
トヨタ自動車は、タイ・バンコクで開催されたToyota Motor Asia(TMA)の新車発表イベントで、新型ハイラックスを世界初公開した。
●まとめ:月刊自家用車編集部
オールラウンドとして活躍できる「生涯のパートナー」を目指し開発
ハイラックスは、1968年のデビュー以来、世界195カ国以上で信頼と耐久性の象徴として顧客の信頼を得てきたピックアップトラック。
第9世代として投入される新型は、高い耐久性を持ちながら、都市での運転にも快適で、軽い冒険にも対応できる、卓越したオールラウンドな実用性を提供するように開発。
強化されたボディ剛性に、洗練されたサスペンションチューニング、快適な運転を実現する電動パワーステアリング(EPS)を採用することで、険しい山道から現代の市街地まで、あらゆる環境で活躍するように設計されている。
ハイラックスの役割を単なる実用車から一歩進め、仕事や家族、レジャーをサポートする「生涯のパートナー(Partner For Life)」として位置づけることを目指している。
タイで公開されたハイラックス・BEVモデルのプロトタイプ。電動車ならではの静粛性と豊かなトルク特性に加え、一充電航続距離は300km以上を確保されるという。
トヨタは、カーボンニュートラルの実現に向け、ユーザーニーズや各地域のエネルギー事情に対応したモデル展開を進めているが、その選択肢のひとつとなるのが、バッテリーEVなどの電動モデルとのこと。今回発表された新型ハイラックスは、この取り組みを一層加速させる存在を兼ねるという。
IMVの伝統を継ぐグローバルピックアップ
タイで公開されたハイラックス(BEVモデル・プロトタイプ)は、総電力量59.2kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、eAxleの高効率化により航続距離300km以上を実現。
豊田章男会長のリーダーシップのもと2004年に開始されたIMV(International Multi-purpose Vehicle)プロジェクトは、地域に根差した開発を通じて、多様な地域にモビリティ・ソリューションをもたらすことを目的に進められている、トヨタの世界戦略の柱のひとつ。これまでハイラックスのほか、SUVのフォーチュナーやミニバンのイノーバなどが、IMVシリーズとして世に送り出されている。
| ハイラックス(BEVモデル・プロトタイプ)タイ仕様主要諸元 | |
| 駆動 | 4WD |
| 全長(mm) | 5,320 |
| 全幅(mm) | 1,855 |
| 全高(mm) | 1,800 |
| ホイールベース(mm) | 3,085 |
| バッテリー容量(総電力量)(kWh) | 59.2 |
| 航続距離(km) | 300以上 |
| システム最高出力(kW) | 144 |
バッテリーパックはフレーム幅を最大限に生かして床下に収められ、前後には高出力タイプのeAxleを採用することで、システム最高出力144kWを発揮。
進化した制御システムと相まって、優れた悪路走破性も確保される。ボディオンフレームのピックアップのコア能力(オフロードでの車輪の柔軟性、牽引能力、積載能力)を維持しつつ、豊かなトルクと静かなパフォーマンスを提供するとしている。
日本向けモデルはディーゼル車を発売予定
新型ハイラックスは、アジアでは2026年以降順次発売を予定しており、日本向けモデルついては、ディーゼル搭載モデルを2026年年央に発売する予定。
なお、新型ハイラックスは、マルチパスウェイの取り組みを一層加速すべく、今回発表したディーゼルモデル、BEVモデルに加え、FCEVモデルの開発を進めるとのこと。FCEVモデルは欧州、オセアニアに2028年以降の投入を予定している。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トヨタ)
日本の道路事情にジャストフィット? ランドクルーザーFJ ランドクルーザーFJの車名を聞くと、かつてラインナップされていたFJクルーザーを想起させる。実際、ゴツめの外装デザイン処理やフロントグリルの造[…]
日本人の手で造られた日本人のための乗用車がトヨタ創設者の夢だった 明治の発明王、豊田佐吉の長男として1894年に生まれた喜一郎は、創意工夫で開発した独自の自動織機で成功した父の志を受け継ぎ、日本の独自[…]
RAV4の魅力をより深く。吊るしには真似ができない個性をプラス トヨタグループの一員として長草工場でRAV4の車両生産を受け持つ豊田自動織機は、車両企画やデザイン、設計といった開発段階から深く参画して[…]
実用段階に近づいたと感じさせる走りの質感 トヨタが水素エンジンを搭載したカローラクロスの試作車を公開し、試乗する機会を得た。水素燃料で走るクルマはこれまでも触れてきたが、今回の車両は”実用にかなり近づ[…]
センチュリー(大会本部車) 大会オリジナルモデル、FCEVセンチュリーも投入 1920年の創設以来、100年以上の歴史を持つ同大会に対し、トヨタは2003年から車両提供を開始し、2011年からは協賛社[…]
最新の関連記事(ニュース)
100年の歴史的文脈とパラダイムシフト ベントレーモーターズが発表した新型「スーパースポーツ」は、単なる高性能グレードの追加ではない。これは、同社のグランドツーリング(GT)の概念におけるドラスティッ[…]
2026年は、日本市場における新エネルギー車展開の元年 BYDは、2026年を日本市場における新エネルギー車展開の元年と位置づけ、その幕開けに相応しい全6モデルの展示を行う。 具体的には、2025年1[…]
「モンスターハンター」の世界観を投影した、ジムニーノマドを展示 今回のスズキブースの出展テーマは「Life with Adventure」。ワクワクの冒険心を掻き立てる展示や演出で、来場者を楽しませる[…]
センチュリー(大会本部車) 大会オリジナルモデル、FCEVセンチュリーも投入 1920年の創設以来、100年以上の歴史を持つ同大会に対し、トヨタは2003年から車両提供を開始し、2011年からは協賛社[…]
良好な日米貿易関係の構築に向けて、日本でも成功しそうなモデルを厳選 カムリ(Camry)、ハイランダー(Highlander)、タンドラ(Tundra)の3モデルは、米国で生産され、彼の地で高い人気を[…]
人気記事ランキング(全体)
いつもの車内が極上のエンタメ空間に大変身! 車載ディスプレイでYouTubeやNetflixが見られたら、どれほど快適だろうか。それを手軽に実現してくれるのが、「U2KIT」(カーエンターテイメントア[…]
これは走るタイニーハウス? 美しい家具が機能的に設えられたくつろぎのスペース 岡モータースは香川県高松市を拠点にキャンピングカーの製造•販売を展開。同社の人気軽キャンパーがミニチュアクルーズシリーズで[…]
携行型安全デバイスが発売。Wの効果で危険を回避 愛知県に本社を置き、輸入車の取り扱いなど幅広い事業を展開するホワイトハウスの子会社となる株式会社TCLから、ユニークなデバイスが登場したので紹介していこ[…]
車種専用設計だから、ピッタリ装着。見た目にも違和感なし カーメイトと言えば、使い勝手の良い様々なカーグッズをリリースしており、多くのユーザーから評価されているブランドとして知られている。今回紹介するの[…]
RAV4の魅力をより深く。吊るしには真似ができない個性をプラス トヨタグループの一員として長草工場でRAV4の車両生産を受け持つ豊田自動織機は、車両企画やデザイン、設計といった開発段階から深く参画して[…]
最新の投稿記事(全体)
100年の歴史的文脈とパラダイムシフト ベントレーモーターズが発表した新型「スーパースポーツ」は、単なる高性能グレードの追加ではない。これは、同社のグランドツーリング(GT)の概念におけるドラスティッ[…]
日本の道路事情にジャストフィット? ランドクルーザーFJ ランドクルーザーFJの車名を聞くと、かつてラインナップされていたFJクルーザーを想起させる。実際、ゴツめの外装デザイン処理やフロントグリルの造[…]
日本人の手で造られた日本人のための乗用車がトヨタ創設者の夢だった 明治の発明王、豊田佐吉の長男として1894年に生まれた喜一郎は、創意工夫で開発した独自の自動織機で成功した父の志を受け継ぎ、日本の独自[…]
暖房は燃費ゼロ、という思い込みが無駄を生む 冬の暖房はエンジンの排熱を使うため、燃費に影響しにくいと言われる。そのため、暖房操作について深く考えたことがない人も多いはずだ。ただし、この認識を鵜呑みにし[…]
通称「8.5」へ進化。最新ゴルフが突きつける不変の価値 2021年に日本導入された8代目ゴルフは、2024年にマイナーチェンジを実施。内外装や機能装備が大刷新されたことで、通称「8.5」とも呼ばれてい[…]
- 1
- 2






















