒ガソリン 163ps/25.1kg・m | VX | 545万円【4WD】 |
2.8L直4気筒ディーゼルターボ 204ps/51.0kg・m | GX | 520万円【4WD】 |
VX | 630万円【4WD】 | |
ZX | 735万円【4WD】 |
レクサスGX | グレード【トランスミッション】 | 価格【駆動方式】 |
3.5L V6DOHCツインターボ (353PS/66.3kg・m) | GX550“OVERTRAIL+”【10速AT】 | 1235万円【4WD】 |
販売店によって売り方はマチマチ、本気で欲しいならば複数店舗に問い合わせを
この春に250とGXの購入を検討するならば、現実的には250が一択。GXは100台のみのローンチモデルだけで、1235万円もの価格もさることながら、抽選をくぐり抜けて商談の場に付けるかどうかも怪しいところ。それに比べると、250は導入記念モデル“First Edition”も含めて、即日完売という販売店もあるようだが、まだ販売枠に余裕があり、注文の列(来週半ばころまで受け付けて、抽選というケースが多い)に並べるケースも見受けられる。250を本気で欲しいならば、複数の販売店を巡ってみる価値はある。
また、トヨタが進めているサブスクサービス「KINTO」なら、比較的納期が早め(納期目処:5~8ヶ月程度と公式ページで告知)になっている。早さを優先するならば検討する価値は十分高い。
「KINTO」は、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなど、カーライフにかかる諸費用を含めた月々定額の利用料を支払うことで、車両を利用できるサービス。通常の購入方法と同じようにグレードやオプション等も選ぶことが可能だ。https://kinto-jp.com/kinto_one/lineup/toyota/landcruiser250/
価格は高くなるが、動力性能に秀でるディーゼル車を優先に選びたい
まず250のグレードを選ぶ時に悩ましいのが、ガソリン車とディーゼル車の選び分けだ。
250のガソリン車は中間グレードのVXの1グレードのみで価格は545万円。装備と価格のバランスが良く手頃だが、2.4t前後の車両重量に対して、2.7Lガソリンエンジンのスペック(163ps/25.1kg・m)は余裕がない。重たい車両重量や本格クロカン車としての使い方を考えるなら、価格は85万円ほど高くなってしまうが、やはり分厚いトルクが頼もしい2.8Lディーゼルターボ(204ps/51.0kg・m)を選ぶのが極めて自然。グレードも3タイプ用意されるなど、ディーゼル車が圧倒的に選びやすい。
最廉価のGX(ディーゼル・520万円)は、実用機能に徹したスパルタンな仕様。オフロードの道具として求めるユーザーにはシンプルベストだが、装備内容に物足りなさを感じてしまう。装備の簡略化だけでなくシートが2列仕様になるのが難点だ。
マルチテレインモニターやSDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)など最新の悪路走行向け機能が充実するZX(ディーゼル・735万円)は、単に加飾が豪華という理由だけではなく、走行性能面でも上級仕様でクロカン走行を好むユーザーにとっても魅力的だが、そのぶん価格も高価になってしまう。
ディスプレイオーディオプラスの仕様やモニターサイズ(12.3インチ→8インチ)が異なり、スピードメーターの仕様(12.3インチカラー液晶→7インチカラー液晶)が変わってしまうが、一通りの装備機能が備わっているVX(ディーゼル・630万円)が最も買い得なグレードだ。
導入記念モデルとして設定された“First Edition”は、ZXもしくはVXをベースに特別な装備がプラスされた、合計8000台限定の特別仕様のメモリアルモデル。すでに完売している販売店も多いが、追加された装備内容に対して価格アップが少なく、買い得感はかなり高い。間に合うならば積極的に狙いたい一台だ。
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