
2024年に発表されたBMW M5セダンは、4.4リッターV8ツインターボとプラグインハイブリッドシステムを組み合わせ、システム最高出力727PS/同最大トルク1000Nmを実現し、4ドアセダンカテゴリーで屈指のパフォーマンスを発揮。さらにBMW純正のM パフォーマンス・パーツを組み合わせると、さながらモンスター級の1台へと変貌する。中身も外見も「スーパー」なスポーツセダンを深堀りする。
●文&写真:月刊自家用車編集部
スーパーセダンの最右翼、BMW M5とは?
BMW M5セダンは、BMWのMシリーズにおける象徴的な高性能セダンで、1980年代から現在に至るまで、スポーツセダンの中でも際立った存在として認知されている。
性能だけでなく、エレガントでありながら圧倒的な走行性能を兼ね備えたドライビング体験を提供し、世界中のクルマ好きから愛されているM5セダンの歴史は、初代(E28型)から2代目(E34型)、3代目(E39型)、4代目(E60型)、5代目(F10型)、6代目(F90型)、7代目(G90型)へと進化を続けてきた。
歴代モデルのエンジンは伝統の直列6気筒からスタートし(E28型/E34型)、E39型でV型8気筒、E60型はV型10気筒、F10型ではV型8気筒ツインターボ、F90型はV型8気筒ツインターボ+プラグインハイブリッドと順調にアップデート。
現行のG90型ではついに4.4リッターV8ツインターボにプラグインハイブリッドシステムとAWD機構を加え、歴代最強の最高出力727PS/最大トルク1000Nmを発揮(いずれもシステム総合)しながら高い走行安定性を実現するという、4ドアセダンながらスーパースポーツモデルに引けを取らないモンスターへと昇華した。
BMWのラインナップのみにとどまらず、世界中のスポーツセダンを代表するM5セダン。快適性や実用性を有するオーセンティックな4ドアセダンながらも、そのパフォーマンスは歴代いずれもスーパースポーツモデルに伍するほど。
4.4リッターV8ツインターボにプラグインハイブリッドシステムを加え、システム最高出力727PS/同最大トルク1000Nmを発揮する。コクピットは多彩な機能を実現したフルデジタルタイプを採用するほか、Dタイプステアリングなどがスポーティイメージを高める。
ノーマルでも厳ついのにメーカー純正のM パフォーマンス・パーツを装着すると…
ノーマルの5シリーズセダン(G60型)でさえエッジの効いたスポーツ志向を漂わせたフォルムなのに、M5セダンはさらに開口部の広いラジエーターグリルや鋭角なサイドシルなどを採用し、並み居るライバルとは一線を画すキャラクターを演出。
とはいえ、BMWの中核を担うセダンである以上これがスポーツイメージ発露の限界だろうと思われたが、なんとBMWはM5用のM パフォーマンス・パーツをオプション設定してきた。その完成度はメーカー純正ならではの完成度を湛え、世界中のカスタムパーツブランドもお手上げだろう。
東京オートサロンに出展されたBMW M5セダン+M パフォーマンス・パーツモデルは、その名の通りM パフォーマンス・パーツがてんこ盛り。M5セダン用のMパフォーマンス・パーツは以下のごとく多岐にわたり、出展モデルもその多くを装着していた。
M5セダン M パフォーマンス・パーツ
- フロント・アタッチメント・セット カーボン(※1)
- M ドア・ミラー・キャップ・カーボン(※1)
- カー・ラッピング(サイド・シル)
- ドア・シル・アタッチメント・カーボン(※1)
- ステッカー・セット(カーラッピングと併用不可)
- アンテナ・カバー・アラミド
- フィラー・キャップ・カーボン
- リヤ・ディフューザー・カーボン(※1)
- トリム・エキゾースト・システム カーボン/チタン(※2)
- リヤ・スポイラー・カーボン
- フロア・マット・セット
- スポーツ・ブレーキ・パッド(※3)
(※1:左右必要)(※2:4個必要)(※3:ベンチレーテッドブレーキディスクの同時装着必須)
フロント・アタッチメント・セット カーボンは片側17万6000円。スポーティなM5セダンのフェイスイメージをレーシーな趣に変化させる。トリム・エキゾースト・システム カーボン/チタンは1個9万1190円で、マフラー4本出しのM5セダンには4個必要になる。
これらのM パフォーマンス・パーツの総額は約189万円ほど(左右パーツ及び4個装着パーツの採用を想定)。M5セダンの車両価格が2048万円〜なので、M5セダン+M パフォーマンス・パーツモデルは約2237万円〜という計算。車両価格の10%弱を追加すれば、BMW渾身のスポーツセダンが手に入るなら安い・・・と思うのは脳がバグっているからだろうか?
リヤビューを一層引き締めるリヤ・スポイラー・カーボンは30万6900円。見た目だけでなく走行性能にも影響するとなればM5セダンには必須だろう。長距離レースからフィードバックされたスポーツ・ブレーキ・パッドは高い耐熱性、制動性能、レスポンスなどを発揮。
M パフォーマンスにBMWのホンキを見た
M パフォーマンス・パーツは、M5セダンだけでなくBMWのM2、M3、M8、i5、7シリーズ、X7などにも用意され、いずれもノーマルのもつキャラクターを最大限に引き立てるメーカー純正のカスタムパーツだ。中にはハンドメイドで制作されるものもあり、BMWの自車に対するプライドと顧客へのサービス精神が存分に盛り込まれている。
カスタムパーツブランドを自分で選択して唯一無二の個性を表現するのもアリだが、メーカー純正というM パフォーマンス・パーツの安心感は他に代えがたい。
せっかく最強のスポーツセダン最右翼と評されるM5セダンを手に入れるなら、車体価格の約10%というエクストラは検討してみるのも悪くないはず。それだけの魅力をもつのがM5セダン+M パフォーマンス・パーツだ。
M パフォーマンス・パーツは、M2、M3、M8、i5、7シリーズ、X7などでも選択可能。メーカー純正ならではのフィット感と安心感は魅力的だ。メーカーが考える「スポーツイメージの理想形」と思えば、多少のエクストラを払っても入手したい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(大人気商品)
ドリンクホルダー不足は意外と深刻な“あるある問題” クルマの中にあるドリンクホルダーは、飲み物だけを置くものではない。小腹を満たすスナック、ボトル入りガム、灰皿、芳香剤など、実際は“なんでも置き場”と[…]
一見すると用途不明。だがSNSの反応は異常に熱い バズったカーグッズの多くは、見た目のインパクトが強かったり、使い方が一見わかりにくかったりする。このGONSIFACHA製スマホホルダーもまさにその代[…]
置くだけで成立するスマホスタンドという潔さ スマートフォンをどう置くか。この小さなテーマのために、これまで何度カー用品売り場をうろついたか思い出せない。エアコン吹き出し口に固定するタイプ、ゲル吸盤で貼[…]
ソーラー充電で動き続ける“置くだけ防犯”という発想 車の盗難リスクは車種や年式に関係なく存在し、場所や時間帯も選ばない。高価なセキュリティシステムを組むほどでもないが、無警戒でいたくもないというのが多[…]
見た目からは想像できない“意外性の塊”のカーアイテム インターネットでカーグッズを探っていると、ときどき用途が想像できない奇妙な形のアイテムに出会うことがある。TOOENJOYの「ドアステップ103」[…]
最新の関連記事(ビー・エム・ダブリュー)
第4世代の新型1シリーズ BMW 1シリーズは、2004年に初代モデルが誕生。BMWのラインナップにおいて最もコンパクトなモデルだ。約50:50の理想的な前後重量配分、スポーティで俊敏なハンドリング性[…]
BMW M8 Competition M xDriveのファイナルエディション BMW M8 Competition M xDriveは、最高出力625PS(460kW)/6,000rpm、最大トルク[…]
8シリーズのファイナルエディション BMW 8シリーズは、ピュアスポーツモデルに匹敵する高い走行性能に加え、美しいスタイリングで強烈な存在感を持つモデルだ。2枚ドアのクーペモデルをベースに、オープンエ[…]
サーキット走行が可能な本格ハイパフォーマンスモデル BMW M3セダンはBMW 3シリーズ セダンの、BMW M3ツーリングはBMW 3シリーズ ツーリングをベースに、BMW M社が開発した高性能マシ[…]
ALCANTARA®でカスタマイズ 機能性、高級感、そして独自性を兼ね備えた自動車を紹介することを目的としたこのプロジェクトでは、ALCANTARA®でカスタマイズされた内装と外装の新作モデルが展示さ[…]
人気記事ランキング(全体)
給油中に気づく違和感と、キャップを巡る小さなストレス 給油という動作は、慣れてしまえば機械的にこなしてしまう作業だ。セルフ式スタンドの普及で、自らノズルを握る機会は確実に増えた。ところが、燃料キャップ[…]
ショックレスリングとは? 一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果[…]
コルドバクルーズが描く“大人二人の贅沢な旅”の世界観 トイファクトリーが送り出す「CORDOBA CRUISE」は、名前からして旅情を刺激する。スペインの世界遺産都市・コルドバの優雅さをモチーフにした[…]
広大なハンドル前のスペースを有効活用 愛車の車内を見渡してみると、うまく活用できそうなスペースが存在することに気づく。「ちょっとした収納とか作れそうな場所があるな…」と。しかし、DIYはちょっと面倒、[…]
受注再開は、2026年夏ごろが有力 カローラクロスは、2025年5月の改良時にフェイスリフトの実施やガソリン車の廃止、スポーティなGRスポーツの追加など、過去最大規模の大きな変更が加えられた。改良前か[…]
最新の投稿記事(全体)
「ダットサン・フェアレディ1600」がベースのスペシャリティクーペ 初代の「シルビア(CSP311型)」が誕生したのは、いまから60年も前の1965年です。型式名が表すように、ダットサン「フェアレディ[…]
部品供給の不安を解消するべく、新たなサービスをグローバルで展開 「Honda Heritage Works」サービスは、販売終了となった部品を復刻し、グローバルに供給する「Honda Heritage[…]
ショックレスリングとは? 一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果[…]
給油中に気づく違和感と、キャップを巡る小さなストレス 給油という動作は、慣れてしまえば機械的にこなしてしまう作業だ。セルフ式スタンドの普及で、自らノズルを握る機会は確実に増えた。ところが、燃料キャップ[…]
MAZDA CX-3 XD Vivid Monotone Ⅱ グレードを整理することで、選び方がシンプルに 今回の機種体系変更では、好評な装備を追加したほか、ラインナップをガソリンモデルの「15S U[…]
- 1
- 2


































