
先日、メルセデス AMG CLE 53 4マチック+ カブリオレの国内導入を発表したばかりのメルセデス・ベンツ日本だが、立て続けに派生車種であるセダンの「メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ (PHEV)」と、ステーションワゴンの「メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ ステーションワゴン(PHEV)」の発売を決定。さらに導入記念限定車として、それぞれに特別装備を施した「Edition1」を設定し販売を開始した。
●文:月刊自家用車編集部 ●写真:メルセデス・ベンツ日本(※写真は海外仕様車を含みます)
進化した「M256M」ユニットに、電動モーターとリチウムイオン電池をプラス
今回リリースされる「メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ (PHEV)」(=以後E 53 ハイブリッドと表記)と、先行する「メルセデス AMG CLE 53 4マチック+ カブリオレ」の決定的な違いは、プラグインハイブリッドシステムの有無だろう。
E 53 ハイブリッドは定評のある直列6気筒ターボエンジン「M256」ユニットを進化させた「M256M」を搭載。「M256M」はターボのブースト圧を1.5barまで高めたうえで、新規プログラミングされたソフトウェアや冷却装置の追加などにより、最高出力は449ps(330kW)、最大トルクは560Nmを発揮する。
これにトランスミッションに統合された最高出力163ps(120kW)、最大トルク480Nmを発生する高出力永久磁石同期モーターが加わり、システムトータルでは最高出力585ps(430kW)、最大トルク750Nmのハイパワーを得た。
さらに「RACE START」をセレクトした場合はシステム最高出力が612ps(450kW)まで上乗せされ、スポーツカー並みの俊敏な発信加速を実現する。
3リッター直6ターボエンジン「M256」を進化させた「M256M」を搭載し、最高出力449ps(330kW)/最大トルクは560Nmを内燃機のみで達成。さらに電動モーター(最高出力163ps[120kW]/最大トルク480Nm)を組み合わせるプラグインハイブリッドモデルへと仕立てられた。
メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ (PHEV)にはセダンボディとステーションワゴンボディを用意。いずれも3リッター直6ターボ+ハイブリッドシステムによりシステムトータルで最高出力585ps(430kW)/最大トルク750Nmを計上する。
実用的なEV走行距離/環境性能/力強い走行性能も両立
WLTCモードの燃費は、セダンが11.5km/L、ステーションワゴンが11.2km/Lをスペックシートに刻み、同じくEV走行可能距離はセダンが101km、ステーションワゴンは97kmを実現する。国内で通勤や買物利用のみに使用するなら、ほぼEV走行のみで賄えてしまうだろう。
高いアジリティやニュートラルなコーナリング特性、優れたトラクションを可能にするシステム「AMG RIDE CONTROLサスペンション」と、E 53では初採用となる「電子制御AMGリミテッドスリップデフ」、そして車名からも明らかなように前後トルク配分の連続可変が可能な4輪駆動システム「AMG 4マチック+」の恩恵を受け、あらゆる路面状況において高い走行性能と快適性を提供する。
選択可能な走行モードシステム「AMG DYNAMIC SELECT」には、従来の「Comfort」「Sport」「Sport+」などのプログラムに加え、ハイブリッド専用の「Electric」と「Battery Hold」を追加。「Electric」がデフォルトでEV走行を優先するのに対し、「Battery Hold」では電力使用を極力抑えた走行を行う。
PHEV採用により、高い環境性能を発揮。セダンはWLTCモード燃費11.5km/LとEV走行可能距離101km、ステーションワゴンは同じくWLTCモード燃費11.2km/LとEV走行可能距離97kmを記録し、日常使用であればガソリンを消費せずに済ますことも可能だろう。
ナッパレザーをふんだんに用いる豪華すぎる内外装/専用装備の数々も大きな魅力
エクステリアもAMGらしいマッシブな装い。フロントデザインは通常のEクラス比+20mmのワイドなプロポーションを採用し、E 53専用デザインのAウイングが際立つ大開口のフロントエプロンや、AMG伝統の縦ルーバーには先進的なイルミネーテッドラジエーターグリルを装着した。
足元には10ツインスポークデザインの20インチAMGアルミホイールを装備し、片側2本出しのラウンド形状を用いたエキゾーストマフラーがリアビューを際立たせる。もっとも、見た目の迫力に反して極めて静粛性の高い車内空間を実現しているというのもメルセデスらしいところだろう。
また、インテリアトリムには上質な印象を与えるライトシルバーメタリックインテリアトリムを標準設定。ナッパレザーを配したAMGパフォーマンスステアリングには液晶ディスプレイ付きのAMGドライブコントロールスイッチや、アルミニウム製のパドルシフトが備わり、センタースポーク下部にはAMGのレタリングが刻まれる。
14.4インチのメディアディスプレイと12.3インチのコックピットディスプレイにはAMG専用メニューやコンテンツが用意され、インフォテイメントシステムは第三世代のMBUXを採用。サウンドシステムには従来の3Dサウンドよりさらにエモーショナルな4Dサウンドを実現する「Burmester 4Dサラウンドサウンドシステム」が標準装備され、前席にはシート自体を共鳴させるエキサイターを内蔵するなどエンターテインメント性能も充実している。
14.4インチのメディアディスプレイと12.3インチのコックピットディスプレイが印象的なコクピット。エネルギーフローやEV航続距離、充電状況などのプラグインハイブリッド専用メニューも用意される。ユーティリティが重視されるステーションワゴンでは460〜1,675Lのラゲッジスペースが確保された。
導入記念限定車「エディション1」は、計150台のみのレアモデル
今回、E 53 ハイブリッドのデビューに合わせ、導入記念限定モデルとして「メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ エディション1(PHEV)」が、セダンとステーションワゴンの双方に用意された。
AMGレタリングが際立つブラックの専用デカールに、フロントスプリッターやエキゾーストエンドなど各所がハイグロスブラックとなる「AMGナイトパッケージ」に加え、フロントグリルやエンブレムなど各所がダーククロームとなる「AMGエクステリアナイトパッケージII」を採用。
さらにドアミラーやトランクリッドスポイラー(セダンのみ)がカーボンファイバーとなる「AMGカーボンパッケージ」と、マットブラックの鍛造21インチAMGアルミホイールなど、エクステリアだけでもベースモデルと著しく差別化されたアピアランスが魅力だ。
インテリアでは「Edition1」の刺繍が入ったブラックのAMGパフォーマンスシート(ナッパレザー/イエローステッチ入り)/イエローシートベルト/イエローに輝くイルミネーテッドステップカバー/イエローステッチ入りのAMGパフォーマンスステアリング(ナッパレザー/MICROCUT)、さらに「Edition1」の刻印入りAMGカーボンファイバーセンタートリムなど、豪華かつスポーティーな装備が満載。
ボディカラーは、セダンがマニファクチュールアルペングレー(ソリッド)と有償オプション設定のエディション1専用のマニファクチュールオパリスホワイトマグノ(マット)の2色を用意。ステーションワゴンは標準装備のエディション 1専用マニファクチュールオパリスホワイトマグノ(マット)のみとし、販売台数はセダンが限定120台、ステーションワゴンが限定30台のみとなる。
おもな車両諸元
■メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+(PHEV)セダン
全長4,970mm 全幅1,900mm 全高1,475mm ホイールベース2,960mm 車両重量2,390kg 排気量2,996cc 直列6気筒ガソリンターボエンジン エンジン最高出力449ps(330kW)/5,800-6,100rpm 最大トルク560Nm/2,200-5000rpm ハイブリッドモジュール最高出力163ps(120kW)/2,400-6,800rpm ハイブリッドモジュール最大トルク480Nm/0-2,400rpm システム総合最高出力585ps(430kW) 最大トルク750Nm WLTCモード燃料消費率11.5km/L WLTCモードEV走行可能距離101km
車両価格
■メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ (PHEV)
価格:1698万円
■メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ ステーションワゴン(PHEV)
価格:1726万円
■メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ エディション1(PHEV):全国120台限定
価格:2105万円
■メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ ステーションワゴン エディション1(PHEV):全国30台限定
価格:2168万円
特別限定車「メルセデス AMG E 53 ハイブリッド 4マチック+ エディション1(PHEV)」は内外装に豪華な特別装備を満載し、セダンは120台、ステーションワゴンは30台の限定販売を行う。
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