
自動車メディアの若手編集者向けに行われる『メディア編集者マツダ体験会』が、防府工場や美祢試験場がある山口県にて開催された。8年ぶりとなる開催となった今回は、マツダの主力車種を多数試乗させていただいた。その中でも取り分け目立っていたマツダの中国向け電気自動車『EZ-60』についてレポート。また、日本のフラッグシップモデルである『CX-80』、北米市場向けの『CX-90』についても紹介していく。
●文:月刊自家用車編集部
マツダの中国向け電動車『EZ-60』
マツダが中国で展開している『EZ-60』。中国の自動車メーカーである「長安汽車」との共同開発により作られた電動クロスオーバーSUVで、先に中国市場に導入されていたセダンタイプの『EZ-6』に続く、マツダの中国電動車戦略の第二弾だ。
試乗したEZ-60。
日本には導入されておらず、中国のみでしか乗れないはずの『EZ-60』だが、今回のメディア編集者マツダ体験会で、試乗することができた。
サイドミラーがない!? 中国市場と日本の違い
まず驚いたのが『EZ-60』にはサイドミラーが無い。無いと言ってしまうと語弊を生んでしまうが、サイドミラーがあるべきところにはカメラを搭載している。このカメラがサイドミラーの代わりになっており、カメラの映像はリアルタイムでコックピットのサイド両側に映し出される。
サイドミラーがあるはずの位置にはカメラが。
日本車でも『レクサスES』と『ホンダ・e』がサイドミラーを完全にカメラ化しているが、日本車ではこの2台のみ。初めはクルマ周辺の確認にギクシャクしてしまったが、慣れればかなりスムーズ。室内のモニターで見れるということもあり、視線移動の距離を抑えられるのはメリットだと感じた。
また、中国市場ならではの装備も。助手席にまでかかる長いディスプレイには、さまざまなアプリをダウンロードできる拡張性をもたせている。
ロング化されているディスプレイ。
これは、中国の車市場で需要の高い“移動中のアミューズメント性”を満たすためだという。ここまで長いディスプレイを搭載しているのも、助手席の乗員がディスプレイを操作するため。中国ではドライバー以外も、移動中にカラオケアプリで楽しむことが出来ないとクルマとしての人気が出ないという事情があるそうだ。
中国向けマツダ電動車の乗り味は?
気になる乗り味だが、非常にスムーズな印象。気になったのはハンドリングの軽さだが、同乗した開発者によるとこれも中国のニーズに合わせてのことだという。
しかし、マツダらしい人馬一体は健在。日本で発売されているマツダ車よりも軽いハンドリングだが、カーブに合わせて切れば、スッとクルマが気持ちよく向きを変えてくれる。アクセルを床まで踏み込めば、モーターならではの強烈な加速を楽しめる。
日本向けのマツダ車と比較すると、『EZ-60』はリニアでクイック。乗り心地はマツダらしい少し硬めな印象だった。
試乗したコースはマツダの美祢試験場。かつて「MINEサーキット」として親しまれた場所で2007年12月からテストコースとして使用されている。アップダウンも大きく、下りながら曲がるという車両重量が重いクルマだと少し怖く感じてしまうような箇所もあったが、『EZ-60』はそんなことも感じさせず、安心して走行できた。
日本向けフラッグシップモデル『CX-80』
『CX-80』はマツダが日本国内に導入しているフラッグシップモデル。CX-8の正当後継車で、数少ない3列目シートが設定されたSUVだ。
試乗したのは3.3L直列6気筒ディーゼルエンジンと48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたXD-HYBRID Premium Sports。『CX-60』から好評だったこのパワートレーンは、力強いディーゼルのトルクに発進時や加速時にハイブリッドシステムがアシスト。
ディーゼルだが非常に気持ちよく回るエンジンで、底から湧いてくるような力強さが特徴。小気味よい8速ATと相まって、プレミアム性を持たせただけのフラッグシップではなく、運転も楽しいクルマだった。
CX-80(XD-HYBRID Premium Sports)
●全長x全幅x全高:4990mm×1890mm×1710mm ●ホイールベース:3120mm ●パワートレーン:3.3L直列6気筒ディーゼルエンジン×48Vマイルドハイブリッドシステム
3.3L直6ガソリンターボのCX-90
そして、『CX-90』。こちらは北米市場に合わせたワイドボディのSUVだ。試乗したのは日本には存在しない3.3L直列6気筒ガソリンターボエンジンを搭載した“3.3 Turbo PREMIUM”というグレード。先に紹介したCX-80よりもひと回り大きい全長5100mm×全幅1994mm×全高1745mm、ホイールベース3120mmという、完全に北米需要にフォーカスを合わせたモデルだ。
340HPを発揮するこのエンジンは、直列6気筒らしくアクセルを踏み込んだときにリニアにキレイに回ってくれる。低回転の領域での力強さやトルクは、さすがにディーゼルエンジンの『CX-80』に軍配が上がるが、踏んだ分だけ回ってくれるのは6気筒ガソリンエンジンならではのものだった。
CX-90(3.3 Turbo PREMIUM)
●全長x全幅x全高:5100mm×1994mm×1745mm ●ホイールベース:3120mm ●パワートレーン:3.3L直列6気筒ターボエンジン
マツダは『EZ-60』『CX-80』『CX-90』といった車重が重いSUVでも、鈍重感を「G-ベクタリング コントロール」をはじめとする技術によって解消し、提唱している“走る歓び”を実現しているのだと試乗を通じて確認することができた。
今回試乗した『EZ-60』『CX-90』は日本市場への導入の可能性はかなり低いが、その完成度と卓越した走行性能はぜひ売ってほしい! と多分高くて買えない筆者は感じたのだった。期待してます!!
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