T-Crossを超えるか? フォルクスワーゲンが放つ「手の届く」EVの本命モデルが爆誕!「ID.クロス コンセプト」ミュンヘンで鮮烈デビュー│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

T-Crossを超えるか? フォルクスワーゲンが放つ「手の届く」EVの本命モデルが爆誕!「ID.クロス コンセプト」ミュンヘンで鮮烈デビュー

T-Crossを超えるか? フォルクスワーゲンが放つ「手の届く」EVの本命モデルが爆誕!「ID.クロス コンセプト」ミュンヘンで鮮烈デビュー

ミュンヘンにて開催中のIAAモビリティで、フォルクスワーゲンは「ID.クロス コンセプト」を世界初公開した。次世代電動コンパクトSUVとして2026年に市場投入予定のこのモデルは、手頃な価格帯でありながら従来のコンパクトカーの概念を覆す可能性を秘めている。新しいデザイン言語「ピュア ポジティブ」が示す、本物志向で好感が持てるそのデザインは、フォルクスワーゲンの電動化戦略の新たな顔となるだろう。進化したMEB+プラットフォームと新開発の駆動システムが、高性能と実用性を両立させている。

●文:月刊自家用車編集部 ●写真:Volkswagen Group

「ピュア ポジティブ」が体現する、新しいフォルクスワーゲン

「ID.クロス コンセプト」は、人気の「T-クロス」クラスに属する電動コンパクトSUVとして、その手頃な価格帯が注目を集める。デザイン責任者のアンドレアス・ミント曰く「ピュア ポジティブ」と称する新しいデザイン言語がこのクルマには息づいており、クリアで本物志向、タイムレスでありながら好感が持てるそのデザインは、フォルクスワーゲンの新しい顔となるだろう。

ミントは、「安定感、親しみやすさ、独自性」という3つのデザイン基盤を強調し、今後の全モデルに共通する指針を示し、特にフロントとリアのグラフィックと3Dライトシグネチャーが織りなす「微笑んでいる」ような表情は、このモデルのポジティブな個性を象徴している。

ミュンヘンで開催中のIAAモビリティ2025にて、フォルクスワーゲンは次世代の電動モデル「ID.クロス コンセプト」をワールドプレミア。激戦区のコンパクトSUVカテゴリーに投入することで、電動モビリティを牽引するリーダーの役目を加速する。

全長4161mm、全幅1839mm、全高1588mm、ホイールベース2601mmと、現行のコンパクトSUVモデル「T-クロス」」と同等のコンパクトなボディサイズで5人乗車を可能とする「ID.クロス コンセプト」。激戦カテゴリーのコンパクトSUV界に一石を投じるモデルだ。

フォルクワーゲンは「T-クロス」の電動版「ID.クロス」を2026年にマーケットに投入する。今回お披露目された「ID.クロス コンセプト」は、その市販バージョンに極めて近いショーカーで、「ピュア ポジティブ」という新しいデザイン言語を採用している。

進化を遂げたMEB+プラットフォーム

技術的な側面もまた「ID.クロス コンセプト」の大きな魅力だ。前輪駆動のこのモデルは、モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス(MEB)の次世代版である「MEB+」を基盤とする。

エンジン、バッテリー、ソフトウェアといった主要コンポーネントが将来を見据えて開発され、フォルクスワーゲン ブランド技術開発担当取締役のカイ・グリュニッツが述べるように、MEB+は「ID.クロス コンセプト」の量産バージョンや新型「ID. ポロ」を、魅力的な価格でありながら平均を超える装備で提供するための鍵となる。

新開発された駆動システムは、最高出力155kW(211PS)を発生する電気駆動モーターが前輪を駆動し、予測航続距離はWLTPモードで最大420kmを誇る。e-バイク2台の積載に対応する75kgの牽引荷重と、1200kg(ブレーキ付き、勾配8%)のトレーラー最大重量は、レジャー用途での高い汎用性を示している。

電動車用プラットフォームのMEB(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)はMEB+へと進化。駆動システムは新規に開発され、最高出力155kW(211PS)を発生する電気駆動モーターが前輪を駆動。予測航続距離はWLTPモードで最大420kmを予定する。

コンパクトながら広々とした空間と洗練されたインテリア

「ID.クロス コンセプト」の全長は4161mm、ホイールベースは2601mmと、現行の「T-クロス」と同等のコンパクトなサイズ感だ。しかし、そのコンパクトな外観からは想像できないほど、室内空間は広々としている。革新的なパッケージ設計により、5人乗りの室内はゆとりがあり、トランク容量は平均を上回る450Lを確保。さらに、ボンネット下のフランクには25Lの追加スペースが設けられている。

インテリアは、心地よいオアシスをイメージして設計された。バニラチャイと呼ばれる温かみのあるベージュカラーを採用したファブリック張りの表面は、上質な素材感と手触りで乗員を包み込む。「Atmospheres(アトモスフィア)」と呼ばれる事前に設定された照明、音響、空調モードは、瞬時に車内を快適なラウンジへと変貌させる。完全に折り畳むことで「VWバス」のようなリクライニングエリアを作り出す特製のシートも特筆すべき点だ。

コンパクトなボディサイズながらも室内空間はゆとりのあるスペースを実現。バニラチャイと呼ばれる温かみのあるベージュカラーを採用したファブリック張りのインテリアに加え、アトモスフィアと呼ばれる照明、音響、空調を統合するシステムも採用する。

直感的で先進的なコクピット

コクピットは、考え抜かれた人間工学と直感的な操作性を追求し、ドライバーが運転に集中できる環境を提供。フォルクスワーゲンは「ID.クロス コンセプト」において、直感的なメニュー構成のディスプレイ、自然なボイスコントロール、そして物理スイッチの調和のとれた相互作用を実現した。

28cm(11インチ)のデジタルメーターと33cm(13インチ)のインフォテインメントシステム センタータッチディスプレイは視覚軸上に配置され、視認性にも優れている。

電動車らしい大型のデジタルメーターを備え、同じくセンターにはインフォテインメントシステムを司るディスプレイを装備するが、それ以外は至ってシンプルな装い。極めて量産車に近い設えではあるが、来年の市場投入時には変更もあるかもしれない。

電動化への挑戦と未来への布石

「ID.クロスコンセプト」は、「ID.2オール」、「ID. GTIコンセプト」、「ID. エブリイ1」に続く4台目のコンパクト電動コンセプトカーとして、フォルクスワーゲンの電動化戦略における重要なピースだ。これらの新しいフォルクスワーゲンモデルの量産バージョンは、2026年から市場に導入される。「ID.クロス」は2026年夏に世界初公開され、ミュンヘンでコンセプトカーとして発表される「ID. エブリイ1」の量産バージョンは2027年のハイライトになるだろう。

「ID.クロス コンセプト」は、フォルクスワーゲンが描く未来のモビリティ像を具体的に示すものだ。手頃な価格、魅力的なデザイン、そして先進のテクノロジーを兼ね備えたこの電動SUVは、持続可能な社会の実現に向けたフォルクスワーゲンの強い意思を体現していると言える。2026年の市場投入が今から待ち遠しい。

「ID.クロス コンセプト」のワールドプレミアと同時に、「ID.ポロ」「ID.ポロGTI」のカモフラージュモデルも展示された。既に発表されているショーカーの「ID.2オール」は、量産化の際に「ID.ポロ」へと名称を変更する。

●ID.クロス コンセプト テクニカルノート

駆動方式 MEB+、前輪駆動 
最高出力 155kW/211PS 
航続距離 最大420km(WLTP) 
最高速度 175km/h 
全長 4161mm 
全幅 1839mm 
全高 1588mm 
ホイールベース 2601mm 
5人乗車時の積載容量 450L+25L(フランク) 
牽引バー荷重 75kg 
トレーラー重量(最大) 1200kg(ブレーキ付き、勾配8%) 
ホイール 235/40R21 

ID.クロス コンセプト

ID.クロス コンセプト

ID.クロス コンセプト

ID.クロス コンセプト

ID.クロス コンセプト

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