
運転免許を持っている人でも、意外と知らない制度がある。それが「SDカード」と呼ばれる優良運転者向けの特典カードだ。無事故・無違反のドライバーに発行されるこのカードは、ガソリンスタンドや道の駅、ホテル、飲食店など全国の提携店で割引や優待を受けられる仕組み。しかもスマホアプリでも利用できる。安全運転を続けている人ほど得をするこの制度、実際にはどんなものなのか。その仕組みや入手方法、気になるメリットまで詳しく見ていく。
●文:月刊自家用車編集部
運転免許証を持っていても、知らない人が多い「SDカード」という制度
運転免許証には、帯の色によって運転者の区分が示されている。グリーン、ブルー、そしてゴールド。この中でもゴールド免許は、一定期間にわたって事故や違反がない「優良運転者」に与えられるものだ。
筆者が所持しているゴールド免許(優良運転者免許)。
このゴールド免許のドライバーには、実はあまり知られていない特典がある。それが「SDカード」と呼ばれる制度だ。SDとは「Safe Driver」の略で、安全運転を続けているドライバーの証として発行されるカード。発行を行っているのは、警察庁が所管する自動車安全運転センターだ。
このカードは単なる記念品ではない。持っているだけで、ガソリン代の割引や宿泊料金の優遇など、さまざまなサービスを受けられる仕組みになっている。ところが、発行条件が「無事故・無違反」であるため、実際には存在を知らないドライバーも少なくない。
安全運転を続けている人ほど得をする制度だが、その仕組みや入手方法は意外と知られていないのが実情だ。
SDカードを入手するための条件と申し込み方法
SDカードを入手するには、まず自動車安全運転センターへ証明書の申請を行う必要がある。具体的には「無事故・無違反証明書」または「運転記録証明書」を申し込む流れだ。
証明書の申請を行い、証明日時点で1年以上事故や違反の記録がない場合、証明書と同時にSDカードが発行される。つまり、申請した人の中でも条件を満たしたドライバーだけが受け取れる仕組みだ。
筆者の所持しているSDゴールドカード。
申し込みは警察署や交番などに置かれている申請用紙を利用する方法が一般的。必要事項を記入し、交付手数料を添えて郵便局から申し込むか、センターの窓口で手続きを行う。申請後は郵送で届くことが多く、通常は1〜2週間ほどかかる。
最近ではスマートフォンからの申請にも対応しており、専用アプリやインターネットから申し込むことも可能になっている。以前よりも手続きはかなり簡単になっているといえる。
無事故・無違反の期間で変わるSDカードの種類
SDカードにはいくつかのランクが存在する。これは無事故・無違反を継続している期間によって決まる仕組みだ。
最も短いものは1年以上で取得できるグリーンカード。その後、期間が長くなるにつれてブロンズ、シルバー、ゴールドとランクが上がっていく。そして20年以上無事故無違反を続けているドライバーには、最上位となる「スーパーゴールドカード」が発行される。
SDカードには無事故・無違反の期間が明記される。
カードには、どれくらいの期間無事故・無違反で運転しているのかが明記されている。つまり、長く安全運転を続けているほど、誇れる証明にもなるというわけだ。
もちろんカードのランクが高いからといって大きく特典が変わるわけではないが、長年の安全運転を象徴するものとしての意味合いが強い。ドライバーにとっては一種の勲章のような存在ともいえる。
カードを持ち歩かなくてもOK スマホアプリにも対応
SDカードは物理カードとして発行されるが、最近ではスマートフォンでも利用できるようになっている。
アプリをスマホにインストールし、証明書に印刷されたQRコードを読み込むことで、自分のSDカード情報を登録できる。画面上にカードが表示される仕組みで、店舗などで提示すれば割引などのサービスを受けられる。
この方法なら、カードを財布に入れて持ち歩く必要がない。うっかり忘れることもないため、日常的に利用しやすいのがメリットだ。
実際、提携店舗で特典を利用する場合も、アプリ画面を見せるだけでOKというケースが増えている。スマホ決済の普及と同じように、こうしたデジタル証明の活用も広がりつつある。
ガソリン割引や宿泊優待など意外と幅広い特典
SDカードの最大の魅力は、提携店での割引や優遇サービスだ。全国にはおよそ2万6000店舗の提携施設があり、さまざまなジャンルで特典を受けることができる。
例えばガソリンスタンドでは燃料代の割引や洗車料金の値引きが受けられることがある。長距離ドライブが多い人にとっては、これだけでもかなり助かる特典といえる。
実際に筆者の住んでいる岐阜県の近隣店舗ではガソリンが2円引きされる店舗がある。(自動車安全運転センター:SDカード優遇店検索より引用)
さらに道の駅やサービスエリア、ホテルなどの宿泊施設でも割引が用意されていることがある。旅行やドライブ、ツーリングの際には思わぬメリットになる。
そのほかにも飲食店やショッピング、レジャー施設、メガネ店など、クルマ関連以外の業種でも優待が受けられるケースが多い。普段の生活の中でも使える特典があるため、意外と活用範囲は広い。
特典には利用条件があるので注意したいポイント
便利なSDカードだが、利用する際にはいくつか注意点もある。まず、特典内容は店舗ごとに異なるということだ。同じ業種でも店舗によって割引内容やサービスは変わる。
また、カードの取得から一定期間内のみ有効といった条件が設定されている場合もある。例えば「取得後1年以内」といった期限付きの特典も存在するため、長く放置していると使えないこともある。
そのため、利用する前には条件を確認しておくのが安心だ。提携店の情報は公式サイトなどで確認できるので、事前にチェックしておくと良い。
安全運転を続けているドライバーにとって、SDカードはちょっとしたご褒美のような制度。知らずに過ごしているのは、少しもったいないかもしれない。
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