
いちど見つけてしまうと、気になって仕方がないボディのこすりキズ。だが、コンパウンドの手順を知っていれば、そんな悩みはすぐに解消、クルマ好きはもちろんのこと、普通の人にも覚えておいて欲しい正しいやり方をお教えします。
●文:オートメカニック編集部
実は擦りキズの大半は、コンパウンドで磨くだけで目立たなくなる可能性大
微粒子で研磨することでボディ表面を美しく仕上げることができるコンパウンド。プロの職人が持てる技術を注ぐカービューティの世界でも必須のアイテムのひとつだが、普通の人でもこれを上手に使うことでボディのトラブルを解決することは十分に可能。特にボディの擦りキズとコンパウンドは相性が良好で、正しい手順を知っておく意味は大いにあるだろう。
まず最初に行いたいのは、擦りキズ周辺をキレイに整えること。シャンプー洗車はもちろん、可能ならばトラップネンドを使うことで、塗装表面の鉄粉などの異物を除去したい。
もし鉄粉が残った状態のままコンパウンドで磨いてしまうと、塗膜の中に異物を押し込むことになるばかりか、コンパウンドが点状に残量して均等に磨けないなど不具合の原因となるからだ。
具体的な流れとしては、まず洗車してボディ表面に堆積した砂ボコリなどを洗い落とし、塗装面のザラつきをチェック。タバコの外装フィルムなどに指を入れてなでてみれば、塗装面の状態は明確にわかるはず。
塗装面が整ったならば、いよいよコンパウンドの出番。ただ、どれほど目の細かいコンパウンドを使うとしても、塗装を削ることに変わりはない。同じ箇所を擦るのは10回くらいを限度としてこまめに塗装面の状態を確認することが大切で、深追いは厳禁。もう少しやりたい、と感じたあたりが引き際だ。
爪先に軽く引っかかる溝や異物は、コンパウンドで磨けば除去できる
爪が軽く引っかかる程度の浅い溝や、塗装表面に付着した塗料カスなどのたいていの異物は、コンパウンドで磨き落とすことができる。
ボディ表面についている汚れや突き刺さっている異物は絶対に取り除く
洗車してボディの砂ボコリや泥汚れをきれいに落とす。
次にザラつきを処理する。ねんど状クリーナー(トラップネンド)を柔らかくなるまで練り、平らな状態に戻す。
ネンドは霧吹きで磨く面にたっぷり水を吹き付け、約30㎝四方を目安に水をかけながら滑らせていく。力を入れる必要はなし。これで汚れや鉄粉はネンドに吸着されていく。引っかかりがなくなってスーッと滑るようになればOKだ。
まず細目で、キズと平行に10回ほど磨いたら拭き取って確認
コンパウンド専用スポンジに細目のコンパウンドを小指の先くらいの量を絞り出す。
キズ溝と平行に直線的に磨いていく。
キズの部分よりやや広めに磨くようにするのがコツ。
10回ほど磨いたらネルウエスで拭き取ってキズの落ち具合を確認。
磨いて、拭き取る、の繰り返しで少しずつ磨いていく。キズや異物が目立たなくなったら一段落。やり過ぎは厳禁だ。
表面の異物が落ちたら、コンパウンドの種類をチェンジ。極細で磨いていこう
極細コンパウンドで磨いていくと、塗装や塗膜コンディションによっては研磨面全体が靄がかかったような状態になることがある。このような時は、さらに目が細かい鏡面仕上げ用の超極細コンパウンドで磨けば本来の艶が復活する。
軽い擦りキズならほぼキズ跡が目立つことはない。ただし、地金が出ているような深いキズはコンパウンドでは無理なので注意。その場合はタッチペンの活用を検討して欲しい。参考記事はこちら→https://jikayosha.jp/2024/08/14/199076/
ドアノブ周辺の擦りキズも、コンパウンドで磨き落とせる
乗車時に必然的に手をかけるドアノブ周辺は爪先が触れやすく、それが原因で無数のスジ状キズに覆われやすい。このようなドアノブ周辺のスジ状の細かなキズもコンパウンドで簡単に磨き落とすことができる。キズは浅いため最初から極細でOKだが、スポンジが入らないため指先にウエスを巻いてコンパウンドをつけ、指を押し込むように磨くといい感じだ。
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