レヴォーグは高性能2.4Lターボも選べるが、3モデルの主力エンジンは、いずれも最新設計の1.8Lターボを採用
アウトバックもレヴォーグ/レイバックも、第2世代のSGPプラットフォームや設計の新しい1.8Lターボが採用されているなど、メカニズムや設計面で共通点が多いが、走りの個性や方向性は異なっており、ここが最大の選び分けのポイントになっている。
3モデルに搭載されている1.8Lターボは、低中速域の伸び感を重視した最新ダウンサイジングターボでありながら、それでいて高速巡航でのパワーフィールも良好。レヴォーグで選べる2.4Lターボほどの圧倒的な加速は楽しめないが、高速走行時のコントロール性にも優れており、万人にオススメできる優れたユニットだ。
アウトバックはSUVゆえに重量が少し重く、さらに重心が高めになるため、レヴォーグ/レイバックのほうが、オンロードの走行安定性や加速性能は若干優れているが、重量の重みが乗り心地面では良い方向に作用しており、落ち着きのある走りを求める向きには、アウトバックの方が好みというユーザーも多いだろう。
レヴォーグは、動力性能に秀でる2.4Lターボ車が選べることが強みになっているが、燃費を含めたバランスの良さは1.8Lターボ車の方が上。またサスも標準サス仕様と電制サス仕様が選べるが、ドライブモードで硬さを変化できる電制サスの方が調整の幅が広い。その分、価格が高くなるのはネックだが、走りにこだわるユーザーにとって、スバルの電制サスは見逃せない装備といえる。
ちなみに標準サス車は、アウトバックに比べると乗り心地は少し硬め。ただ、スポーティさを重視するユーザーは、こちらの方がしっくりくるという人もいるだろう。
レイバックは、標準サス車しか選べないが、レヴォーグの標準サス車よりも乗り心地重視のセッティングで、3モデルの中では最もバランスが良い。最低地上高が上がったことで、レヴォーグよりも悪路踏破性が高いこともオススメできる理由のひとつ。
北米では2.4L車が主力を担うが、国内仕様車にはレヴォーグやフォレスターに搭載されている1.8Lターボが組み合わされる。悪路走破性を高めるX-MODEが装着されるなど、オフロードを意識したメカニズムも採用されていることも強み。
また、いずれのモデルもスバル独自のシンメトリカルAWDを採用することで常時四輪駆動を実現しているが、アウトバックは悪路での走破性を高める駆動制御システム「X-MODE」も備えることで、泥道や雪道などの滑りやすい路面での追従性を高めている。レイバックは最低地上高を200mmとすることで、オフロード適性を高めているが、スポーツワゴンのレヴォーグは他の2モデルに比べると、走れるステージの幅は狭めだ。
先代は1.6Lターボ車と2Lターボ車を選ぶことができたが、現行レヴォーグは1.8Lターボ車(177PS/30.6kg・m)と2.4Lターボ車(275PS/38.2kg・m)を選ぶことができる。主力の1.8Lターボは、ダウンサイジングターボらしい低中速域での扱いやすさを重視したユニット。STI系限定になるが電子制御サスペンションも採用していることも他モデルとの違い。
ちなみに安全運転支援機能「アイサイト」は、3モデルともステレオカメラ+ミリ派レーダー併用タイプに進化。さらにより高度な操舵支援と渋滞時ハンズオフ走行まで対応する「アイサイトX」にも対応している。安全分野に関しては国産車トップレベルの性能が与えられていることも魅力のひとつだ。
スバルのトップレベルの装備&機能が出し惜しみなし!
レガシィの流れを汲むアウトバックの方が少し車格は上になるが、3モデルともプレミアムを名乗るにふさわしい実力を持つ。アイサイトXまでカバーする安全運転支援機能はもちろんのこと、タブレット感覚で操作が可能な11.6インチディスプレイの車載ITシステムや、ナビのルート案内にも対応している12.3インチカラー液晶メーターなど、スバル車トップレベルの最新装備が盛り込まれている。
アウトバックとレヴォーグ、レヴォーグ レイバックのアイサイトは、ステレオカメラにミリ波レーダー/周辺ソナーを組み合わせた最新型。ハンズオフ運転まで対応するアイサイトXも全モデル、全グレードに採用されている。
装備機能の違いは、主にSUV、スポーツワゴンというカテゴリー特有の装備に絞られる。アウトバックは悪路走破性能を高めるX-MODE、レヴォーグは電子制御サス+ドライブモードセレクトなどがモデル固有の装備といえるものだ。
なお、内装パネルやトリム類、シート素材などはおのおの仕様が異なるが、価格帯が近いグレード同士で比べた場合は、ほぼ同等レベルの内容が与えられていると考えていい。
迷ってしまったら、万能タイプのレイバックを選ぶのがオススメ
価格帯は近くとも、三車三様の強みがあって、どれを選んでもハズレなし、というのが結論。ただ、それでも決めきれないというならば、乗り心地にも優れていながら、ある程度の悪路もこなしてくれるレイバックが一番できることが多い。価格も399万3000円と、性能や装備機能に対してコスパに優れていることも魅力のひとつになっている。
レイバックは、応答性に優れるハンドリング感覚と乗り心地の良さを両立するバランスの良さも持ち味。上級プレミアムにふさわしい良質な走りを楽しめる。乗り心地の良さで、奥さんや子供たちから受けが良いことも販売台数が伸びている理由のひとつ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(スバル)
後側方警戒機能を全グレードに標準装着 今回実施された改良で、ボディカラーに「シトロンイエロー・パール」が追加されたほか、「緊急時プリクラッシュステアリング」や「スバルリヤビークルディテクション」、「エ[…]
新色2カラーの追加に加えて、安全装備を大幅に引き上げ クロストレックは、コンパクトなボディに本格的なSUV性能を兼ね備え、都会からアウトドアまで幅広く使えるクロスオーバーSUV。 今回の改良では、ボデ[…]
熱い期待を受けて登場したスバル360の後継モデル 1969年8月にデビューした「R-2」のキャッチコピーは「ハードミニ」。やわらかい丸みを帯びたデザインは当時の軽自動車市場の中にあっても個性を感じさせ[…]
カーボンニュートラルの実験場としてのスーパー耐久 スーパー耐久シリーズでは、メーカーの技術開発車両による参戦のためにST-Qクラスが設けられている。これまでもGRスープラや日産フェアレディZ(RZ34[…]
静粛性の高さを強く実感。ターボは軽快さ、S:HEVは落ち着き感を重視した味付け 用意される3つのグレードは、上級かつ中心グレードとなる「Premium」、唯一のターボグレードとなる「SPORT」、アウ[…]
最新の関連記事(SUV)
欧州仕様車には、2.5Lガソリン・Mハイブリッドを搭載 CX-5は、2012年に導入されて以来、マツダの主力商品として世界100以上の国と地域で販売され、グローバル累計販売台数は450万台以上を記録す[…]
メモリアルモデルにふさわしい、特別な内外装加飾を装着 特別仕様車「“THE 70th”」は、日本の風景との調和を意識した特別なバイトーンのボディカラー(プレシャスメタル×プレシャスホワイトパールとプレ[…]
新色2カラーの追加に加えて、安全装備を大幅に引き上げ クロストレックは、コンパクトなボディに本格的なSUV性能を兼ね備え、都会からアウトドアまで幅広く使えるクロスオーバーSUV。 今回の改良では、ボデ[…]
BEVになっても、実用性に優れる美点は変わらない e VITARA(以下eビターラ)は、スズキがインドで生産し日本に輸入するSUVタイプのBEV。今後、世界各地で販売が始まるなど、スズキの世界戦略車と[…]
人気のカントリーマンDをベースに、専用ボディーカラーを採用 2023年に登場したMINI カントリーマンは、従来のモデル名だったMINI クロスオーバーから名称を変更。MINIシリーズに共通するデザイ[…]
人気記事ランキング(全体)
トラブル時にも対応可能。万が一に備えて安心ドライブ 車に乗っていると、どうしても避けられれないトラブルに遭遇することがある。どれだけ用心していても、不可抗力で発生することもある。例えば、釘やネジを踏ん[…]
ミニバンの可能性を拡張する、スマートなキャンピングカー「DAYs」 街乗りにもキャンプにも使える“ちょうどいい”サイズ感と、独自開発の回転シートやロフト空間といった遊び心ある装備。これまでのキャンピン[…]
触らず、傷つけず、瞬時に汚れが落ちちゃうなんて… 今回注目したいのは、ドライアイス洗浄機ブランド「Dry Ice Energy」の製品だ。クルマのボディに付着する汚れに向けてドライアイスを噴射すること[…]
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
初代センチュリー(VG20) 政財界のVIPにより認知度を上げていった国産ショーファーカー ショーファードリブン。後席に乗る主役のために運転手つきで運用される大型セダンは、専属の御者が操る貴族の自家用[…]
最新の投稿記事(全体)
ブリザック史上「断トツ」のICEコントロール性能を獲得 今回発表された「BLIZZAK WZ-1」は、ブリヂストンの「ENLITEN」商品設計基盤技術を乗用車用スタッドレスタイヤとして初めて採用。ブリ[…]
自動車での物流に先駆け、安価なオート三輪を開発 マツダの自動車製造の第一歩 1920 年(大正9年)、中国地方の山間部で自生していたブナ科の落葉樹「アベマキ」を使用したコルクを製造するメーカーとして、[…]
触らず、傷つけず、瞬時に汚れが落ちちゃうなんて… 今回注目したいのは、ドライアイス洗浄機ブランド「Dry Ice Energy」の製品だ。クルマのボディに付着する汚れに向けてドライアイスを噴射すること[…]
初代センチュリー(VG20) 政財界のVIPにより認知度を上げていった国産ショーファーカー ショーファードリブン。後席に乗る主役のために運転手つきで運用される大型セダンは、専属の御者が操る貴族の自家用[…]
消えゆくロータリー車を救え!部品供給と未来への挑戦 このイベントで注目となるのは、「RE Club Japan」の狙いだ。過去、日本だけでなく世界中に、ロータリー・エンジン車のオーナーのためのクラブは[…]