
”登録済み未使用車”などとも呼ばれる”新古車”。そもそもどのようなクルマなのかというと、「すでにナンバーがついているが、名目上は未使用の状態」だ。ファーストオーナーはディーラーなど、自動車販売店であることが多い。今回は「よく分からないし、ちょっと不安……」という方のために”迷ったら新古車を選ぶべき人”と題して、その背中を押す理由を5つにまとめてみた。ざっくりいえば新古車は”新品同様”なケースが多く、お買い得なクルマだということは、初めに申し上げておきたい。
●文:松村 透/月刊自家用車編集部
1:ファーストオーナーであることにはこだわらない
新古車と新車の決定的な違いは、先述したようにナンバーがすでに取得済みであり、ファーストオーナーはディーラーなどの自動車販売店の名義になっている点が挙げられる。
契約後に名義変更をすることで、そのクルマのセカンドオーナーとなるのだ。
おもなデメリットとしては、初回車検の残りの日数や、名義変更時に付帯される新車時の保証期間が数日、あるいは数か月分減っているという点が挙げられる。
その他、売却時にセカンドオーナー車であることがマイナス評価となる可能性もなくはないが、コンディション等々で相殺することは十分に可能だろう。
一度登録されたがゆえ、厳密には中古車である新古車。展示用、試乗用などお店のデモカーとして使用されていた場合が該当(試乗車の場合は、走行距離がそれなりに増えていることも)。また売れ筋の”見込み発注”をした、その在庫残りのケースもある。
2:安く抑えたいけれど新車同様のクルマがいい
新古車を選ぶ最大のメリットのひとつとして挙げられるのが「費用を抑えつつ、新車同様のクルマを手に入れられること」だろう。
本来、新車登録時にかかる費用が名義変更や車庫証明の登録程度で済むケースもあるし、何より車両本体そのものを新車より安く手に入れられる可能性が高い。
ただ、新古車はいわば”掘り出しモノ”なのだ。いつでも買えるというわけでもなく、さらには希望しているモデルの新古車が売りに出されるかどうかも未知数だ。
もし、探しているタイミングで偶然見つけられたのならかなりの幸運だといえる。他の誰かに買われてしまう前に、即断即決した方がいいだろう。
新車よりも”お手頃”であることの多い新古車。ちなみに自動車公正取引協議会では、販売店の表示に対して「優良誤認の可能性がある」として、”新古車”ではなく”登録(届出)済未使用車”の名称を使用するよう定めている。
3:即納できるなら新車にはこだわらない
コロナ禍以降、最近はいくらか落ち着いてきたとはいえ、人気モデルの新車ともなれば納期が数か月〜年単位というケースも珍しくない。
しかし、新古車はすでに現車がそこにある。そのため、契約後に名義変更さえできれば10日〜半月前後で納車できてしまう。
ほぼ即納で新車同然のクルマが手に入るのだから、希望する条件と合致しているのであれば、どう考えてもお買い得なのだ。
ただ”納期が長い大人気モデル=注文に対して生産が追い付いていない状況”であるため、現時点では「大人気モデルの新古車が市場に出る確率は低い」、またはあっても「価格が高い」と認識しておいたほうがいいだろう。
新古車はナンバー取得済み、つまり(基本的には)公道を走れる状態で、お店に展示されていることが多い。ただしメーカーが”受注停止”を発表するような大人気モデルだと、お値段も高めになっている可能性が大だ。
4:ボディカラーやメーカーオプションなどにはこだわらない
新車であれば、ファーストオーナーとなる人の好みで、ボディカラーやメーカーオプションを装着することができる。
しかし、新古車は完成車両であるがゆえに、後から変更することはできない。たとえばサンルーフや本革シートなどのメーカーオプションは、後付けができないのだ。
これを新古車のデメリットとして考えるのなら、思い切って新車を選んだ方がいいかもしれない。しかし「ある程度は妥協できる」、あるいは「少しでも購入費用を安く抑えたい」というのであれば、迷わず新古車をおすすめしたい。
補足すると、ディーラーオプションであればほとんどの場合、契約時または納車後でも装着が可能だ。
メーカーオプション=工場装着品なので、すでに出荷された後の新古車では選択不可。内外装のカラーや、メーカーオプションなどをじっくり吟味し「自分仕様を極めたい! 」という人には、残念ながら新古車はおすすめできない。
5:上級グレードの新古車が見つかった
新古車であれば、当初検討していたグレードよりワンランク上のグレードが手に入る可能性もある。
デモカーとして導入/展示する場合、売れ筋のグレードやボディカラーを選択、メーカーオプションなどを装着した状態で発注されるケースも多い。
また、人気のある仕様をお店である程度先行して注文しておく、いわゆる”見込み発注”車両が余る、という場合もある。
もともとは下位グレードの新車の購入を検討していた場合、新古車であれば同じ予算でワンランク上(か、それ以上)のグレードのクルマが狙えるのだ。
繰り返しになるが新古車は”掘り出しモノであり、1点モノ”だ。それゆえライバルも多く「見つけたときが買い時」であることを、肝に銘じてほしい。
中古車同様、一点モノである新古車。なかなか即断は難しいかもしれないが、「ピン! 」とくる1台があったのなら、決めてしまうのも手だ。
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