
三菱自動車のミッドサイズSUV「デスティネーター」は、インドネシアでの世界初披露を皮切りに、フィリピン、ベトナムなどアセアン地域などにも展開される世界戦略車。最終的には約70カ国への投入が計画されており、三菱のグローバル事業を牽引する重要なモデルとなる。すでにインドネシアでは年間の予定台数1万台を数カ月でクリアするなど、好調なスタートを切っている。現時点で日本市場へ導入は不透明だが、仮に導入されれば面白い存在になるのは間違いなさそうだ。
●文:月刊自家用車編集部
手薄な「3列7名乗り」を埋めてくれそうな、注目のSUV
デスティネーターの最大の特徴は、「The Confidence Booster for Energetic Families(いきいきとした家族が自信を持って一歩踏み出せるよう後押しするSUV)」というコンセプトのもと、3列シートで7人乗りの広々とした室内空間を確保している点だ。
キャビンは全席でくつろげるゆとりあるスペースと上質さが追求されており、2つのディスプレイが組み合わされるデジタルドライバーディスプレイや開放的なパノラマサンルーフ、気分に合わせて64色から選択できるアンビエントライト、ヤマハと共同開発した高品質なオーディオシステム「Dynamic Sound Yamaha Premium」が装備されるなど、上級モデル譲りの内容が注がれる。
パワートレーンは、力強い加速と高い燃費効率を両立した1.5LのMIVECターボ(120kW/250Nm)とCVTの組み合わせ。駆動方式は前輪駆動のみだが、路面状況に応じて駆動制御が最適化される三菱独自の走破システムを搭載する。先進運転支援機能「Mitsubishi Motors Safety Sensing」や6つのSRSエアバッグなど、高い予防安全、衝突安全性能も確保されている。
洗練されたSUVデザインと力強い加速性能を特徴とする。FFモデルのみとなるが、アクティブヨーコントロールやパワーステアリング制御などの三菱独自の制御技術が注がれることで、走り視点でも大きな注目を集めている。
3列シートのライバルモデルはいずれも価格は割高
仮にデスティネーターが日本国内に導入された場合、内燃機モデルのみとはいえ最新ターボ&高い走破メカニズムを搭載することに加え、全長☓全幅☓全高:4680☓1840☓1780mmの適度なサイズと7人乗り3列シートというパッケージングは希少。国内ラインナップの中でも独自のポジションを手に入れることは可能だろう。
現在の国内SUV市場は、5人乗りモデルが主流であり、7人乗りモデルは限られている。
日産エクストレイルや三菱アウトランダー、トヨタのランドクルーザー250には3列シート仕様が用意されるが、いずれもコストがかさむメカニズム機構や装備を備えているため、エクストレイルで450万前後、ランドクルーザー250で550万円前後、アウトランダーは600万円前後からと、その敷居は高めといわざるを得ない。
その点、デスティネーターの海外での価格は、日本円でおおよそ360~380万円前後からなので、もう少し低い価格レンジで勝負できる。
本格的なSUVデザインにミニバンに迫る多人数乗車性能、そして質感の高い内装と先進装備を持つデスティネーターに、興味を持つユーザーはそれなりにいそうだ。
デスティネーターは、アセアン市場で培った競争力と、日本市場で不足している「本格SUVの3列シート」というニッチな需要を満たす能力を持ち合わせている。国内導入となれば、市場に大きなインパクトを与えるだろう。
11月20日には、フィリピンでデスティネーターの販売が開始。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(三菱)
2026 Nissan Navara PRO-4X 累計販売台数約50万台の人気モデル! 1986年の初代発売以降、仕事や旅の相棒として活躍してきたのが「ナバラ」。新型は、日産のオフロードモデルらしい[…]
「贅沢」を極めた新世代のスーパーハイト軽ワゴン デリカが持つ「悪路に強い」というタフなイメージを、日常使いで便利な軽自動車に注ぎこんだことで、記録的なヒットを遂げたデリカミニ。この秋に発売された新型は[…]
四輪すべてにモーターを配置する、クアッドモーター4WDを採用 「MITSUBISHI ELEVANCE Concept」は、クルマで過ごす時間の上質さを追求した、電動クロスオーバーSUVのコンセプトモ[…]
電動SUVが“旅の相棒”になる、新しいカタチ アウトランダーPHEVをベースにした「イーポップ」は、電動SUVの持つ走破性と静粛性をそのままに、快適な旅の空間をプラスしたキャンピングカーだ。最大の特徴[…]
電動化技術と四輪制御技術の融合させた電動クロスオーバーを披露 世界初披露となる電動クロスオーバーSUVのコンセプトカーは、都会的なスマートさとSUVの力強さを兼ね備えたスタイリングが特徴。広々とした室[…]
最新の関連記事(ニュース)
30周年の節目に誓う「日本社会に根ざした活動」が評価 ポルシェジャパンは、日本におけるポルシェ車の総輸入元として営業を開始して以来、正規販売ネットワークの充実とともに着実に成長を続け、2024年には過[…]
「Original」に特別仕様車「CRAFT STYLE」を設定 N-ONEは、エクステリアもインテリアも人を中心としたホンダならではのM・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム思想)を現代に具現化[…]
2026 Nissan Navara PRO-4X 累計販売台数約50万台の人気モデル! 1986年の初代発売以降、仕事や旅の相棒として活躍してきたのが「ナバラ」。新型は、日産のオフロードモデルらしい[…]
実績のある三菱アウトランダーPHEVのOEMモデル 発表された「ローグ プラグインハイブリッド」は、Re: Nissan再建計画の一環として、米国での電動化モデルの製品ラインアップ拡充を期待して投入さ[…]
人気記事ランキング(全体)
車内に潜む“暗がり”が生むストレスと、その正体 クルマの内装は、昼間こそ明るく整って見えるが、夜になると状況は一変する。特にセンターコンソール下や足元、シート付近はわずかな照明しか届かず、探し物が途端[…]
空力パーツなのに“謎の突起”扱いされる存在 最初にこのアイテムを手に取ったとき、多くの人が「これは何に使うのか?」と首をかしげるはずだ。細長いプラスチックパーツが12個並ぶだけのシンプルなパッケージで[…]
サンバイザーは“日よけ”以上の潜在能力を持っていた 車に乗る人なら誰でも触れたことがあるサンバイザーだが、多くの場合は強い日差しを遮る時だけの脇役になっている。軽自動車でもミニバンでもSUVでも、ほぼ[…]
ヘッドレストを“風の発生源”に変える発想 ヘッドレストの支柱にファンを取り付けるというアイデアは、初めて見たときけっこう衝撃的だった。座席まわりの中でも存在感が小さく、ほぼ“空白地帯”として扱われがち[…]
気になっていた“カジュアル系ガジェット”をついに導入した理由 長年クルマに乗っていると、スピードメーターやナビの位置、視線移動のクセが完全に身体に染みついていく。その一方で、車内にちょっとしたアクセン[…]
最新の投稿記事(全体)
手薄な「3列7名乗り」を埋めてくれそうな、注目のSUV デスティネーターの最大の特徴は、「The Confidence Booster for Energetic Families(いきいきとした家族[…]
ブラインド交差点での「ヒヤリ」をゼロにするフロントカメラは人気アイテム データシステムは、ジムニーシリーズにも多くのアクセサリーパーツを用意しているが、その中でも高い人気を集めているのが、車両周辺の状[…]
キープコンセプトが、クラウンの宿命だった時代 エクステリアを一見しただけでは6代目と区別が難しい7代目クラウン(MS125系)。数少ない特徴を挙げるならば、きらめくパネルを透明な樹脂で覆ったクリスタル[…]
前回の旧車ブースの模様 OLD is FRESH ― クルマの思い出を集めたブースが今年も開幕 最新モビリティが集結する「大阪モビリティショー」に、ノスタルジックな空間が今年も出現します。内外出版社の[…]
- 1
- 2
























