「トヨタ車として初の成功」「初代クラウンのかたき討ち」もっとも普通の中型セダンは、名神高速で10万km連続走行も達成。[コロナ(3代目)]

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3代目コロナ(コロナラインを除く)は4ドアセダンのみでスタート。グレードはスタンダード(4速マニュアル)とデラックス(4速マニュアルおよび2速トヨグライド)。クリーンカットと呼ぶスクエアなグリルとボディ側面を一直線に走るアローラインを特徴とした。

アローラインと呼ばれた独特のフォルムは、今見ると無骨なデザインだが、当時の評判の高かった。

主要諸元 4ドアセダンデラックス(1964年式)】
●全長×全幅×全高:4110mm×1550mm×1420mm●ホイールベース:2420mm ●トレッド(前/後):1270mm/1270mm ●車両重量:945kg●乗車定員:5名●エンジン(2R型):直列4気筒OHV1490cc●最高出力:70PS/5000rpm●最大トルク:11.5kg-m/2600rpm 
○燃料タンク容量:45L●速度:140km/h●最小回転半径:4.95m●トランスミッション:前進3段フルシンクロ、後進1段 ●サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン式独立懸架/半楕円リーフリジッド●タイヤ:5.60-13 4PR ◎新車当時価格(東京地区):64万4000円

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助手席側まで広く回り込んだダッシュパネルには、メーターだけでなく各種スイッチが配置され、高級感とともに使いやすさにも配慮している。黒地に白文字、赤い指針のスピードメーター内にはトリップメーターも付く。速度計左右の丸型メーターは右が水温計、左が燃料計。ダッシュ左右のベンチレーターは風向きの調整もできた。

ベンチシートのほか、デラックスにはオプション(2万円高)でセパレートのリクライニングシートを設定。どちらも乗車定員は5人。リヤシートはホイールハウスを極力小さくすることで、幅や長さを拡大している。また後席天井付近にグリップがあり、コートハンガーとしても使えた。

初代クラウンに積まれたR型をベースにボアを77ミリから78ミリに拡大、排気量を1453ccから1490ccとした2R型。吸排気系の大幅改良や補機類の材質変更により、エンジン単体重量はR型より5kg軽く、最高出力は62PSから70PSに向上している。

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燃料給油口はリヤナンバープレートの裏に設定されていた。

5ドアセダン

ルノー4( キャトル)が先鞭をつけ、欧州で人気となっていたリヤゲートが開く5ドア。日本では乗用というより営業車としてのイメージが強かったのか、販売は低迷し1968年に生産が打ち切られている。

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コロナのハードトップ(前期型)をベースに、150馬力のDOHCエンジンを搭載したレーシングカー「トヨタRTX」が1966年に造られ、多くのレースで活躍する。その市販型として1967年にデビューしたのがトヨタ1600GTだ。同年に発売されたトヨタ2000GT の弟分という位置づけから、コロナの名は冠されなかった。

【主要諸元 1600GT・5段ミッション(1967年式)】
●全長×全幅×全高:4110mm×1550mm×1420mm●ホイールベース:2420mm●トレッド(前/後):1290mm/1270mm●車両重量:1035kg ●乗車定員:4名●エンジン(9R型):直列4気筒DOHC1587cc●最高出力:110PS/6200rpm●最大トルク:14.0kg・m/5000rpm ○燃料タンク容量:45ℓ○最高速度:175km/h●最小回転半径:4.95m●トランスミッション:前進5段フルシンクロ、後進1段 ●サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン式独立懸架/半楕円リーフリジッド●タイヤ:6.45S14 4PR  ◎新車当時価格(東京地区):100万円

スポーティな3本スポークステアリングを採用。スピードメーターとタコメーターを真ん中に配置した5連メーターとなる。

最高出力110ps、9R型直4DOHCエンジン。2000GT同様ヤマハの手でDOHC化されたエンジンは高い信頼性と110馬力の高性能を誇り、レビンやセリカなど後のトヨタの量産DOHCスポーツへ受け継がれていく。