新型・軽自動車「もはや最強クラスでは?」“フルフラット可” 荷室スペースは驚愕の広さ。航続距離クラスNo1は物流を支配するか?│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

新型・軽自動車「もはや最強クラスでは?」“フルフラット可” 荷室スペースは驚愕の広さ。航続距離クラスNo1は物流を支配するか?

新型・軽自動車「もはや最強クラスでは?」“フルフラット可” 荷室スペースは驚愕の広さ。航続距離クラスNo1は物流を支配するか?

軽商用車の世界に、静かだが確実に大きな転換点が訪れた。ダイハツが量産モデルとして送り出す電気自動車の軽バンは、単なる環境対応車ではない。物流の現場で本当に使えること、毎日の足として成立することを前提に、走行距離や積載性、使い勝手までを丁寧に詰め込んだ一台だ。航続257kmという数値以上に、その中身は「商用EVはここまで来た」と実感させる完成度を備えている。

●文:月刊自家用車編集部

軽商用EVを本気で成立させるための共同開発という選択

ダイハツ初の量産BEV「e-ハイゼット カーゴ」「e-アトレー」は、ダイハツ単独ではなく、スズキ、トヨタと連携して生み出された点が象徴的だ。軽商用車の分野で長年培ってきたノウハウと、電動化における技術的な知見を持ち寄ることで、現実的な一台に仕上げている。小さな車体に無理なく電動システムを収めるためのパッケージングは、軽自動車づくりを知り尽くしたメーカーならではの回答と言える。

単にガソリン車を電動化したのではなく、物流のラストワンマイルや業務利用を前提に再構築している点も重要だ。毎日使われ、長時間走り、止まっては積み降ろしを繰り返す。そうした商用車特有の使われ方を想定したうえで、電動化のメリットをどう活かすか。その答えが、この軽商用BEVの骨格に反映されている。

航続257kmが意味する「実用域に入った」という事実

床下に敷き詰められた36.6kWhの大容量バッテリーにより、一充電あたりの航続距離はWLTCモードで257kmを確保している。この数値は、軽商用車に求められる使われ方を丁寧に想定した結果とも言える。都市部での配送や巡回業務、郊外を含む日常的な移動を無理なくカバーし、一日の仕事を充電の心配なく完結させることを前提とした航続性能だ。

また、エアコン使用による電力消費が増えやすい夏季や冬季においても、余裕を持って運用できる点は実務車両として大きな意味を持つ。BEVならではの高効率な電力制御と組み合わさることで、単なる数値以上に“安心して使える距離”として体感できるのが特徴だ。

加えて、モーター駆動によるスムーズな加速と低重心化による安定した走行フィールは、長時間運転時の疲労軽減にも寄与する。航続257kmという設定は、スペック競争ではなく、現場での使いやすさと業務効率を最優先に考えた結果であり、ラストワンマイルを担う軽商用EVとして極めて現実的なバランスに仕上げられている。

積載性を犠牲にしない電動化という難題への回答

電動化で最も懸念されがちな点が、積載性や使い勝手の低下だ。しかしこの軽商用BEVでは、バッテリーを床下に敷き詰めることで、荷室空間や最大積載量をガソリン車同等に保っている。キャブオーバー型軽バンとしての基本性能を崩さず、電動化を成立させている点は評価が高い。

後輪駆動レイアウトも、商用車としての扱いやすさを意識した選択だ。重量物を積んだ状態でも安定した走行感覚を維持しやすく、発進時のレスポンスも素直だ。単なる環境対応ではなく、「仕事に使えること」を最優先に考えた結果が、この足回りとレイアウトに表れている。

外部給電が広げる、商用EVの新しい役割

このモデルが示すもうひとつの方向性が、電源としての価値だ。車両からAC100Vを取り出せる機能は、業務用機器の電源確保だけでなく、災害時の非常用電源としても活躍する。商用車が単なる移動手段ではなく、インフラの一部として機能する可能性を示している。

急速充電への対応も実用的で、短時間の休憩中に一定量の充電を済ませられる。これにより、長距離移動や突発的なルート変更にも柔軟に対応できる。電動車は不便という先入観を、実用装備の積み重ねで覆そうとする姿勢が見えてくる。

安全装備と質感が示す「商用+α」という立ち位置

先進安全装備も抜かりなく進化しており、検知範囲を広げた運転支援機能が標準で組み込まれる。交差点や市街地での使用頻度が高い軽商用車にとって、この進化は大きい。事故リスクの低減は、企業にとっても個人事業主にとっても無視できない要素だ。

上位仕様では、内外装の質感にも手が入れられている。商用用途だけでなく、日常の足や趣味の相棒としても使える余地を残している点が興味深い。仕事専用車にとどまらず、用途の幅を広げることで、電動軽商用車の存在感を一段引き上げている。

軽商用EVが現実解になったというメッセージ

この軽商用BEVが示しているのは、「電動化はまだ早い」という時代の終わりだ。航続距離、積載性、充電性能、安全装備。そのすべてが、現場で使うことを前提に整えられている。理想論ではなく、現実解としての電動軽商用車が、ようやく姿を現した。

月間販売目標は控えめだが、それは需要の様子を慎重に見極める姿勢の表れとも言える。確実に使われ、評価され、次につながっていく。その第一歩として、このモデルは十分すぎるほどの説得力を持っている。軽商用車の未来像を、静かに、しかし確実に塗り替える存在になりそうだ。

写真ギャラリー

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