
マツダの戦略モデルゆえに「売れる」ことが宿命づけられているCX-5。まもなく登場する新型は、目の肥えたユーザーにどう映るのか? 注目ポイントをお教えしよう。
●文:月刊自家用車編集部
全長115mm延長がもたらす「CX-5史上最大」のゆとり
2026年夏の登場が噂される新型CX-5は、マツダらしいスタイリッシュなデザインを踏襲しつつも、機能装備を大きくブラッシュアップし全方位で進化を遂げる。なかでも最大のトピックとなるのが、現行型の弱みになっていた居住性と実用性が改善されることだ。
マツダのミドルSUVには、FRプラットフォームを採用した上位のCX-60/80がラインナップしているが、新型CX-5は、全長とホイールベースは現行型から115mm延長されるが、FFベースのパッケージングを維持される。新型のサイズ感は、ちょうど現行型CX-5と先代CX-8の中間的な設定に近い。
このサイズ拡大の恩恵は主に後席と荷室に充てられ、後席の足元レッグスペースは64mm、ヘッドルームまわりは29mm拡大。足を組んでくつろげる広さを確保しただけでなく、リヤドアの開口幅も70mm広げたことで、チャイルドシートの設置や子供の乗降性も向上する。
積載性においても奥行きが45mm拡大された荷室や、段差の少ないフルフラット空間など、キャンプや車中泊といったアクティブなライフスタイルにも応える設計といえる。新型はファミリー&レジャー向けの改善も売りにするようだ。
欧州仕様は上級グレード中心のラインナップゆえに内装加飾も充実するが、国内仕様はこなれた価格のベーシック仕様も設定されるのは間違いなさそうだ。
後席格納はシンプルな前倒式だが、段差を少なくする工夫が盛り込まれる。ユーティリティ機能の強化も新型の特徴のひとつ。
リヤセクションのドア開口部も拡大。ドアの開閉角度も大きくなるなど、乗降性向上の工夫を見てとれる。
オートサロンで視線を釘付けにした新色「ネイビーブルーマイカ」も投入
デザイン面では、マツダ独自の「魂動デザイン」が新たなステージへ移行。さらに全長が4690mmに伸びたこと(現行型の全長は4575mm)で、プロポーションはより流麗でダイナミックになり、都市に映えるエレガントな佇まいとSUVらしい力強さが高い次元で融合される。
左が新型、右が現行型。新旧モデルを比較すると、新型のリヤセクションの絞り込みを抑えることでキャビン容量を稼いでいることがわかる。
フロントマスクは、クロームメッキの加飾を抑えることで精悍さを強調し、時代に即した洗練された表情を手に入れた。FRプラットフォーム系モデルとは違ったスポーティな雰囲気も高められている。
先日のオートサロンでは、光の当たり方で鮮やかなブルーから深いネイビーへと表情を変える新色の「ネイビーブルーマイカ」が披露されるなど、マツダも美しい造形を積極的にアピールするつもりでいっぱいだ。
インテリアは「人間中心」の思想に基づき、飛躍的なアップデートが施される。インパネ中央にはマツダ初となる「Googleビルトイン」を搭載した15.6インチの大型タッチパネルディスプレイが設置され、入力インターフェイスを一新。
Googleマップや音声アシスタントが標準で利用可能となり、スマートフォン感覚で直感的に操作できる次世代のHMI環境が整うことになる。質感へのこだわりぶりも健在で、水平基調の伸びやかなデザインに加え、すでに公開済みの欧州仕様では上質な素材を用いた上級グレードを披露済み。国内にもマツダSUVらしいクラスを超えたプレミアムな仕様も用意されるのは確実だろう。
Googleビルトインを備えたタッチパネル式ディスプレイを採用することでインターフェイス環境を一新。上級グレードには15.4インチの大型スクリーンが組み合わされる。
オートサロンで披露された新色「ネイビーブルーマイカ」は、従来のディープクリスタルブルーマイカを進化させたもので、塗膜の中に複数種類のマイカが最適かつ水平に配置されることで、天候などのさまざまな環境でボディの造形を引き立たせる効果が高められている。
ディーゼルターボは廃止されるが、フルハイブリッドモデルの投入予定あり
パワートレーンについては、導入初期は2.5Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせた「e-SKYACTIV G 2.5」搭載モデルが主軸。現行型で好評を博していたディーゼルターボは廃止されるが、滑らかで自然な加速フィールは、マツダが長年追求してきた「人馬一体」の走りをさらに深化させてくれるだろう。
さらに2027年には、新開発の4気筒エンジン「SKYACTIV-Z」を用いたストロングハイブリッドモデルの追加も予定されている。先行するマイルドハイブリッド車よりも高価になってしまうだろうが、走りの喜びを追求するユーザーにとって、よりパワフルな仕様が追加されるのは歓迎されるだろう。
現行CX-5は、ディーゼルターボを含めた多様なパワートレーンが選べることと、ミドルSUVとしては割安感のある価格で、モデル末期となる今でも堅調な人気を保っているが、新型はオールラウンダーとしての資質を高めることで、より万能寄りのモデルとなる。
マツダの最新技術が惜しみなく投入されることで価格アップは避けられないが、上位設定となるCX-60の価格レンジ(326万7000円から)を考えれば、ベーシックな仕様は300万円台前半からで狙えるはず。ミドルSUVをラインナップする他メーカーにとっても脅威になる可能性は高いだろう。
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