●文:月刊自家用車編集部(ハラ)
シビックRSは、販売1か月で約2000台の受注を獲得
ホンダが9月に発売した改良型シビックの約1カ月後の販売状況を発表した。
内容としては10月20日時点で約3000台の受注を集めており、これは月当たりの販売計画500台に対して約6倍の実績。さらに今回の改良に合わせて新設定した6MT専用グレード「RS(アールエス)」が、全体の7割弱を占める約2000台の受注を集めているという。
この手の趣味性の高いスポーツモデルは、販売初期にオーダーが集中する傾向があるが、熱狂的なファンを持つタイプRがありながら、RSは好調なスタートを切ったといっていいだろう。
スポーツセダンのマニュアル市場は、ライバル不在のブルーオーシャン
ホンダは、シビックRSが評価されている理由として、「RS専用の軽量フライホイールやレブマッチシステム、足回り設計を採用したことで実現した、軽快でクルマと一体感のある走りが楽しめること」を挙げており、編集部での試乗した印象もそのとおり(試乗インプレはこちら→https://jikayosha.jp/2024/10/11/214961/)。
タイプRはサーキットも視野に入れた“リアルスポーツ”路線、RSはロングツーリングが楽しい“ファンドライブ”路線と、上手にキャラの棲み分けができていることが、マニュアルスポーツを求めるユーザー層に受け入れられたといえるだろう。
そしてもうひとつ注目したいのが、ライバル不在の現状だ。
一昔前は少ないながらも、マニュアルシフト特有のダイレクト感を楽しめるスポーツモデル(セダンやクーペなど)がそれなりにあって、新車でそれらを狙うことも容易だったのだが、2ペダル車の技術進化も手伝って、マニュアル車は世界的に絶滅危惧の危機に瀕している。
現在、マニュアル車を選べるモデルとしては、ヤリス(GRヤリスも含む)やGRスープラ、GR86(BRZ)、ロードスター、スイフトなどがあるが、程よい塩梅(性能や価格など)のスポーツモデル、特にセダン系が好みだと、選択肢は中古車で探すしかない……という状況だ。
割高な中古車を購入するのは……、貴重で希少なシビックRSの魅力が際立つ
ある意味、飢餓感いっぱいのカテゴリーに突如として登場したシビックRSは、このあたりのスポーツモデルを探しているユーザーにとっては、救世主といってもいい存在。
装備機能も上級仕立てのシビックRSの価格は419万8700円。決してお手ごろとはいえないけれど、最近の中古車相場の高騰もあって、人気モデルのマニュアル中古車はかなり割高な相場が続いている。ならばフル装備の新車で買えるシビックRSは、そういうユーザーにとっては「買い!」というわけだ。
趣味性が高いスポーツモデルのマニュアル車は、手放す時のリセールが強いことも追い風。
スポーツモデルは、3年落ちもしくは5年落ちのタイミングで手放したとしても、買い取り専門店での評価は相当高いことが予想できるし、その先の値落ちも極めて緩やかになるので、長く乗ったとしても損はしない。
走りの魅力に加えて、所有する喜びや買い得感も味わえるシビックRSは、マニュアル車を選びたいユーザーにとって、素晴らしい選択になると思う。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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