角が丸くなったり固着したりして、レンチなどでは外せなくなったナメたナット。この問題を解決してくれるツールが存在するのをご存知だろうか? アマゾンなどでも簡単に入手可能なので、困っている人は是非、参考にしてみてほしい。クルマのメンテナンスなどを自分でこなす人にとっては必須のアイテムだ。
●写真/文:オートメカニック編集部
ナメたナットを切って外すツール
角をナメてしまったナットは、外れたとしても再利用することは難しい。であれば、壊してして外す、という選択肢もある。それを可能とするツールが「ナットブレーカー」だ。ナットを緩めるのではなく、割って外すという発想だ。
クルマのマフラー回りのように熱や水分にさらされる箇所にあるナットはサビやすく、固着したり角が崩れがちで、どんなに頑張っても外れないことがよくある。そんなサビ付いたナットもこれを使えば簡単に取り除くことができる。
使い方「ボルトまで達しないよう注意しながら…」
ナットブレーカーの使い方は簡単だ。まず、丸い輪の部分をナットにはめて、本体後端のボルトを締め込んで、割刃の先をナットの平面部に密着させる。
手をはなしても倒れない程度に締め込んだら、側面にモンキーレンチをはめてしっかりと支える(下の写真を参照)。
後は本体がねじれないようしっかり支えながら、本体後端のボルトを締め込むだけ。割刃がナットに食い込んでいって内周のねじ山面まで達すると「バキッ」という音と共に、ナットが真っ二つに割れる。
割ったナットは全体に歪みを生じているため、素直には回らない。このためプライヤーで摘まんで回し取る。もちろん、ナットの再使用は不可だ。
いかがだろうか? ナメたり固着してしまったりして、外すのをあきらめていたようなナットも、このツールがあれば確実に外すことができるだろう。注意点は、ボルトを傷つけないよう慎重に作業すること。記事を参考にして、是非、チャレンジしてみてほしい。
【TOP工業 ナットブレーカー】
どうしても緩めることができないナットに対する最後手段、ナットをかち割るツールで、丸い輪の部分をはめて末端ボルトを締め込むだけと使い方は簡単。ただし、ステンレスや熱処理品、傘付のナットには使えない。
工具&道具の正しい使い方満載!
本記事は、オートメカニック特別編集の臨時増刊号『クルマのDIYガイド 工具&道具の正しい使い方』に掲載されているものから抜粋・加筆している。同書には、役立つDIYテクニックが満載なので、興味のある方は是非、手にとって見てほしい。