![[絶対ダメ!] 灼熱の夏シーズン、60℃に迫るクルマの車内に置きっぱなしNGなモノは?](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2024/07/TOP-2.jpg?v=1720595460)
夏場の車内温度は、多くの人が想像する以上に高温になります。JAFが行った真夏の車内温度の変化に関するテストによると、外気温35℃の炎天下に置かれたクルマの車内温度は、60℃近くまで上昇するそうです。また車内の温度は、クルマの色/材質/駐車場の環境によっても上昇具合が異なり、たとえば黒/紺色などの濃色のクルマは、白/薄い色のクルマに比べて熱を吸収しやすく、内部の温度が高くなる傾向があります。つまり夏場の車内は、人体にとって危険な温度域に達しやすいということ。車内に置かれた荷物にも大きな影響を与えますが、放置すると危険なものとして、どのようなものが挙げられるのでしょうか?
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
スプレー缶:消臭剤や虫除け剤などは爆発も
夏場の車内でもっとも注意が必要なものとして、スプレー缶/缶入り飲料などの密閉容器が挙げられます。
ヘアスプレー/制汗剤/虫除けスプレーなどの日用品や、塗装用スプレー/潤滑油スプレーといったDIY用品などは、日常的に使用する機会が多いため、ついつい車内に置き忘れてしまいがち。
しかし、スプレー缶は高温になると内部の圧力が上昇し、最悪の場合爆発する危険性も。可燃性のガスを含むものも多いため、火災の原因にもなりかねません。
実際に、駐車中の車内でスプレー缶が爆発し、窓ガラスが割れるなどの事故が報告されています。
また、缶入り飲料も同様のリスクが。とくに炭酸飲料は、内部の二酸化炭素が膨張して缶が破裂するおそれがあります。
ちなみに、ペットボトル入りの飲料も、高温で変形/破裂したり、内容物が劣化したりすることがあるため要注意。
制汗剤や殺虫剤といったスプレー類は、高温は厳禁。真夏の車内に放置しておくと爆発する可能性もあるぞ。
ガスボンベ:BBQ&キャンプで大活躍も、車内放置は厳禁
ライターやガスボンベなども、高温環境下に放置するのはとても危険です。これらは可燃性ガスを含んでおり、車内の高温によって爆発や火災を引き起こす可能性があります。
使い捨てのライターは忘れやすく、ダッシュボードの上や座席の隙間に落ちているのを放置してしまうケースも多いでしょう。キャンプなどで使用される小型のガスボンベも車内に置き忘れやすいので、クルマから降りる際は必ず確認することが大切です。
ちなみに事故防止の観点から、車内に消毒用のアルコールを放置するのもNGです。アルコールは温度上昇によって蒸発するため、たばこの火や静電気などの小さな火種でも引火事故を起こす可能性があります。
スマホ/ノートパソコン:バッテリー膨張→発火のコンボも
また夏場の車内は、スマートフォン/タブレット/ノートパソコンなどの電子機器にとっても過酷な環境といえます。
これらの電子機器は、0~35℃程度の温度範囲での使用を想定して設計されているのが一般的ですが、真夏の車内温度は60℃以上に達するなど、電子機器の許容範囲を大きく超えてしまう可能性が高いです。
高温環境下では電子部品の劣化が急速に進行し、バッテリーの膨張や液晶画面の損傷などの問題が発生する可能性があります。とくにスマートフォンやモバイルバッテリーなどに搭載されているリチウムイオン電池は、熱に弱く、高温環境下で膨張や変形が起こりやすいです。
最悪の場合、発火や爆発につながる可能性があり、車内に放置されたスマートフォンが発火し、車両火災を引き起こした事例も報告されています。
モバイルバッテリー等に内蔵されているリチウムイオン電池が膨張し、発火/爆発する可能性はゼロではない。
そのほか、ポータブルゲーム機やデジタルカメラなども注意が必要です。
これらの機器は、内部に精密な電子部品やレンズを使用しているため、高温による影響で機器の性能が低下したり、故障したりする可能性があります。
また、USBメモリやポータブルハードディスクなどの記録媒体も同様で、データの破損や読み取り不能になるおそれがあります。大切な機器を守るためにも、車内に放置しないよう心がけましょう。
子ども&ペット:短時間でも置き去りは絶対に厳禁
そして、子どもやペットを置き去りにすることは絶対に避けるべきです。
子どもは体温調節機能が未発達なため、「短時間だから大丈夫」という気持ちで車内に残していくと、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。
また、ペットも車内放置の被害者となりやすい存在です。
犬や猫は、汗腺が少なく体温調節が難しいため、人間以上に熱中症のリスクが高いと言われています。JAFによって行われたテストでは、窓を開けたりサンシェードを装着したりしても、温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度まで上昇するという結果が発表されました。
最悪の場合、死亡事故につながる可能性もあるため、炎天下の車内に子ども/高齢者/ペットは置き去りにしないようにしましょう。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(クルマ雑学)
車内を快適に! カーエアコンの正しい使い方とは? 車内を快適な温度に保つために必要な、カーエアコンの正しい使い方を4つのポイントから見ていこう。 まずひとつ目のポイントは、カーエアコンの起動タイミング[…]
最初期のヘッドライトは、灯油を燃やすランプ式 クルマにヘッドライトが装着され出したのは1890年頃です。初期の頃は灯油を燃やして光源としていました。その後明るさを高めたアセチレンガスを燃料としたランプ[…]
圧倒的な高性能ぶりでライバルを圧倒したN360だが、当時の世評は世知辛くて…… 1967年春にホンダが発売した軽自動車のN360は、レースでの活躍ですでに世界に名を轟かせていた同社の2輪車用をベースと[…]
FFミニの成功は車体レイアウトの先進性とバーフィールド型ジョイントの開発が大きな要因であった ミニの誕生には、革新的レイアウトが驚きの目をもって迎えられたことには違いないが、多くのメーカーがそれにどっ[…]
世界初のガソリンエンジン車の駆動系 最初の自動車の駆動方式はミッドシップだった 最初の自動車は前輪駆動だった。1769年、蒸気で走る世界初の3輪自動車が現れたが、前1輪を駆動するFF車だった。蒸気機関[…]
人気記事ランキング(全体)
車内を快適に! カーエアコンの正しい使い方とは? 車内を快適な温度に保つために必要な、カーエアコンの正しい使い方を4つのポイントから見ていこう。 まずひとつ目のポイントは、カーエアコンの起動タイミング[…]
見た目では用途がわかりにくい、意外性のあるカー用品 世の中には多種多様のカー用品があり、奇抜なものから思わずおっと唸ってしまうようなアイテムがたくさんある。カー用品のお店やECサイトでカーグッズを探っ[…]
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
大人が手にする秘密基地 N-VAN コンポの最大の魅力は、まるで子供の頃に夢見た秘密基地を現実にしたような空間にある。助手席側の大開口部とフラットな床が生み出す自由度は抜群で、サイドオーニングを展開す[…]
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
最新の投稿記事(全体)
2030年以降、スズキのクルマはどう変わる? 昨年2024年7月、スズキは「10年先を見据えた技術戦略」を発表している。全体の方針として「エネルギーを極小化させる技術」に注力することで、顧客への移動す[…]
最高のマイバッハを唯一無二の特別装備で、さらなる高みへ この特別仕様車は、究極のラグジュアリーを追求するメルセデス・マイバッハに大自然からインスピレーションを得た特別な要素を組み合わせていることが特徴[…]
エンジン&NV性能向上で、快適な移動空間を実現 新型ルークスは、デザインやキャビン空間、走行性能、使い勝手など、全方位で進化。快適な移動空間を実現するため、エンジンユニットは燃費と静粛性を改善し、さら[…]
自宅からではなく「目的地で使う」 ホンダから新たなパーソナルモビリティ「UNI-ONE」が先日発表された。これは、ジャンル的には電動車いすと同等になるが、移動先の「目的地で利用するモビリティ」として利[…]
本日9月19日、トヨタ公式の“気になるサイト”がオープンした。詳しい内容についてのアナウンスはまだないが、何といっても目を引くのは並んだ5つのエンブレム。毎日深夜0時に“新たなメッセージ”が届くという[…]
- 1
- 2