
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
人気の秘訣は愛らしいフォルム? みんくるとは?
みんくるの名前の由来は「みんなのくるま」「都民の車」を縮めたもので、都バスが常に都民の頼れる足として存在し続けることを願って名付けられたとのことです。
丸っこく愛らしいフォルムが魅力的なキャラクター「みんくる」(提供:東京都交通局)
そしてみんくるが誕生したきっかけは、都バスのよさを多くの人に知ってもらうため。
鉄道が通っていない地域でも都バスは運行しており、さまざまな人々に利用されていますが、もっとたくさんの人に知ってもらいたいという願いが形となって、みんくるが誕生したといいます。
ちなみにみんくるは、1999年1月18日に都バスが75周年を迎えたことを記念して一般公募が行われ、日本全国から集まった2,457点の中から、現在のデザインが選ばれました。
このデザインは都バスのフロントをデフォルメしたもので、みんくるの正面は都バスの前面を模しており、背中には小さな羽がついているのが特徴。
そこに東京都の頭文字「T」をデザインして誕生したと言われています。
横からみた「みんくる」(提供:東京都交通局)
みんくるの愛らしいデザインは、都バスを利用している人にはおなじみかもしれませんが、その素性は意外と知られていません。
東京都交通局HPの「みんくるの小部屋」によると、みんくるが都バスのキャラクターに選ばれたのは1999年7月8日ですが、この日は誕生日ではないとのこと。
気になる年齢/性別/出身地はすべて謎で、今どこに住んでいるかも明かされていません。
また、家族構成も不明で、みんくる自体が何人(匹?)いるかもわからないそうです。
都バスの壁紙ではみんくるが大勢集まって大掃除していたり、お誕生会を開いたりしている様子が描かれているため、複数人(匹?)存在していることが示唆されています。
みんくるの大きさ/重さも謎で、大きくなったり、小さくなったりできるとの噂も。
これは、都バス公式から販売されていた「ぷくぷくみんくる」というエアポップのグッズを考慮していることが窺えます。
このように謎の多い生態のみんくるですが、性格は好奇心旺盛であり、ガイドブック/バス停でお客さまの案内をしている姿は頼もしく、ときにはさりげないアイデアを提案することもあるそうです。
さらに特技は身軽に空を飛び回ることで、都バスに関しては誰も知らないような細かいことまで知り尽くしているとか。
そして好きなものは都バスと三色の団子、そしてたくさんの人に会うこととされています。
またその性格から、飛び回ることやきょろきょろすること、夕日に向かって飛んでいくことも大好きだと言われています。
なお、そんなみんくるの野望は、「いつか強くたくましい正義の味方になった自分を想像すること」だそうです。
反対にみんくるが嫌いなのは、手で追い払われることと、都バスの利用マナーを守らない人とのことで、その愛らしいフォルムの内には強い正義感を秘めています。
みんくる最大の謎は赤いアンテナのような触覚のような…もの?!で、東京都交通局のHP曰く「ものすごいパワーを秘めていそうですが、未だに誰も使われているのを見たことない」とのこと。
いつか、その存在の理由が明らかになる日も来るかもしれません。
背中に生えた軽やかな羽で、ぱたぱたと空を飛び回ることもあるんだとか(提供:東京都交通局)
ちなみに、みんくるがSNSで注目を集めている理由は、そのユニークな見た目と都バスの100周年という節目の活動が関係していると言われています。
都バスが2024年1月18日に100周年を迎えたことで、みんくるをフィーチャーした記念イベントやキャンペーンが積極的に展開され、このキャラクターの人気を後押ししました。
そうして多くの人の目に触れるようになったみんくるは、一頭身のキャラデザがかわいいとX(旧Twitter)を中心にバズり、たくさんのファンアート/手作りのフェルトぬいぐるみなどが作られています。
一躍有名になったみんくるのグッズは売り切れが続出しており、再販を望む声が多く寄せられるほどの人気を集めているようです。
このように、みんくるは東京都交通局が運営する都バスのマスコットキャラクターで、公共の顔として親しまれています。
都バスの100周年という節目にSNSで注目されるようになり、さまざまなファンメイドコンテンツが作られています。
みんくるの活動を通じて、より多くの人々に都バスのよさが知れ渡ることとなるでしょう。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(クルマ雑学)
馬車の時代から採用されていたサスペンション サスペンションを日本語にした懸架装置という言葉が長く使われていた。その名のとおり、初期のサスペンションは車輪を車体から吊すものととらえられていたのだ。 サス[…]
初期のCVTは、駆動プーリーのみで変速比幅は狭かった ベルトやチェーンで動力を伝達する方法は古くから行われていた。この方式で変速までも行おうと考案されたのがCVTだ。 オランダのDAF社は1959年、[…]
1速からはじまった変速機 世界で初めてガソリンエンジンを搭載した自動車はベンツの3輪車で、次いでダイムラーが4輪車を送り出した。ベンツのエンジンは985㏄で最高出力は0.88ps/400回転と非力なも[…]
トーイングトラクター TOYOTA L&F 2TD-25:小さくても超ヘビー! 重い理由はボディの鉄板にあり 旅客機に積み込まれる手荷物の入ったコンテナを運ぶ。これも空港での重要な仕事のひとつ[…]
トーイング・トラクター KOMATSU WT-250E:トーバーを使って旅客機を動かす 旅客機を移動するのに“トーバー”を使うのが、トーイングトラクターだ。JALのグランドハンドリング業務を担うJA[…]
人気記事ランキング(全体)
濡れ物・汚れ物も気にしない。唯一無二の「防水マルチルーム」 イゾラ最大の特徴とも言えるのが、車両後部に備えられた「防水マルチルーム」だ。これはレクビィ独自の装備であり、実用新案登録もされている。アウト[…]
規制の逆風の中、速さを誇ったREスポーツ 2ローターのロータリーエンジン(RE)を積んだコスモスポーツを世に送り出して以降、マツダはロータリー車のバリエーションを増やし、1970年代を「ロータリゼーシ[…]
フロントガラスの油膜を除去して良好な視界を確保 普段の走行で、フロントガラスには油分が付着する。これは、排気ガスなどが原因で、避けがたい現象だ。蓄積されていくと、ウォッシャー液などでは簡単には落ちず、[…]
ファミリーカーの顔と、キャンパーの実力を両立 「デッキワン」は、単なる車中泊用のクルマではない。平日はファミリーカーとして活躍し、週末はアウトドアフィールドで「動くリビング」に早変わりする。選べるルー[…]
馬車の時代から採用されていたサスペンション サスペンションを日本語にした懸架装置という言葉が長く使われていた。その名のとおり、初期のサスペンションは車輪を車体から吊すものととらえられていたのだ。 サス[…]
最新の投稿記事(全体)
最新版CarPlay・Android Autoに対応するワイヤレスアダプター スマホと連携して、様々なサービスを使用できるディスプレイオーディオ、接続には大きく分けて、ケーブルを利用する場合とワイヤレ[…]
“遊び心”を忘れない。大人のための軽キャンパー「Chippy」が切り拓く、新しい車中泊スタイル 「車中泊はあくまで手段」と語るコンセプトのもと、Chippyは単なる寝る場所ではなく、“遊ぶためのベース[…]
調光機能付プライバシーガラスに「半透明」モードを追加 今回実施された一部改良では、サスペンションをチューニングすることで乗り心地を向上させたほか、リヤドアガラス・リヤクォーターガラスの調光機能付プライ[…]
電動パワートレーンを採用したアルファの新エントリーモデル スポーツマインドをくすぐる流麗なエクステリア 今回導入されるアルファロメオ「ジュニア」は、スポーツカーの精神を受け継ぐコンパクトSUV。車名の[…]
ディーゼルターボにも新開発ハイブリッドを搭載。燃費性能が大きく向上 アウディA5/A5アバントシリーズは、初代発売から30年を超えてベストセラーとなっているアウディA4の成功の歴史を引き継ぐ新しいモデ[…]
- 1
- 2